トランプ氏の上級顧問ミラー氏も感染 米軍最高幹部らは自主隔離
米ホワイトハウスで新型コロナウイルスの感染が拡大している。陽性となったドナルド・トランプ大統領にきわめて近いとされるスティーヴン・ミラー上級顧問が6日、感染を発表した。これに先立ち、米軍の最高幹部らは自主隔離に入った。
ミラー上級顧問は、これまで5日間、自主隔離していたものの、6日になって感染を確認したと明らかにした。6日まで「毎日、陰性結果が出ていた」という。ミラー氏は、トランプ氏の就任演説など数々の演説原稿を書き、政権の強硬な移民政策に影響を与えてきたとされる。
ミラー氏の妻、ケイティー・ミラー氏はマイク・ペンス副大統領の報道官。5月に新型ウイルスに感染し、後に回復している。7月にはミラー氏の97歳の祖母が死亡。新型ウイルスによる感染症「COVID-19」が原因と言われる一方で、ホワイトハウスは新型ウイルス関連を否定し「老衰」のため死亡したと発表していた。しかし、後にミラー氏のおじが、COVID-19を主な原因とする呼吸器不全だと死亡証明書を提出している。
ミラー氏の発表に先立ち、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長ら複数の米軍幹部が、感染者に接触したとして、「最大限の注意を払うため」自主隔離を開始した。
国防総省で先週開かれた軍幹部会合に出席した沿岸警備隊のチャールズ・レイ副司令官が、その後の検査で新型コロナに感染していることが確認されたため。国防総省によると、レイ提督は軽い症状を発しているが、接触した他の軍幹部の感染は確認されず、無症状という。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、統合参謀本部のほぼ全員が自主隔離に入った。
国防総省は報道陣に、「米軍の作戦実行能力や準備状況に何の変化もない」と述べ、「(自主隔離に入った)軍幹部たちは従来と別の仕事場で職務を果たす能力が十分にある」と話した。同省は軍幹部会合の出席者の行動を追跡しているという。
沿岸警備隊によると、レイ副司令官の感染は5日に判明した。しかしAP通信によると、約10日前にホワイトハウスで開かれた集まりに出席したものの、感染経路は分かっていないと関係者は話している。
ホワイトハウスで増える感染者
トランプ大統領の感染に続き、ホワイトハウスや共和党関係者の感染者が増え続けている。
ミラー上級顧問に先立ち、ケイリー・マケナニー大統領報道官は5日に陽性判定を発表した。6日には報道官室の職員3人の感染が確認された。
マケナニー氏は4日、記者団と話をする際にマスクを外して質問に答えていた。
トランプ氏がホワイトハウスの庭で最高裁判事候補にエイミー・コーニー・バレット氏を指名した9月26日の式典が、「スーパー・スプレッダー」イベントだったのではないかと注目されている。
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この式典の出席者で新たに、カリフォルニア州のキリスト教関係者の感染が明らかになった。
グレッグ・ローリー牧師は軽症だという。式典当日はワシントン市内のキリスト教集会で、マイク・ペンス副大統領と一緒だった。
7日夜には、ペンス副大統領と、野党・民主党のカマラ・ハリス副大統領候補の討論会が予定されている。両候補とも最新の検査結果で陰性となっているが、ユタ州ソルトレイクシティでの討論会では、感染予防策として2人の間に透明な間仕切りを置くという。
2日に感染を発表したトランプ大統領は5日、入院先のウォルター・リード軍医療センターからホワイトハウスに戻った。入院中は、ステロイド剤デキサメタゾンの投与や酸素補給などの治療を受けていた。デキサメタゾンは新型コロナウイルス治療においては、重症や重体の患者に使用される。