コロナ減収世帯への無利子融資、延長申請8万件超 期限後困窮の恐れ
新型コロナウイルスの影響で収入が減った世帯を対象にした無利子の融資制度「総合支援資金」の利用延長の申請が相次いでいる。貸付期間は原則3カ月以内(月額上限20万円)で、最長6カ月まで延長可能な制度。全国で融資を受ける世帯の2割に当たる8万件超が延長した。最大120万円の借金を抱えることになるが、減収が長期化し利用せざるを得ない事情が背景にあり、雇用悪化で融資期限後に困窮に陥る人が増える懸念がある。
「融資がなければ生活しようがなかった」。5月から月額10万円の貸し付けを受ける清掃・リフォーム業の男性従業員(45)=福岡市=はとつとつと語る。
昨年末に就職した男性が正社員になった3月。喜びもつかの間、感染拡大で業務は激減して月給2万円の状態が続く。双極性障害(そううつ病)があり、障害年金(隔月9万7千円)や貸付金で生活をつなぐ。延長した融資は10月に切れる。最近は感染が小康になり業務量も回復しつつあるが先行きは不透明。「先を考えだすと眠れない。体に障るから考えないようにしている」
総合支援資金は、市町村の社会福祉協議会を窓口とした従来の生活福祉資金貸付制度。貸し付け条件を3月下旬から、保証人がいなくても無利子にするなど大幅に緩和し、手続きも簡素化した。貸し付け上限は1世帯当たり月額20万円(単身15万円)、返済までの据え置き期間は1年以内、償還期限は10年以内。
厚生労働省などによると、条件緩和後の全国の総貸付件数は、9月19日までの半年間で約37万8千件(総額2411億円)。2008年のリーマン・ショック後の09~10年度2年間の5倍強に上る。九州では最多の福岡県が約3万件で東京都、大阪府に次ぐ。
緊急事態宣言が続く5月から、初回の申請が急増。全国の延長件数も8月1日までの約6千件から急伸し約8万6千件(9月19日現在)に達した。厚労省は初回融資も含めた申請期限を9月末から年末に延ばした。
借り手は自営業から会社員までと幅広い。生活がある程度安定していたのに住宅ローンなどを抱え、大幅な減収で家計の収支バランスが崩れ、苦しくなった人も少なくない。
融資延長の場合、利用者は生活困窮者自立支援制度に基づく支援機関のフォローを受けることが条件。だが、福岡県内のある支援機関の担当は「申請が多過ぎ、面談などが通常の倍以上だ。相談者の困り事を細かく把握したいのに、審査を通すため流れ作業になっている」と明かす。
秋から冬にかけ雇用情勢が厳しくなるとの指摘がある中、継続的な支援態勢は十分ではない。福岡県内の市社会福祉協議会の担当者は「融資終了後も収入が回復せず、生活保護に頼る人が増えるのではないか」とみている。 (大坪拓也)











