地域猫たちが庭の植物を口にしてしまった場合
わが家の庭には 猫に有害といわれている植物が置いてあります。 そんな庭に、近所のボランティア団体がお世話をしている 地域猫たちがときどき入ってくるのですが、 植物を口にしてしまった場合、私が訴えられることもあるのでしょうか?
場合によっては賠償請求されることも
自分の庭ですから、好きな植物を育てる自由は認められています。ですから、訴訟にまで発展することは稀でしょうが、ボランティア団体から賠償請求される可能性もゼロとはいえません。たとえば、庭にくる地域猫に害を与えようと、わざと有害な植物を置いている場合。また、わざとではなくても、植物の毒性が強く、たびたび死亡事故が起こっている場合などです。庭の植物について団体から相談されても頑として対応しないなど権利を侵害しているということになれば、民法709条が適用される可能性もなくはありません。
賠償請求とは関係なく、自分の庭の植物が原因で猫が体調を崩したり、猫のお世話をしている地域の住民とトラブルになったりするのはできれば避けたいもの。もし心配なら、猫がうっかり口にしないような工夫はしておくといいでしょう。
猫には害のないといわれる植物に替えたり、猫が触れないように植物を覆ったり、猫が庭に入ってこられないようにしたり、それも難しければ置くのをやめたり……。ちょっとしたことで命にかかわるトラブルを回避できるのなら、それに越したことはありません。
不法行為による損害賠償
民法第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。もしも猫が庭先に頻繁に来るようなら、猫が植物を口にしない工夫をしておいたほうがよさそうですね。
参考/「ねこのきもち」2020年3月号『もしものときの猫の法律相談所』(監修:渋谷総合法律事務所 ペット法学会事務局次長 弁護士 渋谷 寛先生)
イラスト/徳丸ゆう
画像/iStock、Getty Images Plus
文/犬神マツコ
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