美濃で盛大な歓迎を受ける義昭(滝藤賢一)。しかし信長(染谷将太)は、戦にまるで興味のない様子の義昭を不安に思う。一方、光秀(長谷川博己)は上洛にあたり、三好勢の兵力と朝廷側の意向を探るため、京へと向かった。駒(門脇 麦)を頼り、事情をよく知る伊呂波太夫(尾野真千子)のもとへ。三好は今井宗久(陣内孝則)をはじめとする堺の豪商と強固なつながりがあり、その財力が強さになっているという。宗久の名前を聞いた駒は、かつて丸薬を商売にしないかと持ち掛けてきた商人のことを思い出し、光秀を連れ宗久のもとへ向かう。
『麒麟がくる』をより楽しんでいただくために、ドラマ上の設定や展開、世界観をわかりやすく解説します。
堺の豪商であり茶人でもある今井宗久は、「会合衆」の一人です。
当時の「堺」は、南蛮貿易や鉄砲の生産や売買などで、経済的に大きく発展し、世界でも有数の商業都市として栄えていました。その莫大な資金力で、町の周囲を壕(ごう)で囲い、牢人(ろうにん)に警護させるなど、大名にも負けない軍事力を保持することで、独自の自治を可能としていました。
その「堺」を統治・運営していたのが、今井宗久をはじめとする「会合衆」と呼ばれる豪商たちです。
また、堺は文化的にも先進的な側面があり、堺の商人たちの間で盛んだった「茶湯(ちゃのゆ)」は、政治的な打ち合わせの場としても利用されていました。今井宗久は千利休、津田宗及とともに「茶湯の天下三宗匠」とも称せられています。
織田信長が居城としている「岐阜城」は、かつて義父・斎藤道三が居城とした「稲葉山城」があったところです。
斎藤義龍(高政)の時代から長年美濃に侵攻をしていた信長は、永禄10年(1567年)に稲葉山城を攻略、美濃を平定しました。
本拠地を尾張の小牧山城から稲葉山城に移すとともに、城下付近の地名を「井ノ口(いのくち)」から中国の故事にちなんで「岐阜」と改称。それまで「稲葉山城」と呼ばれていた斎藤氏の居城を破却して、新たな城を造営しています。
これに伴い、名称も「岐阜城」に改めました。
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