fujii7 Diary

fujii7の備忘録

かな入力は傍流なのか?

 パソコンのキーボードからの入力は、ローマ字入力か? かな入力か?f:id:fujii7:20150602093207j:plain


 私は、かな入力が専らだ。

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(画像引用 http://qa.support.sony.jp/solution/S0609261014297/

 かな入力になったのは、30年ほど前の小学生に遡る。当時、父が仕事でワープロを使っていた。それを半分遊びでいじっていたのだが、父は機械が苦手で、次第に簡単な文書は私が作るようになっていた(業務上重要でないものなのは当然だが)。

 小学生で、ローマ字の知識の乏しい時期に、ワープロのキーボードに向き合ったわけだ。となればキーボードに打ってある「ひらがな」のキーを打つしか、日本語を入力できなかった。だから、かな入力を覚えていった。当然、英字は英数字入力で入力していた。だから、「ローマ字・かな変換」、要するに「A」が「あ」、「OHAYOU」が「おはよう」と変換できなかったから、かな入力になった。

 今や、高校の「情報科」だけでなく、学校教育では、ローマ字入力を教えている。ブラインドタッチもローマ字入力を教える。だから、「かな入力は傍流」となったしまったといっても過言ではない。傍流というより、「絶滅危惧種」と自嘲している。

 ただ、かな入力は長所もある。

  1. キートップに刻印された文字がそのまま出力されるので、特にキーボード初心者の導入障壁はかなり低い。
  2. パターンの多いローマ字入力用の変則ローマ字綴りを覚える必要がない。また、ローマ字未習得の子どもにも覚えやすい。
  3. かな入力ではほとんどの場合1打鍵に対して1文字入力される。総じて打鍵数が少ないため、打鍵の早さが同じならばより早く(ローマ字と同打鍵数の文字列や打鍵数が増える文字列もあるので単純に2倍、概ね1.5倍ほど)入力でき、手指の疲労も少ない。
  4. ローマ字を気にする事なく日本語を直接入力出来るので日本語を母国語とする民族ならば感覚的に入力出来る。
  5. ローマ字入力の場合と異なり、外来語入力の際に原語綴りとの間の混乱が生じない。
  6. かな入力モード時、英数キー(かな←→英数字のトグル)を押すだけで英文モードに移行できる。
  7. ひらがな入力時、無変換キーを押すだけでカタカナに変換できる。
  8. 英数入力時、無変換キーを押すだけで全角、半角の変換ができる。
  9. 文字の1文字取り消しがCTRLキー+Hキーを押すだけでできるなど、コントロールキーとの併用が可能。

Wikipedia「かな入力」 かな入力 - Wikipedia リストを番号化した)

 ここに挙げられた長所では、2番目が私の30年ほど前に該当したわけだ。

 なにより、3番目の長所――かな入力ではほとんどの場合、1打鍵に対して1文字入力されるため、総じて打鍵数が少ない。よって打鍵の早さが同じならばより早く入力できる――が、かな入力の大きな長所だろう。

 私のような、日本語を主とした学術論文を書くことを生業としている者には、「思考を文字化」するプロセスに時間をかけられない、かけたくない。だから、思考を「ローマ字変換してから」打鍵する時間がもったいのである。一番、頭が混乱するのが、日本語化した英語イディオムをローマ字入力するときである。例えば、「infrastructure」(インフラストラクチャー)。これをローマ字入力となると、i nn fu ra su to ra ku cha - である。英語綴りのinfrastructureと、頭の中で思いっきりバッティングして混乱してしまう。すなわち、かな入力がラクということになる。

 もちろん、ローマ字入力にも長所がある。2つのキーを同時に打鍵する必要がないので、(入力の速さを問わないならば)片手でも入力できる。

 しかしながら、入力の速さを考え、ローマ字入力と英語綴りのバッティングの混乱を考えるならば、やはり「かな入力」に分があるのではないだろうか。

 なお、英語を書くうえで、ローマ字入力のキー配置も体感で覚えているので、より正確には「両刀使い」がより時間効率的な入力となるだろう。もっとも、スマフォでは、フリック入力の日本語入力を覚えれば、「両刀使い」どころではなく「三刀使い」ということになる。

 要は、機器に応じた入力方法を体感でマスターすることが重要で、また「かな入力」も絶滅することなく、生き延びていくことだろう。