今回使える韻字は以下の通り(下平一先)
先　煙　沿　延　筵　淵　円　懸　賢　肩　堅
玄　弦　舷　絃　栓　泉　遷　川　銭　千　宣　
船　詮　箋　煎　専　穿　然　全　前　天　田　
年　燃　辺　翩　鞭　眠　綿　連　蓮　漣　憐
縁　乾　鮮　扇　旋　禅　伝　便　仙
(ある程度絞っています)

例：団団餅餌懸中天　だんだんたるへいじちゅうてんにかかる
まんまるなお餅が空のまん中にかかっている。食べたい。

上のように読み方と意味や含意を付けていただくと分かりやすいです
相互批評は歓迎しますが他人の作った句を笑うのはやめましょう

ご機嫌うるわしゅ～
というわけで今日は名月にちなんで詩の席を設けてみたぞ～
題材は目に見える月もよし…雲の向こうの月を想像するもよし…
明月に照らされる風景…あるいは幻想郷の風物もよし…
見上げるキャラを描写するもよし…キャラ視点で歌うもよし…好きにやってくれ～

漢詩の語彙とか文法はあまり気にせず自由に字を並べてくれていいぞ～
一応七言は四音＋三音で作るのが原則だけどこれも厳密に守ってもらわなくても結構だ～
もし作りたいことの言い方が分からなかったら聞いてくれればわかる範囲で答えるからな～
沢山の参加待ってるぞ～
思いついたら一人何句でも挙げてくれていいからな～

博麗境内名月鮮　はくれいけいだいめいげつあざやか
博麗神社の境内に名月が鮮やか
こんなんでもいいんかな

名月映池佇枯蓮
めいげつのうつるいけにたたずむかれたはす
蓮が枯れて広くなった池には名月がよく映るはず

焚火見月覆天煙
ひをたきてつきをみる　てんおおうけむり
寒くなってきたので焚火をしながら月見をする
そうすると残念なことに煙がかかってよく見えなくなってしまう

>焚火見月覆天煙
面白いな～
折角だから一言付け加えると月を「みる」場合は観月もしくは仰月ということが多いな～
この句はこれでいいから参考までに聞き流してくれるといいぞ～

帰晩曝月光衣乾
おそくかえり　げっこうにさらしてころもをかわかす
帰りが遅くなったので夜洗濯して服を干す
月が大きいから太陽の光を反射して少しは乾くだろう

>折角だから一言付け加えると月を「みる」場合は観月もしくは仰月ということが多いな～
添削ありがとうね
月見っていう言葉に引っ張られちゃったよ

>帰晩曝月光衣乾
これもいい着眼点だ～
漢詩的に言うと「おそくかえる」は「晩帰」の方が普通かな～
あ～そしてこの韻の場合「乾」は「乾坤」すなわち天の意味になるんだ～こっちの説明不足だったな～今回はオッケーにしよ～
そして「衣乾」だと読みは「ころもかわく」だな～これはむしろ意味が通っていいかもしれないぞ～
ちなみに「ころもをかわかす」だと「乾衣」だな～韻の関係でそうできないと分かって使ってくれてたんだったら余計なおせっかいだったな～

私も参加しよ～
玉兎坐仰仲秋天　ぎょくとはそぞろにあおぐ　ちゅうしゅうのてん
地上に降りた玉兎は各々ぼんやりと名月を仰ぐ
こんなふうに既存の言葉に東方的な含みを持たせて使ってもらってもいいぞ～

隣家薄明月回旋　りんかのうすあかり　つきはかいせんす
家々から漏れる明りの中を月がめぐっていく

>隣家薄明月回旋
家々という場合は例えば田園なら「田家」とか街中なら素直に「家家」としてもいいかもな～
漏れる明かりの中を…と言いたいならもう「灯漏(あかりもれて)」とすると漢詩らしいかな～
あくまで私の考えだ～

>名月映池佇枯蓮
>めいげつのうつるいけにたたずむかれたはす
>蓮が枯れて広くなった池には名月がよく映るはず
これ好きだわ
誰もいない静かな池がありありと浮かぶ

霧霽揺月湖上漣　きりはれてつきをゆらす　こじょうのさざなみ
霧が晴れて月を揺らす湖のさざ波
こんなふうに「湖」で霧の湖とか「楼」で白玉楼とか「寺」で命蓮寺みたいに使うのもいいぞ～

