価格(税込)¥4,950サイズ | A4 |
ページ数 | 110 ページ |
発行年月 | 2000年 3月 |
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商品の説明
いわゆる、シカゴ・ルネサンスの一翼を形成する、ハーバート・ブルーマー(Blumer,Herbert George,1900-1987)のシンボリック相互作用論(Symbolic Interactionism)が、T.パーソンズを中心とする構造機能主義社会学や、G.A.ランドバーグを中心とする社会学的実証主義(操作主義)を批判し、それに代わる分析枠組みや研究手法を発展させようとしたことは良く知られている。とりわけ、その分析枠組みに関しては、これまでのわが国の研究においては、それが提示する「動的社会」観が高く評価されてきた。すなわち、社会を、「主体的人間」(船津 衛)によって、形成・再形成される「流動的な過程」ないしは「変動的」「生成発展的」なものと捉える、そうした社会観が高く評価されてきた。本論は、ブルーマーのシンボリック相互作用論が持つ、分析枠組みと研究手法というこの二つの側面のうち、主として、前者の側面に焦点を当て、論を展開しようとするものである。すなわち本論は、ブルーマーのシンボリック相互作用論が持つ、「動的社会」観なるものの見方の内実を検討することをその目的としている。
では、如何なる観点から、その検討を行うのか。本論では、シンボリック相互作用論において「個人と社会との関係」が如何なるものと把握されているのか(ないしは論理上、如何なるものと把握され得るのか)、そうした観点から、この社会観を検討しようとしている。より具体的に述べるならば、本論は、以下の三つの問いを、ブルーマーのシンボリック相互作用論を素材として、解明しようとするものである。
1)シンボリック相互作用論において、個人の「社会化」(socialization)とは、如何なるものと把握されているのか。
2)シンボリック相互作用論において「社会」(society)とは、如何なるメカニズムを通じて、その個人(個々人)により、形成されてゆくものと捉えられているのか。
3)また、そうした社会が何故に再形成されてゆくものと捉えられているのか。