「マーキュリー通信」no.1441【尖閣諸島ショックから1周年、youtubeから事件の重要性を世に知らしめた勇気の人、元海上保安官一色正春氏が事件の核心を語る】
昨年9月7日に中国漁船が、我が国領海内で、海上保安庁の巡視船に体当たりしてからほぼ1年が経過しました。
この事件を風化させない為にも、一色正春氏は「何かのために sengoku38」(朝日新聞出版1050円)を出版しました。
昨日は、「日本の国防を考える会 」主催(幸福実現党協賛)の「国防シンポジウム」(於:永田町・星陵会館)に参加しました。会場は立ち見が出るほどの盛況でした。
◆元海上保安官一色正春氏「尖閣事件が突きつける日本の課題」
8月24日に再び中国漁船が我が国の領海を侵犯しました。しかし、マスコミは殆ど報道せず、尖閣諸島事件の重要性を認識していないようです。
一方、民主党の代表選がありましたが、昨年の代表選同様候補者は一切国防に触れませんでした。
野田新首相は、「靖国参拝しません」と公言し、早くも中国に恭順の意を表しました。
又、野田新首相が任命した新防衛大臣は一川保夫氏ですが、一川防衛相は「安全保障は素人だが、これが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と発言し、物議を醸しています。
素人の防衛相が自衛隊のトップになったらどうなるのか。尖閣事件が再度発生したら、右往左往してパニクるだけで、昨年の尖閣諸島事件同様の対応が起きることは容易に想像できます。この1点からも、野田首相の国防軽視の姿勢が読み取れます。
さて、領海とは自国から12海里(1海里=1852メートル、約22km)内の海と定義され、国際法上は、他国の領海を通航することは黙認されているが、それ以外の行為は一切認められていない。
中国漁船は、これまでも何度も領海侵犯し、違法操業を繰り返してきたので、その度毎に海上保安庁の巡視船は、退去命令を勧告してきました。その時に当然写真やビデオは撮影し、海上保安庁の職員ならだれでも閲覧できます。
昨年の尖閣諸島事件も又同じ領海侵犯の繰り返しと思っていたところ、突然中国漁船が巡視船に体当たりしてきました。
国としては、即座に録画ビデオを公開し、事実を全世界に伝えるべきでした。
それがなぜか国家機密となってしまいました。
那覇地検は、「中国漁船が逃げ惑ってうっかり巡視船に当たってしまった」と虚偽の発表をしました。
一色氏は、まさか地検が虚偽の発表をするとはゆめゆめ思っておらず、愕然としたそうです。
一方、中国側は、「福建省の貧しい漁民の船を日本側が威嚇した」と全くのでたらめ報道した為、中国で反日運動が起こりました。
更に、中国のウソの報道が米国にも伝わり、米国のマスコミが日本非難の報道をし始めました。
偶々訪米中の温家宝首相は菅首相と会った際、菅首相をこの事件でしかり飛ばしたそうです。
日本政府は、「粛々と国内法で対応する」と言っておきながら、中国漁船の船長以外の14人を事件発生後僅か6日後の13日に無罪釈放してしまいました。
取り調べには通訳が必要であり、わずか6日間で調べることは不可能であり、何らかの政治的意図が働いたとしか思えません。
一色氏は、日中政府のウソに我慢ならず、11月4日にyoutubeを通じ、尖閣諸島事件のビデオを流しました。
一色氏は、ウソや欺瞞が横行する世の中を変えていかなければならいとの義憤、正義感から、海上保安庁の職員、公務員という安定した身分を捨てる覚悟で実行しました。
ウソも何度も繰り返し言っている内に正しいと信じ込まされてしまう。例えば70年前に起きたといわれる南京大虐殺事件、これもウソだが、このウソも何度も繰り返し言われている内に、ついには教科書にも記載されるようになってしまった。
一色氏は、菅首相が北朝鮮関連団体に献金をしているという事実をマスコミが報道していたら、民主党政権は誕生していなかったかも知れない。国民に真実を知らせることの重要性を訴えていました。
◆地政学の第一人者奥山 真司先生「地政学から見た日本の安全保障戦略」
地政学者奥山 真司氏が説く地政学(GeoPolitics)とはなじみのない用語です。
一言で言うなら、海を支配している国が、世界を支配をしていることになります。
19世紀に大英帝国が地政学を採用し、大発展しました。島国英国を中心に全世界の海洋地図を視野に入れ、航海術を駆使して、どのように世界を支配するかに注力し、発展繁栄してきました。
その後、これを引き継いだ米国が発展してきました。米国を島国に見立てると、ユーラシアは大陸であり、どのように海洋を制覇していくかが戦略となります。
しかし、現在では米国の力は弱まり、中国が勃興し、地政学的に見ると、日本もそのことを視野に入れた政治をしていかなければなりません。
中東から日本まで5時間毎に10万トンのタンカーがOil Roadを通過します。
Oil Roadを封鎖されたら、日本経済は大パニックに陥ります。そのことを視野に入れた外交戦略が求められます。
日本は、世界から視ると、米中の二股外交戦略とみられているようです。Oil Roadを確保することが日本の国益上極めて重要となります。
※参考文献:奥山 真司著:「”悪の論理”で世界は動く! 地政学-日本属国化を狙う中国、捨てる米国」(李白社1575円)
◆幸福実現党ついき 秀学党首「日本のあるべき国防政策」
ロシアも中国の動きに脅威を感じており、今後、日米露の協力により、中国の牽制や封じ込め政策が重要となってくる。
自らの国は自らが守るという気概の下、その最大の障害となっている憲法9条の改正は最重要事項の1つと言える。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
尖閣諸島事件を改めて振り返ると、菅内閣は中国の傀儡政権であることが明らかです。
野田新首相も、早々と中国に恭順の意を示し、中国の操り人形であることをほのめかしました。
野田首相は、財務相の操りに人形でもあるので、今後はこのバックに控える2つの巨大勢力の思惑が様々な局面で見え隠れするとみておいた方が良さそうです。
マスコミの報道を鵜呑みにするのでなく、その背後にある思惑をしっかりと把握し、国民自身も考える習慣をつけることが重要と考えます。
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