仙女姐妹迷弾弦
天女の姉妹は弦を弾くのに夢中だ
九十九姉妹が名月に感じ入って演奏するのを思い浮かべたぞ

ダメだ邪念が入って投げられん
酒の力を借りよう

>仙女姐妹迷弾弦
>天女の姉妹は弦を弾くのに夢中だ
>九十九姉妹が名月に感じ入って演奏するのを思い浮かべたぞ
九十九姉妹はこういうシチュに絵になるよね

>霧霽揺月湖上漣
う～む自分で作っといてなんだが
揺月より弄月(つきをもてあそぶ)のほうがいいかもしれんな～
どうも揺らすだと面白みがないきもするな～

人妖仰月倶比肩　じんようつきをあおいでともにかたをならぶ
宴会のイメージで

娥昇天抱罪独憐
（嫦）娥が罪を抱え独り天に昇るさまは憐れであることだなあ
雲が出てなかったのが物足りなかったので
あと純狐さんステイ

>娥昇天抱罪独憐
お…これは…昔からのテーマだな～
晩唐の詩人李商隠の詩に
　嫦娥応悔偸霊薬　じょうがまさにくゆべし　れいやくをぬすむを
　碧海青天夜夜心　へきかいせいてん　ややのしん
という一節があるな～
ちなみに憐の字は詩の世界では所謂「あはれ」とか「愛でる」の意味で使うことが多いぞ～
「可憐」のニュアンスだな～

もうひとこと言えば「独」は動詞の前につく…
嫦娥というのも略さず使えるいいな～
というわけで少し内容を削るのも手だ～
嫦娥が罪を抱え月に昇ったことは暗黙の了解で分かるとして…この句で略せないのはやはり「独」だ～
となると
　嫦娥独奔唯可憐　じょうがひとりはしる　ただあわれむべし
くらいにしてもいいかもな～
ちょっとありきたりになっちゃうけどな～

もひとつ行くか～
月輪皎皎不能眠　げつりんこうこうとしてねむるあたわず
月輪が白々と輝いて目がさえて眠ることができない
特に妖怪には血が騒ぐ時だな～
ちなみに他の人が既に使った韻字も別に使ってもらっていいぞ～

月光使覚独臥筵
げっこうはさまさしむ　ひとりむしろにふせるを
幻想郷にもスラム街はあるみたいだし
屋根が無ければ月光で目を覚ます浮浪者もいるだろう

頼月幾度数賽銭
つきをたよりにいくどもさいせんをかぞえる
月の光の下、今日一日の賽銭を何度も数える霊夢
「何で月見の宴会でこんなに人が来たのに賽銭箱が空っぽなのよ！」

>月光使覚独臥筵
野宿するには秋風も冷たいしな～
ちなみに筵は筵席や酒筵といった酒盛りの意味で使われることが多いからそっちに想像を膨らますのもありだぞ～

>頼月幾度数賽銭
>つきをたよりにいくどもさいせんをかぞえる
>月の光の下、今日一日の賽銭を何度も数える霊夢
>「何で月見の宴会でこんなに人が来たのに賽銭箱が空っぽなのよ！」
詩としてどうかはともかく二次や茨あたりの霊夢っぽさがよく出てる
ほほえましい

月下熱戦竹林燃
げっかにねっせんしちくりんもえる
満月の下、二人は激突し竹林は燃え上がる

月光冷冷驚収扇
げっこうはれいれいたり　おどろきておうぎをおさむ
月の光が肌寒く感じて、もうそんな季節なのかと驚きつつ扇をしまう

>月下熱戦竹林燃
言わずとも誰と誰が戦ってるかわかる…いいな～
ここまでくると「熱戦」が「燃」とニュアンスが被ってるのも気になってくるな～
すぐ思いつくあたりでは「相逢(あいおうて)」とか「対峙(たいじして)」でもいいし
「交箭(やをまじえて)」みたいに見立てにするのもいいかもな～

熱と燃はあえて被せたんだけど確かにくどかったかも

>熱と燃はあえて被せたんだけど確かにくどかったかも
まあその辺はあくまでも私の考えだからな～
話半分に聞いてくれればいいぞ～

そういえば漢詩スレ初めて立ったのは去年の中秋の名月だったな
一周年おめでとう

真っ当な意味でレベルが高いスレだ

傾盃観月有頂天　はいをかたむけてつきをみれば　てんのいただきにあり
天子ちゃんとおさけのみたい

>傾盃観月有頂天　はいをかたむけてつきをみれば　てんのいただきにあり
>天子ちゃんとおさけのみたい
有頂天をダブルミーニングにしたかったんだな～いいぞ～
一応文法的なことを付け加えとくと「有～」は「～がある」で「～にある」という場合は「在～」となるぞ～
加えて「天の頂」は「天頂」だから
　傾盃観月在天頂
となるんだけどまあこれじゃ全く面白くないからそのままの方がいいな～
ちなみに「さかずき」はほかに杯や觴…巵といった言い方もあるぞ～

