スポーツ・ミュージアム「山田コレクション」館長山田勝三さん

★スポーツ・ミュージアム「山田コレクション」館長山田勝三さん(68)

2012.10.26


見れば見るほど金本氏ソックリなろう人形(左)。山田館長の自慢の逸品だ【拡大】

 数々の記録を残し、今季限りで現役を引退した阪神の金本知憲氏(44)。本人の全面協力のもと、300万円かけて製作されたろう人形が福井にある。知る人ぞ知る福井の富豪で、スポーツ・ミュージアム「山田コレクション」の館長を務める山田勝三さん(68)が製作に込めた、驚くべきこだわりとは。 (聞き手・宮脇広久)

 ──怖いくらい金本氏本人にそっくり

 「東京のろう人形作家と一緒に、金本さんの自宅を訪ねて採寸、あらゆる角度から写真を撮らせてもらって作りました」

 ──ユニホームや帽子、スパイク、バットも

 「すべて実使用の物。左手に握っているのは直筆サインボールです」

 ──製作に300万円

 「一昨年、東京で完成した人形を福井まで配送してもらうのに50万円かかりました。美術品同様の厳重な梱包(こんぽう)をしてもらい、保険もかけましたから」

 ──巨人・長嶋茂雄終身名誉監督のろう人形もある

 「2体とも等身大ですが、並べて展示するにあたってアニキから条件がありました。“長嶋さんより目線が上になるのは恐れ多い。バチが当たる”というのです。そこでミスターの台座を高くしました」

 ──金本グッズも数多く展示されている

 「広島時代の背番号10のユニホーム、ジャンパーはここにしかない。アニキ自身も持っていないと言っていました。引退試合(9日、甲子園)で関係者に配られた大入り袋にも、サインをいただき展示しています」

 ──金本氏と親交を深めたきっかけは?

 「2008年の暮れに“1度来てみたかった”とフラリといらして、ミスターの展示品をご覧になりました」

 ──思い出は

 「一昨年オフ、連続フルイニング出場の世界記録を記念してユニホームが米野球殿堂博物館(ニューヨーク州)に展示されることになり、アニキから“一緒に行こう。興味があるでしょう”と誘っていただいて…。しかし私は大の飛行機嫌い。ミスターやアニキのグッズを購入するためなら命がけで飛行機にも乗りますが、それとは違います。“おれと心中できないのか”といわれましたがお断りしました」

 ──金本氏の魅力は

 「誠実さです。福祉関係に多額の寄付をしていらっしゃるが、マスコミには一切伏せている。弟分の新井さん(貴浩内野手)にうかがったのですが、若い選手が飲みに出かけていくのを尻目に素振りをしていて、帰ってきてもまだ振っていた-なんてことがよくあったそうです」

 ──人物を物語るエピソード

 「アニキは“おまえらも振れ”なんてことは一切言わなかった。新井さんいわく“あの姿を見せられたら、遊んでいられません”と。言葉ではなく、行動の人です」

 ■山田勝三(やまだ・かつぞう) 1944年9月13日、福井県生まれ、68歳。福井実業高(現・福井工大福井高)卒業後、家業の酒店手伝い、クラブのボーイ、深夜営業喫茶店経営などをへて、現在不動産会社社長。

 ■スポーツ・ミュージアム 山田コレクション 2007年4月オープン。福井県福井市勝見3の20の12。(電)0776・21・0711。JR福井駅東口からタクシーで約4分。年中無休。年間3万人以上が訪れている。

 

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