「不撓不屈」貴花田は難解四字熟語/大関昇進の口上

大相撲秋場所千秋楽 勝ち名乗りを受ける正代(2020年9月27日撮影)

大相撲秋場所千秋楽 勝ち名乗りを受ける正代(2020年9月27日撮影)

「大関正代」が四字熟語で生きざまを示す。30日に行われる11月場所(8日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を経て、大関昇進伝達式が行われる。大相撲秋場所で初優勝を果たし、大関昇進を確実にした関脇正代(28=時津風)は同式で述べる口上について「今後の自分の生き方」を示す、四字熟語を用いることを明かした。

◆四字熟語を使った大関昇進時の口上 初代貴ノ花、北の湖、千代の富士、今年の朝乃山は「一生懸命」というシンプルな四字熟語を入れてきた。難解な四字熟語の代表例は、貴花田の「不撓不屈(ふとうふくつ)」や貴ノ浪の「勇往邁進(まいしん)」、琴奨菊は「万理一空」。四字熟語ではないが、近年では11年九州場所後に稀勢の里が「大関の名を汚さぬよう、精進します」と簡潔に述べた。

<平成以降の大関昇進の口上>

▼霧島(90年夏場所)「稽古に精進し、大関の名を汚さぬよう一生懸命頑張ります」

▼曙(92年名古屋場所)「大関の名を汚さぬよう、稽古に精進します」

▼貴花田(93年春場所)「今後も不撓不屈の精神で相撲道に精進します」

▼若ノ花(93年秋場所)「今後も一意専心の気持ちを忘れず、相撲道に精進いたします」

▼武蔵丸(94年春場所)「日本の心を持って相撲道に精進いたします」

▼貴ノ浪(94年春場所)「今後は、相撲道に勇往邁進する所存です」

▼千代大海(99年春場所)「大関の名を汚さぬように相撲道に精進、努力致します」

▼出島(99年秋場所)「力のもののふ(士)を目指し、精進、努力します」

▼武双山(00年夏場所)「大関として常に正々堂々、相撲道に徹します」

▼雅山(00年名古屋場所)「大関の名を汚さぬよう、初心を忘れず相撲道に精進、努力します」

▼魁皇(00年秋場所)「大関の地位を汚さぬよう、稽古に精進します」

▼栃東(02年初場所)「大関の名に恥じぬよう、稽古に励み、努力精進いたします」

▼朝青龍(02年秋場所)「大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」

▼琴欧州(06年初場所)「大関の名に恥じぬように、稽古に精進します」

▼白鵬(06年夏場所)「大関の地位を汚さぬよう、全身全霊をかけて努力します」

▼琴光喜(07年秋場所)「いかなるときも力戦奮闘し、相撲道に精進いたします」

▼安馬(09年初場所)「今後も全身全霊で相撲道に精進します」

▼把瑠都(10年夏場所)「稽古に精進し、栄誉ある地位を汚さぬよう努力いたします」

▼琴奨菊(11年秋場所)「大関の地位を汚さぬよう、万理一空の境地を求めて日々努力昇進します」

▼稀勢の里(12年初場所)「大関の名を汚さぬよう、精進します」

▼鶴竜(12年夏場所)「これからも稽古に精進し、お客様に喜んでもらえるような相撲が取れるよう努力します」

▼豪栄道(14年秋場所)「これからも大和魂を貫いてまいります」

▼照ノ富士(15年名古屋場所)「今後も心技体の充実に努め、さらに上を目指して精進いたします」

▼高安(17年名古屋場所)「大関の名に恥じぬよう正々堂々精進します」

▼栃ノ心(18年名古屋場所)「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」

▼貴景勝(19年夏場所)「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります」

▼朝乃山(20年7月場所)「大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、力士としての正義を全うし、一生懸命努力します」

※力士名は昇進後のしこ名