クレジットカードのサインって多くの方が、漢字のフルネームか、英語の筆記体のサインのどちらかに設定していますよね。たぶん、90%以上の方がどちらかに当てはまるはず。
しかしそのサインの仕方って正解であって実は不正解。
なぜならクレジットカードのサインは、なにも英語か漢字で書くべし…という決まりがあるわけではないためです。
- 間違い:サインは漢字か英語で書く必要性あり
- 正解:サインは漢字や英語でなくても問題なし
そこで今回はクレジットカードの署名サインに関する知識を徹底紹介。
毎回、フルネームの漢字サインを書くのが面倒だ…と思ってる方は是非、参考にしてみてくださいね。
クレジットカードのサインに関する基礎知識:
署名は支払いをした証拠としてするもの:
まず、クレジットカードで支払いをした時にするサインというのは、『確かにこの支払いは私はしましたよ』という証拠として記録に残すものです。
それゆえ、自分がたしかに支払ったものですよという証明ができるサインであれば、原則はなんでもOK。
前述のように漢字のフルネームを書く必要性もなければ、英語の筆記体で書かなくてはいけないというルールがあるわけでもありません。
外国人が日本語サインなんてするはずもない:
また、クレジットカードのサインを漢字でするか英語でするかを迷うのは、普段から漢字を使っている日本人のみ。
韓国で発行された韓国人向けのクレジットカードには当然のように韓国語でサインがされることになりますし、タイで発行されたクレジットカードであればタイ語でサインされるのが普通でしょう。
- 韓国で発行されたクレカ:韓国語でサイン
- タイで発行されたクレカ:タイ語でサイン
- UAEで発行されたクレカ:アラビア語でサイン
要するにクレジットカードのサインなんて、自分が支払いをした証明が出来るのであればどんな言語でしたって構わないのです。
平仮名やカタカナで署名してもOK:
それにゆえに日本人だって、馴染みの深い平仮名(ひらがな)やカタカナで署名サインをしたってまったく問題はなし。
- 平仮名サイン:問題なし
- カタカナサイン:問題なし
これはそもそも本名が平仮名やカタカナの方だって多いですし、名字だって別に平仮名で書いちゃダメというルールがあるわけでもないので、「やまだたろう」や「さとうはなこ」という平仮名でクレジットカードのサインを書いてしまっても大丈夫です。
特に斎藤さんや高橋さんなどの画数が多い苗字の方であれば、平仮名やカタカナを有効活用してサインするのは時短につながるテクニック。
渡嘉敷さんや纐纈さんなどはもう、漢字サインを諦めたほうがいいレベルです。
日本人が外国語でサインしても問題なし:
あと、日本人による英語サインが認められているわけですから、他言語を使ったサインだって問題なし。
- 日本人が韓国語でサイン:問題なし
- 日本人がロシア語でサイン:問題なし
もそも日本人だからといって日本語が必ず書けるわけでもない時代なので、韓国語やタイ語、アラビア語やスワヒリ語のサインだって、使いたいのであれば使ってOKです(生まれてからすぐに海外移住したとか、日本滞在中に生まれて日本国籍を持っているといった事例では、日本語も英語も書けない人はいる)。
フルネームサインである必要性も無い:
もうひとつ。
クレジットカードのサインはなにもフルネームである必要性はありません。山田太郎さんであれば、名字だけや名前だけといったサインでも認めてもらえます。
- 山田
- 太郎
- やまだ
- たろう
実際、アメリカ人などの外国人の中にも、クレジットカードの署名サインをイニシャルでする方も多いので、T.Y.かY.T.といったイニシャルサインでも全く問題なし。
大事なのは署名サインを通してクレジットカードを使ったことを証明できるかどうかなので、必ずしもフルネームである必要がないのです。
筆記体を崩したサインでもOK:
ちなみに。
私はクレジットカードを普段から使いすぎているせいか、最近では徐々に筆記体のサインが崩れはじめ、今では自分でもなにを書いているのかさっぱりわからないサインを利用しています(下記のようなサインを利用中)。
それでも店員さんからサインについて怒られることはありませんし、クレジットカード会社から『こういったサインをされるのは困るよ!』と連絡を受けることもなし。
日本国内はもちろん、アメリカや中国、シンガポールといった海外でも問題なく使えているので、クレジットカードのサインなんてこんなもので良いんだと思ってもらえればなと思います。
署名サインは何でもOK:
まとめます。
クレジットカード裏面の署名サインはどんなものでもOK。
漢字のフルネーム、平仮名やカタカナ、名字や名前のみ、英語や韓国などの外国語などなど、とにかくクレジットカード利用時にカード裏面のサインと同じサインをすることこそが重要ですよ。
好きなものを是非、お選びください。
友人がへのへのもへじを書いていた:
昔、私のとある友人が「へのへのもへじ」をクレジットカードの署名欄に記載していたことがあります(苦笑)
これ、たしかに正式な署名サインとして認めてもらえる可能性大ですが、サインをするたびに店員から怪訝な顔をされてしまっていたことを考えると、あんまりおすすめ出来る行為ではありません。
