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 1年前、大阪メトロ御堂筋線中津駅(大阪市北区)のホームで、女性への強制性交事件が起きた。電車内の痴漢行為がエスカレートした犯行とされる。1日に120万人が利用するこの路線では約30年前、痴漢を注意した女性が逆恨みされてレイプされる通称「御堂筋事件」があり、女性たちが対策強化を求める声を上げ続けていた。痴漢という犯罪に日本社会は真剣に向き合ってきたのだろうか。

 事件は今年1月末、大阪府警が公表して明らかになった。4月の一審・大阪地裁判決などによると、長谷川仁被告(42)は昨年6月23日午後3時ごろ、面識のない女性(当時18)に対し、電車内で背後から痴漢行為に及び、中津駅で降車後にホーム上で体を押さえつけて口腔(こうくう)性交を強いたとされる。判決では、ほかにも昨年5~7月、大阪市内の電車内などで当時17~22歳の女性4人に強制わいせつや痴漢行為を繰り返したと認定し、強制性交罪などで懲役8年(求刑同9年)を言い渡した。被告は判決を不服として控訴した。

悲しみ、憤りつづったメモ、一晩ではがされた

 「こんなに皆が怯(おび)えながら乗る乗りものって他にあるでしょうか」。通勤で中津駅を利用する30代の女性は事件発覚後すぐ、こう書いた付箋(ふせん)をホームの壁に貼った。念頭にあったのは、韓国で2016年に起きた女性殺害事件に心を痛めた人たちが現場でたくさんの付箋を貼った社会現象だった。だが、女性の付箋は翌朝にははがされていた。「メモ1枚貼ることは許されないのに、痴漢は一向になくならない」

 事件への思いや、電車を利用していて感じる不安などを書いて貼れる掲示板を中津駅の一角に作りたいと思い、2月に大阪メトロに問い合わせた。コロナ禍でメトロへの連絡を控えていたが、事件が起きてから1年の節目に合わせ、再度働きかけるつもりだ。「いつもハラハラしながら電車に乗っている女性たちがいることを知ってほしい。乗客の思いが可視化されることで、痴漢をなくせれば」と語る。

この路線では、30年前には痴漢を見とがめた女性が逆恨みされてレイプされる事件も起きました。鉄道会社や警察はいかに取り組んできたのでしょうか。

女性専用車両「真の解決遠のい…

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