義昭(滝藤賢一)を奉じ、信長(染谷将太)と共に上洛を決めた義景(ユースケ・サンタマリア)だったが、その気まぐれな言動から、光秀(長谷川博己)や三淵(谷原章介)らはその真意に次第に不安を感じるようになる。家臣や一族も決して一枚岩ではない様子を見るにつけ、このままでは上洛をしても三好勢と十分に戦えないと判断した光秀は、信長を訪ね、単独で上洛をするように訴える。
『麒麟がくる』をより楽しんでいただくために、ドラマ上の設定や展開、世界観をわかりやすく解説します。
劇中では、足利義昭の「元服の儀」が行われました。
元服の儀とは、成人を示すための儀式です。
義昭が武家として元服したということは、ついに「武士として生きる宣言」をしたこととなり、将軍になるための資格を得たということになります。
武家の男子の元服は、当時5〜20歳ごろの間に行われることが通例でしたが、義昭の場合は、足利将軍家の習わしから「跡目争いを避けるため」に幼い頃に仏門に入りました。ところが、実兄・義輝の死により、正統な次期将軍の候補に浮上し、「僧」から「俗人」に戻る還俗(げんぞく)を済ませた後、元服の儀を執り行いました。
この儀式の中で、烏帽子(えぼし)を被せる者を「烏帽子親(えぼしおや)」と呼び、今回、この烏帽子親を務めたのは朝倉義景でした。
これにより、次期将軍にもなりえる義昭の後ろ盾は『朝倉義景である』ということを、広く諸国に知らしめることができたのです。
朝倉義景は、病気療養中の将軍・義栄に代わる次期将軍最有力候補・足利義昭の後ろ盾となり上洛することを公言、世間にアピールしました。しかし、朝倉家内の反対勢力をまとめきれず一向に上洛できないまま、義昭は織田信長を伴い上洛することを決意。後ろ盾だった義景は完全に除外され、大大名としての面目を潰されました。
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