せめて多くの方に「これはクレジットカードのサインだな」と思われるようなサインにしておくのが無難ですね。
遊び心もほどほどにどうぞ。
サインに関するその他の知識:
ここで念のため、クレジットカードのサインに関するその他の知識についても少し紹介しておきます。
簡易サインだとセキュリティ対策はどうなのか:
平仮名やカタカナの署名サインを利用するとそれだけシンプルなサインになってしまうから、カードを落とした時に不正利用されてしまいそう…と心配している方も多いようなので、その辺りの補足を。
確かに漢字のフルネームサインを書けるのは日本人ならではのセキュリティ対策になりえますが、中国人、台湾人、ベトナム人、シンガポール人だって漢字サインを書くことが出来るわけですから、完全に安全な対策かといえば微妙です。
国内で不正利用されれば意味なし:
また、クレジットカードは普段、国内で利用されることが多いことを考えると、あなたのクレジットカードを不正利用するのもまた日本人。
日本語である漢字サインを使うと、むしろ逆にセキュリティ対策の弱いサインになってしまう可能性だって充分にありえます。
- 間違い:
漢字サインは模倣されにくいから安全
- 正解:
漢字サインは海外で模倣されにくいが、国内では不正利用されやすい
要は漢字だから安全ではないのです。
英語だとセキュリティ対策が弱いも間違い:
それに英語サインしか書けないアメリカ人=不正利用されまくっているのかというとそれもまた違うため、漢字サインはセキュリティ対策が万全で、簡易的なサインだと対策が弱いというのは間違い。
正しくはどんな言語のサインであろうとも自分の筆跡で書くことこそが重要なので、不正対策のために敢えて難しいサインを作る必要性はありません。
不正利用されたら補償がある:
加えて国内発行されたクレジットカードには盗難補償といって、落としてしまった場合や紛失してしまった場合の不正被害に対する補償がしっかり備わっています(下記は楽天カードの盗難補償)。
カード盗難保険について
楽天カードには盗難保険が付帯されており、カードの紛失・盗難後に不正使用された場合、弊社がその連絡を受理した日より60日前以降に発生したカード使用の被害額を保険会社の判断に基づいて免除いたします。
こういった補償がある以上、仮にあなたのクレジットカードサインが誰かに真似をされ、不幸にもクレジットカードを悪用されてしまったとしても大丈夫。
適切に被害を警察に届け出れば、100万円を不正利用されようがあなたの被害額は0円ですよ。詳しくは下記記事を参考にどうぞ。
サインをしないままのほうがよほど怖い:
あと時々、『クレジットカードの裏面にサインをするのが面倒で…空欄のままだよ』という方がちらほらいるのですが、こういった方は強盗に100万円をプレゼントしているようなもの。
なぜならサイン欄が空欄ということはクレジットカードを拾った誰かが好き勝手にサインを記入できることになるため、店頭で悪用される危険性が高まります。
なにせ空欄ならサインを真似する必要性すらないですからね。
店員が不正利用を見破ることはほぼほぼ不可能です(悪意のある人は自分で書いたサインを店頭で記入できる)。
盗難補償が効かない場合も:
さらにそれだけでなく、サイン欄が空欄のままだと盗難補償の対象外になってしまう可能性も高いと良いことは一切ありません。
- 裏面にサイン有り:盗難補償の対象
- 裏面にサイン無し:補償の対象外になることも
論より証拠。
下記の画像は大手クレジットカード発行会社である「三菱UFJニコス」の注意書きですが、赤枠の中に記載がある通り、カード裏面に署名がない場合には盗難補償の対象とならない旨が記載されています。
それゆえ、手元にあるクレジットカードやVISAデビットカード、プリペイドカードといったもののサイン欄に署名し忘れているものがある…という方は、自分自身のためにも今すぐサインをするようにしてください。
それだけであなたのカードは補償で守られることになります。
空欄のほうが安全というのはデマ:
稀に『クレジットカードのサイン欄は空欄にしておいたほうが安全だ。だって空欄のままならクレカを落とした時に自分の筆跡を真似されることがないので、カード会社の方にもわかってもらいやすい!』なんて理屈を述べる人がいるんですが、こちらは完全なる間違い。
前述のようにサイン欄が空欄のままだとクレジットカードの盗難補償が適用外になってしまうことがあるため、筆跡を真似されるリスクがあったとしてもサイン欄に自分の署名を書いておくことが重要です。
- サイン有り&筆跡を真似された:
完璧にサインを真似されたとしても補償がある
- サインなしだから筆跡を真似されない:
保有者の落ち度によって不正利用されたことになるので補償されない場合がある
とにかく補償してほしいならサインを記入すること。これに限ります。
署名に関するよくある質問とその答え:
更にクレジットカードサインに関する知識を深めてもらうために、Q&A形式でよくある質問とその答えを作っておきます。
まだまだ疑問があるぞ…という方はこちらもご覧ください。
Q.どんなペンを使ってサインは書くべき?
