『ヒルナンデス』『バイキング』…テレビ界一斉“コロナ対策アピール”賛否

(C)Johan Larson / Shutterstock

3月30日、この日は4月1日に一番近い月曜日であったことから、テレビ界は新年度モードに突入した。特に帯番組では各局でのリニューアルも見られたが、それとは別の〝ある異変〟がネット上で話題となった。

この日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)、『あさイチ』(NHK)、『ZIP!』(日本テレビ系)、『ひるおび!』(TBS系)など各局の情報番組は、出演者同士が1~2人分ほどの距離を置いていた。これは密着・密集すると感染リスクが跳ね上がる新型コロナウイルス対策の一環で、各番組でも距離を置いた理由をこのように説明している。

この措置は昼の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)や『情報ライブ ミヤネ屋』(同系)、『ひるおび!』(TBS系)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)でも講じられ、夜の『報道ステーション』(テレビ朝日系)、『NEWS23』(TBS系)、『news zero』(日本テレビ系)も出演者同士は距離を取っていた。さらに、この日の朝10時ごろには、志村けんさんがコロナウイルス感染によって亡くなったとの衝撃的な一報が。すると、芸能界からの死亡者という事態を重く受け止めたのか、翌日には『めざましテレビ』(フジテレビ系)、『とくダネ!』(同系)、『バイキング』(同系)もこの措置を導入していった。

 

ネット上では激しい賛否が…

その妙な距離感は滑稽な雰囲気を醸しているが、ついに業界から死者が出たこともあり、各番組でさまざまな工夫を凝らすこととなったテレビ界。しかし、ネット上ではこうした策に対し、

《対策してますアピールはもういいから》
《マスクもしてないんだから意味ない》
《同じスタジオにいるんだから意味ないだろ。窓なくて換気もできないだろうし》
《いつも通りならそれはそれで苦情が来る》
《パフォーマンスに過ぎないとしても、テレビではそうすべきでしょ。そのくらい気を付けないといけない状態だということを啓発する意味はあるから》
《注意喚起するいい取り組みだと思う》
《外出にあたる街頭インタビューや記者が密集した会見もやめてほしい》
《良いことだとは思うが、やるのなら1~2カ月前からやるべきだったと思う》

など、賛否両論が飛び交っている。

「日々刻々と状況が変わる以上、ニュース自体は伝えなければならない。しかし、スタジオではスタッフ・タレントが密着・密集してしまうのも事実ですし、これまで通り放送するのも問題です。今回の対策は、テレビ界における苦肉の策と言っていいでしょう。もう少しだけ踏み込み、出演者を絞ってさらに距離を空ける、別室で中継を結んでコメントし合う、なるべくVTRメインの構成にするといった対策を打てば、賛否の〝賛〟が増えていくと思います」(制作会社関係者)

東日本大震災のときも、節電や自粛の観点からテレビ界は苦境に立たされた。伝えるべき情報とそうでないものをてんびんにかけ、視聴者から頼りにされるような〝テレビ〟になってほしいものだ。

 

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