ワクチン接種の予約集中 インフル警戒、小児科に

新型コロナ
社会・くらし
2020/10/6 13:34

10月から始まった季節性インフルエンザ予防のワクチン接種で、新型コロナウイルスとの同時流行への警戒から、子どもにいち早く接種したい保護者からの予約が小児科に集中している。予約を取りづらい状況も起きており、専門家は「ワクチンは今後も出荷される。過剰な心配はしないように」と呼び掛けている。

10月から始まった季節性インフルエンザの予防接種を受ける女児(1日、川崎市)=共同

「予約の動きが早い。例年は10月からポツポツ入る程度なのに」。東京都世田谷区の小児科「みくりキッズくりにっく」の本田真美院長は驚く。インフル予防接種の予約は、9月14日から同月末までに1700件超の申し込みが入り、枠も11月下旬までほぼ埋まった。

厚生労働省は接種の対象を高齢者優先とし、子どもへの接種は26日以降にするよう促した。この方針がワクチン不足に対する保護者の不安を高めたとの見方もある。

日本小児科医会は「一律に遅らせるべきではない」との提言を公表した。乳幼児はインフルエンザ脳症などのリスクもあるためだ。結果、1日から始めた病院と、厚労省方針に従って遅らせる病院とで対応が分かれた。

ナビタスクリニック川崎(川崎市)は、小学生以下とその家族も優先度が高いと判断、1日から開始した。同日3歳の娘と接種した女性(43)は「私にぜんそくの持病があり、夫は毎日出勤している。娘も私もすぐ打ちたかった」とほっとした様子だ。一方で「6歳と10歳の息子がいるが、月末だとワクチンが残っていないかもしれない」と話す渋谷区の女性(35)のように心配する親もいる。

感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「ワクチンは今後も出荷されてくるので焦らなくていい」と指摘。「3密回避や手洗い、マスク着用などの新型コロナの対策を続けることがインフル予防にも有効」として、急がず例年通りのタイミングで予防接種を受けるよう助言する。〔共同〕

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