クレジットカード裏の署名欄へのサインに適したペンは、油性のボールペンかサインペンがおすすめ。
- 油性ボールペン
- サインペン(マッキーやマイネームなど)
逆に水性のボールペンや、サインペン風のホワイトボードマーカーなどでサインをしてしまうと、サイン欄がこすれてにじみ、サインがよくわからない状況になってしまうのでご注意ください。
油性ボールペンは太めのもの、サインペンは「細」で:
あと、油性のボールペンであればどれでもいいのかといえばそうでもなく、比較的太めのボールペンでサインするのが個人的にはおすすめ。
なぜなら細すぎるサインだと店員さんがサインの形状を認識しにくくなってしまうので、ボール径はせめて0.5mm以上のものを使うと良いと思います(理想は0.8mm以上のもの)。
反面、サインペンについては太い側で署名をするとサイン欄にうまくサインできない可能性が高いため、細い側でするのがベストですね。
- 油性のボールペン:太めがおすすめ
- 油性のサインペン:細めがおすすめ
「細」か「極細」を使うようにしてもらえればなと思います。
Q.サインを失敗してしまったらどうする?
間違って水性のボールペンを使ってサインをしてしまい、サイン欄が真っ黒になってしまった。どうしよう…という場合にはどうすればいいのか。
これについては残念ながら、そのまま利用するしか道はなし。
いくら真っ黒になってしまったとしても、サインがかろうじて確認できるようであれば問題なく利用できるのでご安心ください。
真っ黒になったら再発行の検討も:
反面、もはやサインの形状が一切確認できないほどに真っ黒になってしまったという場合には、クレジットカード再発行の検討ください。
- 真っ黒だがサインは見える:そのまま利用がベスト
- 真っ黒&サインも確認できない:再発行しかないかも?
たぶん楽天カードやイオンカードはもちろん、三井住友カードやJCBカードなどの大手クレジットカード発行会社でも再発行手数料が別途かかってしまうとは思いますが、それくらいしかサイン欄を綺麗に戻す方法はないので、カード会社まで相談をしてもらえればなと思います。
もしかするともしかすると、ゴールドカードやプラチナカードなどの上級カードなら、再発行費が無料なケースもあるかもです。
Q.サインの訂正や上書きはできる?
今まで使っていた署名サインが嫌になったから、サインを訂正したり、上書きしたりして別のサインにしても大丈夫?と思われる方もいるかもですが、いくらサイン欄に余白があったとしてもこれはダメ。
- サインの訂正:ダメ
- サインの上書き:ダメ
訂正や変更等は新規カードを入手するまでは出来ません。
サインが変更できない理由は不正防止:
ではなぜ訂正や上書きが出来ないのかというと、これはもう単純ですね。
仮に自由に訂正や変更ができるようになってしまうと、あなたのクレジットカードを拾った誰かが自分のサインに訂正をし、悪用し放題になってしまうから。
いわば不正対策の防止となっているので、どうしてもサインを変更したい場合にはクレジットカードの再発行等をカード会社に依頼するしかありません。
これなら新しいサインの設定が可能です。
Q.家族カードのサインは誰が書くの?
