韓国軍は無線傍受により、取り締まり艇と北朝鮮陸上指揮部との通信を聞いていた。この過程で「海軍司令官の指示」に言及されていたという。韓国軍関係者は「取り締まり艇艇長の上官に当たる海軍司令官の指示があったということだ。そこまでが韓国軍が突き止められる無線傍受の範囲」「海軍司令官と平壌の軍首脳部がどのようなやり取りをしたのかは分からない」と言った。専門家らはこれについて、北朝鮮の意思決定構造上、金正恩委員長の「批准」がなければ韓国人を射殺できなかっただろう、と見ている。
北朝鮮は通知文で、イ氏を射撃した後に再び見たところ、遺体は跡形もなくなっていたが浮遊物が残っていて、これを焼いた」と説明したが、これも事実でないことが明らかになった。野党・国民の力=旧・未来統合党=の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は「韓国国防部はSI(傍受など)で遺体を焼いたことを確認した」「(北朝鮮軍が)燃油を塗って(遺体を)焼けと言ったことを国防部が確認した」と話した。事実、韓国軍はイ氏射殺・焼却時に40分間の炎が観測されたと発表した。単に浮遊物だけを焼却したとは思えない時間だ。
北朝鮮が明らかにした、いわゆる「80メートル遠隔意思疎通説」は常識的に見ても話にならないという主張だ。北朝鮮はイ氏と接触した時、80メートル離れているイ氏と会話をしたと発表した。しかし、韓国軍の判断は違った。韓国軍はSIを通じて、北朝鮮側が防毒マスク・防護服を着用したままイ氏に接近する状況をとらえていた。国民の力の韓起鎬(ハン・ギホ)議員は「北朝鮮軍の艦艇はエンジンで稼動する動力船だ。当時の波は1メートルほどで、被害に遭った職員は力が尽きた状態にあり、死のふちをさまよっていたということを考慮しなければならない。北朝鮮軍が80メートル離れたところから波の音や艦艇のエンジン音がひどい中、力尽きた状態の職員と会話をしたというのは、本当にあきれるほどの真っ赤なウソだ」と言った。