▼行間 ▼メニューバー
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~ 作者:九頭七尾

第一章

42/108

第42話 めちゃくちゃ物騒なスキル

〈パンパカパーン! おめでとうございます! 村人の数が1000人を超えましたので、村レベルが6になりました〉

〈レベルアップボーナスとして、600村ポイントを獲得しました〉

〈作成できる施設が追加されました〉

〈最大村面積が増加しました〉

〈スキル「領地強奪」を習得しました〉


 一気に村人が増えた結果、またレベルが上がってしまった。

 1000人の大台も突破だ。


「領地強奪……?」

〈他者が治める領地であっても、強制的に村の一部に組み込むことが可能になります。ただし、村長のいる地点から半径五十メートル以内に限定されます〉


 今まで明確な持ち主がいる土地については、村にすることができなかった。

 だからこの未開の地に来るまでは、『村づくり』のギフトを使えなかったのだ。


 それがこの「領地強奪」の村スキルを使えば、許可なく他人の土地を村のものにできてしまうらしい。


「え? それめちゃくちゃ物騒なスキルじゃない……?」


 ……まぁ、こんなの使う機会なんて来ないと思うからいいけど。


 そもそも今や最大村面積がさらに拡大し、すでにこの荒野全域を覆えてしまえるほどになっている。

 外側の石垣で囲っている部分は、ほんの一部でしかないのだ。


 これでも村としては十分過ぎる広さだというのに、誰かの領地を奪おうなんて思うはずもない。


 乱世の戦いから離れた今、僕にはこの村さえあればいい。

 父上と違い、これ以上の領地拡大なんて望んでいないのだ。


〈レベル6になったことで、新たに作成可能になった施設は次の通りです〉


 地下道(20) 橋(20) 果樹園(250) 学校(250) マンション(300) 


「地下道? 地下に道を作ることができるってこと……?」


 試してみると、まず地中へと繋がる階段が出現した。

 硬い石で固められ、しっかりとした作りのそれを降りていく。


「行き止まりだ。今ので20ポイント分ってことかな」


 そこからさらに地下道を作成すると、今度は数メートルほど先まで道が出現した。

 不思議なことに、明かりがないのになぜか先を見通すことができる。


「すごい、地面をこんなに簡単に掘り進められるなんて……」


 別にこの村に地下道なんて必要はないと思うけど、もしかしたら万一のときの避難所なんかには使えるかもしれないね。


 地下道と同じポイントで、橋も作ることができるようになった。

 とはいえ、生憎と橋を架けるような川がない。


「果樹園か。……でも、果樹園だけあっても果物はできないんじゃ?」

〈心配要りません。果樹園にはデフォルトで幾つかの果樹が植えられています〉

「え? じゃあ、わざわざ種や苗木から育てなくていいってこと?」


 果物は領都ですら高級品だった。

 こんな荒野では、まず食べることなどできないと思っていた。


 それを今すぐ栽培できるとあっては、250ポイントなんて安いものだ。

 僕は早速、畑の傍に果樹園を作ったのだった。


「ええと、学校って何……?」

〈子供たちが集まって、教養などを学ぶための場所です〉

「へえ? そう言えば聞いたことがあるかも。昔この国でも、貴族や裕福な商人の子女たちはある程度の年齢になると、その学校っていうところに通って、みんなで勉強していたって」


 ただ、今はこんな時代だ。

 貴族や裕福な商人たちの子供は、家庭教師から個別に勉強を教わるのが一般的だった。


「そう言えば、適正職業が教師の村人が何人かいたっけ。この村、特に子供たちがするような仕事もないし、学校で勉強させてもいいかもね」


 少なくとも最低限の読み書きや、簡単な計算くらいはできた方がいいと思う。


「あとは……マンションって何だろう?」


 聞いたこともない言葉だったけれど、ガイドによればどうやら長屋の上位版に当たる集合住宅らしい。

 しかも木造ではなく、鉄筋コンクリート(?)なるもので作られているそうだ。


「でも300ポイントか……」

〈デフォルトで四階建て、一階当たり五部屋の計ニ十部屋となります〉

「思ったよりたくさん暮らせる!?」


 むしろ長屋よりお得かもしれない。


少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

ただの屍1巻
ファンタジア文庫さんより9月19日発売!(↑の画像をクリックで公式ページに飛びます)

感想を書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。