家族カードのサインは誰が書くのか疑問に思われている方も多いようですが、これはその家族カードの名義人がすべきもの。
たとえば父親である自分が妻のために家族カードを発行した場合には、妻名義の家族カードとなるので、奥さんがそのまま署名欄にもサインをする形になります。
- 配偶者用の家族カード:配偶者がサイン
- 子供用の家族カード:子供がサイン
- 父親用の家族カード:父親がサイン
元となる親カード保有者がサインをしてはいけません。
サインは自由にしてOK:
あと、元となる親カード保有者が漢字のフルネームサインを利用している場合でも、家族カード保有者も同じく漢字のフルネームサインにしなくちゃいけないのかというと、これは全く問題なし。
英語でも平仮名でも自分が書きやすいサインを書けばOKなので、家族カードであっても自由にサインを選ぶことが出来ますよ。
他、家族カードに関して詳しくは下記記事を参考にどうぞ。
Q.店員がサインがないと支払い出来ないとうるさい:
『お店でクレジットカードを使おうと思ったら、店員から裏面に署名サインがないクレジットカードは使えないと言われた!』と憤慨している人が稀にいるのですが、これは店員側が全面的に正しいので納得いただくしかない感じ。
なぜなら店側ではカード裏面にあるサインと実際に店舗で書かれたサインを照合する必要性があるので、カード裏面にサインがない方はその照合作業が出来ないためです。
- 裏面にサイン有り:店員が目視で照合できる
- 裏面にサイン無し:店員による照合作業ができない
仮に裏面にサインのないクレジットカードでお店が支払いを受理し、それが悪意のある第三者による不正利用だった場合には、お店がその損害を負担しなくちゃいけないこともあるわけですから当然の対応となります(サインの照合をした上で不正利用をされた場合にはお店側の責任を問われにくい)。
前は空欄のままでも使えたという主張は無意味:
それでも尚、『そうはいってもこの前はサイン欄が空のままでも支払いに使えたぞ!』という主張をされる方もいるかもですが、それは単純に店側が照合作業をし忘れてしまっていただけの話。
前述のようにクレジットカードを取り扱う加盟店はクレジットカード裏面のサインと支払い時に記入するサインを照合する義務を負っているので、どんなにあなたが『前は見逃してもらえたぞ!』と主張してもそれは無意味となります。
たとえるなら前回はスピード違反を見逃してもらえたのに今回はなぜ見逃してくれないんだ…と言ってるのと同じことですよ。
意固地にならず、素直にサイン欄への記入に応じてもらえればと思います。
パスポートサインと一緒にしないとダメ?:
時々、海外旅行系の情報サイトには『クレジットカードのサインを、パスポートのサインと一緒にしておかないといけません』といった記載がある場合がありますが、個人的に世界各国を旅した経験でいうとそんな指摘をされたことは一度もなし。
クレジットカードサインはクレジットカードのサイン、パスポートサインはパスポートのサインとして別個に扱われるため、別にわざわざ一緒に統一する必要はありません。
- 間違い:クレカとパスポートの署名は同一にすべき
- 正解:クレカとパスポートの署名は別々でOK
仮にホテル側からそう要求された場合には、レシートのサイン欄にクレジットカードのサインとパスポートのサインの両方を記載するなどの工夫すれば乗り切れることでしょう(そもそも海外では暗証番号の入力が主流になりつつあるのでサインをさせられることは少なくなりつつある)。
怪しい署名サインを使うのはほどほどに:
ここまでクレジットカードの署名サインは漢字や筆記体でなくてもOK…ということを解説してきましたが、多くの日本人にとって『サインは漢字か英語でするもの』というのが常識であるのもまた事実。
いくら自由なサインが認められているからといって、店舗でサインをするときにスワヒリ語のぐにゃぐにゃなサインをしたり、顔文字をサインにしたりしていたら、お店の人から怪しまれることになってしまう可能性もありえます。
- 漢字か英語のサイン:一般的なので問題が起きない
- 他言語のサイン:問題になる可能性あり
そのため、利用時にいらぬ問題を起こさないようにしたいなら、クレジットカードサインは漢字か英語にしておくのが無難。
やるにしても平仮名やカタカナあたりまでにするか、私のように英語の筆記体らしきサインをするのがおすすめですね。
こういったサインであればトラブルに遭遇することなく、クレジットカードを支払いに利用できるはずです。
サインを変えるのは新しいカードが届いてから:
最後に、ここまでを読んで『なるほど、私は画数の多い名字と名前だから、明日から平仮名のサインに変更してみよう!』と思った方は少しお待ちを。
クレジットカードのサインというのは、カード裏面のサイン欄にかかれているサインと同一である必要性があるので、お手持ちのカードがすでにあるという方はそのままのサインをしばらく使い続けるしかありません。
- サイン欄に過去のサインあり:
そのサインを支払時には使う(変更ができない)
- サイン欄にサインなし:
今後は新しい自分のサインを作って利用OK
そのため、今回紹介したサインは更新クレジットカードが届いたり、新しく別のクレジットカードが手元に届いた時に変更してください。
それで簡易的なサインへの切り替えが可能になりますよ(どうしてもサインを変更したくなってしまった方はおすすめカードを紹介したこちらの記事を参照)。
以上、クレジットカードのサインを、馬鹿正直に漢字のフルネームサインにしてませんか?サインの仕方など、カード署名に関する疑問を解決…という話題でした。
参考リンク:
クレジットカードの基礎をもっと学びたい…という方は、下記記事などもあわせてどうぞ。クレジットカードがどのような仕組みによって成り立っているかがわかりますよ。