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勇者の弟と比べられ、無能と苛まれてきたけど本当の実力は逆だったので、ハッピーエンド目指してみました。 作者:小野音
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第一話

 セイソル伯爵家の令息が、新たな勇者になる。


 これは父さんと母さんが優れた剣士と魔法師だから、数年前から決まっていたらしい。


 数十年に一度−−−聖なる魔力を宿す聖剣を継承して、新たな勇者となる。


 勇者は魔物と戦い国を守る偉大な人物で、セイソル家の令息なら大丈夫だと思われた。


 それは主に、俺、ビレイン・セイソルが様々な問題を解決して来たからだけど

……それは全て、弟ビランが自分の手柄にしていた。


 2つ年下の弟ビランは、昔から体が弱く皆から心配されながらも期待されていた。


 体が弱いのは体内の魔力が強すぎて、それが制御できていないからと言われ続け、それは今でも信じられている。


 ビランが魔力を制御できていないのは事実だけど、両親から溺愛されていたせいで、魔力を使えなくてもいいと考えるようになっていた。


 それを知ったのは最近で……知らない当時、俺はビランに協力していた。


 俺の協力を得たビランは活躍して、それを全て自分1人で行ったことにしている。


 いつもビランが褒められて、周囲から私は期待されなかったのか興味を持たれず、何もできない無能な兄と呼ばれていた。


 いつも通り、勇者となったビランに協力しようと思っていたある日、私は王座の間に呼び出される。


 そこで−−−ビランの婚約者である第一王女シェイル・ソウテインが俺に告げた。


「ビランから聞きましたが……ビレイン、あなたは様々な悪事を行なっていたようですね!」


 そう言って……シェイル様はビランが影で俺に仕事の邪魔をされていたと話を始める。


 魔法学園の俺の知らない女が現れて、俺に口止めされていたとか言い出した。

 ……この話は明らかに捏造されていた。


「兄さんは無能だと蔑まれていることに苛立ち、影で僕を虐げてきました」


 悲しそうな演技をするビランを見て、シェイル様が俺を睨む。


「あなたが無能なのは事実だというのに、なんて愚かな人だ……。お父様、2度とビランを虐げないようにビレインを捕らえましょう!」


「………」


 誰も反論しない辺り、もう大半の貴族たちに話を通していそうだ。


 それから−−−俺が何を言っても王座の間の人たちは聞き入れてくれなかった。


 どうやら新たな勇者の兄が無王だということを、他国に知られたくないらしい。


 そして、ビランは俺が協力していると発覚したら困るから影で虐げられていたと嘘をつき、婚約者を利用することで幽閉しようとしているんだろう。


 勇者という立場の違いのせいか、この場の貴族や王子たち、陛下は弟のビランを信じ、俺の発言を信じようとしない。


 こうなるともう、俺がソウテイン王国から出て行こうかと考えてしまうけど、それは俺がいなくてもビランが勇者として問題なく仕事をできるか確認してからにしよう。


 そう決意して幽閉を受け入れるも−−−数日後、ある魔道具が完成したことにより、実際の実力が発覚することになっていた。


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