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新型コロナ機内感染、エコノミー窓側に高いリスク-カンタス便の分析

  • 二次感染の全てがエコノミークラスの中央部に集中-論文
  • 機内で感染したとみられる11人のうち7人は窓側の席に座っていた

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今年3月にカンタス航空の国内線で新型コロナウイルスに感染した乗客らのゲノム配列を解析したところ、エコノミークラスの中央部に位置する窓側の座席が最も感染リスクが高かったことが判明したという。

  新興感染症に関する学術誌に掲載された西オーストラリア州の研究者らの論文によると、3月19日のシドニー発パース行きの便では最大11人が機内で新型コロナに感染したとみられている。

  フライト時間約5時間の同便には乗客243人が搭乗していた。このうち11人が搭乗前に感染していた乗客で、そのほとんど全員が同日早く、シドニーでクルーズ船「ルビー・プリンセス」を降りていたという。

  搭乗前に感染していた乗客は機内の中央部と後部にほぼ均等に分かれて座っていたが、研究チームの分析によれば、二次感染の全てがエコノミークラスの中央部に集中していた。二次感染者11人のうち7人は窓側の席に座っており、こうした座席の感染リスクが相対的に低いという既成概念とは矛盾していると論文は指摘する。

  今回の調査結果は、世界中で国内線に乗客を呼び戻そうと取り組んでいる航空会社にとっては打撃となる。各社は航空機には病院並みの高性能空気フィルターが搭載されており、機内でのウイルス感染リスクは低いと主張してきた。

  カンタス便で二次感染した乗客のほとんどは、搭乗前に感染していた乗客から2列以内の席に座っていたが、6列離れた座席での感染も1件あったという。

  カンタスは発表文で、一部の乗客がルビー・プリンセスの下船者だったことは知らなかったと説明。医療ディレクターのイアン・ホースグッド氏は「もし分かって入れば、彼らは搭乗を止められていただろう」と述べた。

原題:Covid-19 on Qantas Flight Spread to Window Seats in Economy(抜粋)

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