2004年08月06日

講座:強~い女たち・フチタン(2)専業主婦がいない


 女の子は幼いときから、母親に学び、技能を身につけてゆきます。
トルティーヤ売りならば、原料のトウモロコシから加工して、焼いて、売るまでを、つぶさに見て手伝います。

 お祭りなど共同体のつきあいもこなします。
 共同体はフチタンの生命だからです。

 ある程度の歳になると、親戚や知人の家に住み込み、商売の手ほどきを受けます。
 思春期を終えたら自立します。
(学校に通い続ける子もいますが、片手間に商売をすることは認められています。銀行員などの賃金労働をする女が副業を営むことも珍しくありません。)

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 男女交際は自由な雰囲気です。
 結婚は一夫一婦制。
 女の家に男が入ることも、その逆もあり、別居結婚もあります。
 離婚は簡単です。

 強い家族のきずながありますが、血縁に縛られたものではなく、養子縁組が盛んです。
 親戚の子や、子育てができない知人の子を、気軽に引き取って育てます。
 女の子がうまれると、将来の心配をしなくてすむ(!!)というので、喜びます。
 子どもの面倒は、家の女たちや、親戚、夫などがみます。複数の子どもの父親がそれぞれ異なるということもあります。

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 家事は...たぶん「家事」という概念がないのでしょう。
 「専業主婦」というものは、まったく存在しません。(!!!)

 多くの女が炊事をしません。料理上手な女たちが市場で自作の惣菜を売っているからです。
 洗濯は洗濯屋さんという商売があるようです。手がけるのはやはり女です。(家の掃除は誰がやっているのか、前出の本を読んだ限りでは不明です。不勉強スイマセン。)

 女の価値は、女が自立してうまくやっているかどうかで決まります。
 仕事をしっかりとこなし、共同体に貢献することで、ひとかどの女と認められます。
 稼ぎの多さや肩書きでは評価されません。

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 歳をとれば、家族の誰かが面倒をみてくれます。
 相続は、母系制社会によくあるように、末の娘がします。
 家屋は母親の家を受け継ぐこともあり、自分の財産で建てることもあります。


 次回はフチタンの女の子の処女喪失のお話です。

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