もういちど、昭和の生まれ10年区切りで見返してみる。
「昭和30年代生まれのヒロインが始めて登場した」のは1975年の『水色の時』の大竹しのぶである。1957年だから昭和32年の生まれで、放送開始時は17歳。ちなみに私は彼女と同い年(同学年)で、このドラマが始まったのが彼女も私も高校3年の春である。同い年の女性がヒロインとなるのは驚くし、少しあせる。
とはいえ、一学年下の山口百恵や桜田淳子はもはや大活躍していた時代だから、めちゃめちゃ驚いたわけではないが、でも役者まで同世代が出てくると、なんかどんどん包囲されていくような感じがして、気があせるのはたしかである
(話は逸れるが、山口百恵と桜田淳子はセットであるが、この2人と森昌子を並べる感覚は私のなかにはない、「百恵か淳子か」はよく話したけど、そこに森昌子を入れるやつは仲間内でいえば冗談センスの悪いやつで、「そういうのはいいから」と相手にしなかった。3人を並べるのは、「当時の若者をよく知らないおじさんの感覚」にしかおもえない)。
「昭和40年代生まれの初めてのヒロイン」は『澪つくし』の沢口靖子である。ドラマは1985年(昭和60年)春の開始で、沢口靖子は19歳。沢口靖子の登場も、とても清冽な印象を抱いた。
その次の「昭和50年代生まれの初めての主人公」は1995年(平成7年)秋の『走らんか!』の三国一夫(昭和50年生まれ)で、男性主演ですね。その後、この人はそんなに見かけなかった。
『走らんか』はなかなかちょっとすごいドラマでしたね。菅野美穂と中江有里がヒロイン格で出演していたが、何だか若者たち自身が自分たちでががんばって作ってるようなドラマだった(そんなわけはないんですが)。
男性ではなく「昭和50年代生まれの初めてのヒロイン」となると、その次々作、1996年秋の『ふたりっこ』の双子役の1人の岩崎ひろみになる。昭和51年(1976年)生まれ。彼女は『走らんか』にも出演していた。