在旅故鄉想如便　たびにありてすなわちこきょうおもうごとく
旅先でこそ故鄉が思い出されるように

離正因為想起鮮　はなるによりてまさにあざやかにそうきす
離れているからこそ本当に鮮やかに想いだしてしまう

比起命蠢地仰天　おきてくらぶいのちうごめくちよりてんをあおぎ
命が蠢く地球から体を起こし天を仰ぎ

麗為更眼滲銀円　ぎんえんのうるわしささらにめにしみる
銀色の満月の麗しさが更に目にしみる

仰視故里没涙淵　こりをぎょうししなみだのふちにぼっす
故郷を見上げるとあふれ出る涙に沈んでしまいそうだ
幻想郷に来た月兎が月への強い郷愁を抱く姿をイメージしたよ

アレだなまだ使われてない韻字何とか使えんもんかと大喜利的な方向に脳が向いてしまうな

七言絶句とは恐れ入った

>No.13586043
お～絶句風に仕上げてきたな～
まあ絶句にはもう少し規則があるからそれはそれとして毎句押韻の古詩の四句としてみて行こ～
>在旅故鄉想如便
かりに文法に則って意に添うようになおすと
　如在旅便想故郷
だけどこれじゃ韻が合わないから
　如客中想故園辺　旅行中に故郷の田園の辺りを思い出すように
とでもするといいかな～

>離正因為想起鮮
これも文法通りに直せば
　因離正為想起鮮　はなるるによりてまさになせるそうきあざやかなり
>比起命蠢地仰天
は
　従命蠢地起仰天　いのちうごめくちよりたちててんをあおげば
>麗為更眼滲銀円
は
　更滲両眼麗銀円　さらにりょうがんににじむ　れいたるぎんえん
とするのはどうだろ～今後の参考にどうぞ～

>アレだなまだ使われてない韻字何とか使えんもんかと大喜利的な方向に脳が向いてしまうな
それでいいぞ～
いい句が出来たら儲けもんだくらいに思ってくれれば十分だ～

帰路通楼間至川
きろ　ろうのあいだをとおりかわにいたる
踏橋月顕屋根縁
はしをふめばつきあらわるやねのふち

二句が限界だった
今日は帰る途中で川に差し掛かると視界が開けて月がよく見えたよ

芳香ちゃんスレも定着して今更かもしれんが添削のレスポンスの早さが異常すぎる…

もひとついくぞ～
水上傾觴起叩舷　すいじょうにさかずきをかたむけたちてふなばたをたたく
三途の川の船頭も今日は酒を飲んでサボってるかもな～

木漏月陽使輝泉
こもれつきひはいずみをかがやかしむ
故口渇人狼不眠
くちのかわきゆえにじんろうはねむれず

満月のせいか口が無性に渇いて人狼は眠れなかった
何かに襲いかかりそうな衝動に耐えていると月の木漏れ日に照らされて泉がキラキラ輝いているのを見つけた

坐下古樹憶昔年　こじゅのもとにざしてせきねんをおもう
古樹＝西行妖とだけ言っておく

どれ未出の韻字を少し消化するか～
　雪影未見皎月先　せつえいいまだみざるにこうげつさきんず
雪の姿もまだ見ていないのに白々とした月が先んずる
　
　月光映沙彩河沿　げっこうすなにうつりてかえんをいろどる
月の光がすなに映ってかわのふちをいろどる
　
　光微透徹那辺延　ひかりかすかにとうてつしてなへんにのびる
月の光は微かに透きとおってどこまでのびていくのだろう

>No.13586371
凝った情景だな～文法的なことを一応言っとくと　
「故口渇」は「口渇故」かな～
>No.13586378
含みが多くていいな～文法的には
「坐古樹下」かな～

月関係の竹林の二人で一句と思ったけどちょっと頭が動かないので作った物だけ供養

二値のが無かったから二値化したハクタクけーねも

あらかわいい

中国では月見の時に月餅を食べるらしい
月見酒や月を見ながら煙草の一服もたまには良いものだ

同じようなことが和歌でも出来たら面白そうだけれど
スレ立たないってことは需要ないのかな
あるいは俺が見ないだけで立ってるのか

>同じようなことが和歌でも出来たら面白そうだけれど
>スレ立たないってことは需要ないのかな
>あるいは俺が見ないだけで立ってるのか
５７５で自由に綴るスレがあった気がするな
ハードル低い分立てれば乗ってくるとしあきは多いと思うよ

>月見酒や月を見ながら煙草の一服もたまには良いものだ
しまった貰い物の月餅あったのに食べ損ねた
流石にもう遅いから明日の十六夜にでも食べよう

月に関係する信仰と言えば昔は月待講などがあったらしい
月待之祓などもその時に読んだのだろうか

>「故口渇」は「口渇故」かな～
なるほどそこが英語との語順の違いか……Becauseの感覚で入れてた
どっちも基本SVOだからつい英語の語順に捉われそうになる

>同じようなことが和歌でも出来たら面白そうだけれど
>スレ立たないってことは需要ないのかな
>あるいは俺が見ないだけで立ってるのか
立ててくれてもいいのよ？