小宮山氏は、<弁護士とよく相談して、残すけれどもリスクのないように残すこと。まったく残さないというのは難しい>と指示。その過程で、委員から<ちなみにこれ録音しているの>という質問が出て、事務方は<録音してます>と、答えている。
私は、東大の劣化を象徴するような総長選の揺らぎを取材。小宮山氏が「総長選出後の記者会見で、審議の過程を説明する」というので、2日の会見への出席を求めたが、本部広報課は「記者クラブ加盟社でなければ認めない」と拒否。呆れたことに、「時間と場所も機密事項」として教えない。
そのうえに音声データ消去である。そこで、改めて広報課に、反訳を入手していることを明かしたうえで、「強引な議事進行」、「宮園排除の理由」、「音声データの消去は誰の指示か」といった疑問点を質問書として提出したが、「今後検証するので回答は差し控えたい」とのこと。東大にも小宮山氏にも、学内外に真摯に向き合う気持ちも、検証して改善するつもりもない。
選考過程の封印は、「東大の劣化」を象徴するものであり、2代前の総長である小宮山氏の“逃走”は、許されることではない。