「コロナ軽視の代償」と中国紙 トランプ大統領コロナ感染に
2020年10月3日 05時55分
◆各国首脳からは回復願う声
【北京=坪井千隼、パリ=竹田佳彦】トランプ米大統領が新型コロナウイルス感染を公表したのを受け、各国の首脳らから回復を願う声明が相次いだ。一方、コロナを巡りトランプ氏が重ねて名指しで批判してきた中国のメディアからは「軽視してきた代償」との厳しい声も出た。
3月下旬に感染が発覚し、一時公務から離れた英国のジョンソン首相は「早く良くなることを願う」とツイート。自身は入院中に症状が悪化し、集中治療室(ICU)で治療も受けた。退院後、医師らが「不測の事態」に備えていたと公表している。
欧州連合(EU)のミシェル大統領は、新型コロナについて「日々、世界のどこでも戦い続けなければならない」と強調。流行対策を巡りトランプ氏が「中国寄り」と激しく批判し、脱退を示唆した世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長も、回復を願う短文の声明を出した。
中国共産党機関紙、人民日報系、環球時報の胡錫進 編集長は2日、ツイッターに評論を投稿。「トランプ氏は新型コロナが米国に与える影響を軽視してきた。その代償を支払うことになった」と痛烈に批判した。
評論では「トランプ氏自身、長い間マスクを着けず、感染防止の措置も不足していた。米国民に新型コロナの危険性を軽視させ、米国社会に負の影響をもたらした」と強調。「米国はもっと国民の安全を確保する方法をとるべきだ」と、米トランプ政権のコロナ対応は間違っていたと断じた。
中国では、米国で感染が収まらないのは、米トランプ政権の対応が誤っていたためとの見方が大勢だ。トランプ氏が「中国のせい」などと批判を繰り返してきたことについて、責任を中国に転嫁しているとの反発が強まっていた。
一方、米中関係が悪化する中、米国との距離を縮めている台湾は、蔡英文総統と台湾外交部が2日、米国側にトランプ米大統領の早期回復を願うメッセージを伝達したと、台湾メディアが報じた。
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