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コロナ軽視のトランプ大統領が感染…政権の混乱必至[2020/10/02 23:30]

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000194635.html

アメリカのトランプ大統領が日本時間2日午後2時ごろ、ツイッターで自身が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにしました。メラニア夫人も陽性だということです。トランプ大統領の感染が明らかになる直前に、ホープ・ヒックス氏の感染が明らかになりました。ヒックス氏は、2014年にトランプ氏の会社に入り、トランプ氏の長女・イバンカ氏のファッションブランドの広報などを手掛けていました。トランプ氏の選挙陣営に加わったことから、政権でも2018年までホワイトハウスの広報部長を務めるなど、側近として登用されてきました。ヒックス氏は先月30日、ミネソタ州で行われたトランプ大統領の選挙集会に同行していました。アメリカメディアによりますと、ヒックス氏はミネソタ州で感染の症状が出たため、ワシントンに戻るエアフォース・ワンの機内で隔離されました。

ヒックス氏の陽性を受け、トランプ大統領とメラニア夫人も検査を受けた結果、2人とも陽性反応が出たということです。
ホワイトハウスの主治医は「夫妻の体調は良好で、ホワイトハウスの居住区で回復を図る。大統領の職務に影響はないだろう」とする声明を出しました。アメリカでは感染が確認されれば、14日間の自宅隔離が求められています。軍の最高司令官でもあるアメリカ大統領の職務を遂行できなくなれば、ペンス副大統領が大統領職を引き継ぐことになります。

これまで数々の“コロナ軽視発言”を繰り返してきたトランプ大統領ですが、発言の背景に常に見え隠れするのが、11月3日に行われる大統領選です。感染が広がっていないときは「インフルエンザのようなもの」などと繰り返していました。しかし、世界中に感染が拡大し、アメリカに第一波が来ると、中国を名指しで批判しました。これは感染防止対策に後ろ向きだった自身への批判をかわすためだとされています。そして、経済活動の再開を急ぎ始めました。自粛していた大規模集会も再開。大規模集会を控えるバイデン氏に対抗し「コロナに負けない強いトランプ像」をアピールするためです。トランプ大統領がマスク着用を拒み続けたのも、支持者の中に“マスク否定派”が多いからだとされています。大統領選のため、決して崩さなかった強気の姿勢ですが、決戦1カ月前に自身が感染し、“オクトーバーサプライズ”を演じてしまうという皮肉な結果になってしまいました。

大統領選の投票日は、連邦法で定められていて、延期されたことは過去に一度もありません。今は両陣営ラストスパートをかけるタイミングです。15日にはフロリダ州で、第2回テレビ討論会が予定されています。さらに、これから1週間、全米各地で集会も予定していました。今のところ、中止が発表されたのは、2日のフロリダ州だけです。

アメリカの中枢を直撃した新型コロナウイルス。ロシアのプーチン大統領はトランプ大統領夫妻の回復を願って「あなたの生まれ持った活力と精神力、楽天主義で克服できると確信している」との電報を送ったといいます。加藤官房長官は「トランプ大統領もメラニア婦人も体調は良好と承知しているので、今の時点でお見舞いのメッセージを発出するか決めているものではない」と述べました。また、来週予定されているポンペオ国務長官の訪日についても、現時点で変更はないとしています。

トランプ大統領の新型コロナウイルス感染は、世界の経済にも影響を及ぼしつつあります。アメリカ市場で株価の指標が下落したことを受けて、2日の東京株式市場でもリスクを避けるため、株式を売る動きが広がりました。

(C) CABLE NEWS NETWORK 2020

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