酒田市の酒田港大浜ふ頭付近の海中で見つかった不発弾が、第2次世界大戦中に米軍が投下した1000ポンド(約454キロ)の大型爆弾とみられることが2日、海上自衛隊の調査で分かった。港湾を管理する県や酒田海上保安部は海自と協力し、宮野浦海岸の沖合1.5キロの水域で6日に爆破処分する。関係者によると、3日にも爆弾を処分水域へ運ぶ。
海自によると、舞鶴警備隊(京都府)が管轄する秋田県から島根県の日本海沿岸で、不発弾の爆破処分は2004年度以降、行われていないという。不発弾は直径50センチ、長さ1.6メートルの円筒形。水深5メートルの海底に横たわった状態で、先月25日に発見された。海自の水中処分隊が潜水調査し、形状などから戦時中に米軍の爆撃機が投下した1000ポンド爆弾とみられるという。腐食状況などから起爆装置の信管を取り外すことが難しく、爆破処分を決めた。
処分水域では、バルーン状の浮具を使って爆弾を水中でつった状態にし、ゴムボートでえい航しながら運ぶ予定。酒田海保は移動中、周辺の船舶の航行を禁止する。爆破は6日午前、宮野浦海岸の沖合1.5キロ、南防波堤から1.2キロの水域で行われ、海底20メートル付近で爆薬を使う。半径3キロを危険区域とし、航行や海岸などへの立ち入りも禁止する。
酒田市史によると、酒田港の大浜ふ頭付近では1945(昭和20)年の6月30日と8月10日に米軍の空襲を受けたとの記述がある。6月30日には爆撃機B29約10機が飛来して機雷などを投下し、8月10日は艦載機での空襲だったという。1000ポンド級の爆弾が落とされたとの記録はない。
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