パリの著名日本人シェフが「自殺」、性的暴行疑惑受け 遺族が公表
フランス・パリを拠点とする著名日本人シェフ、関根拓さんが9月28日に亡くなった。39歳だった。遺族は29日、自殺だったと公表した。
遺族の声明によると、関根さんは「虚偽の」性的暴行疑惑がうわさされ、中傷を受けていたという。
関根さんから被害を受けたとする正式な届け出はなく、警察の捜査も受けていなかった。関根さんは疑惑を否定していた。
関根さんは東京で仏料理の巨匠、アラン・デュカス氏の元で修行した後、パリの「Alan Ducasse au Plaza Athénée」(アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ)で腕を磨いた。
その後、2014年にパリ市内にレストラン「Dersou」(デルス)を開店。2016年には有名グルメガイド「Fooding」(フーディング)の最優秀店に選ばれた。
2019年にはアジア食堂「Cheval d'Or 」(シュヴァル・ドール)を開き、「Fooding of Honor 2020」を受賞した。
中傷受け、うつ状態に
今夏、被害を訴える女性が、あるシェフから性的暴行を受けたとインスタグラムに投稿した。
AFP通信によると、グルメ情報サイト「Atabula」が、フランスの一流レストランでの性的虐待やハラスメントに関する調査を掲載。「有名な日本人シェフ」が「レイプで告発されるかもしれない」などと伝えた。
関根さんは潔白を証明するために闘うとしていた。
遺族は関根さんはインターネット上の疑惑にさらされて「激しいうつに陥った」と明かした。
「彼の名誉と誠実さに対する攻撃は深刻なものだった」とし、「関根拓はこの状況から抜け出す方法を見失ってしまった」とつづった。
関根さんの死後、Atabula側は同サイトの記事について弁明した。
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