稲荷神(イナリノカミ)
稲荷大明神・お稲荷さん・貴狐天皇(ダキニ天)・ミケツ(三狐・御食津)、野狐、狐、飯綱とも呼ばれる。
稲荷神社の総本社は伏見稲荷大社とされている。
元々は京都一帯の豪族・秦氏の氏神。現存する旧社家は大西家である。
朱い鳥居と、神使の白い狐がシンボルとなっている。
「稲荷」のほか「稲生」「稲成」と表記する神社も存在する。
伏見稲荷大社から勧請されて全国の稲荷神社などで祀られる食物神・農業神・殖産興業神・商業神・屋敷神である。
仏教における荼枳尼天と同一視され、豊川稲荷を代表とする仏教寺院でも祀られる。
日本の神社の内で稲荷神社は、2970社(主祭神として)、32000社(境内社・合祀など全ての分祀社)を数え、屋敷神として個人や企業などに祀られているものや、山野や路地の小祠まで入れると稲荷神を祀る社はさらに膨大な数にのぼる。
本来は穀物・農業の神だが、現在は産業全般の神として信仰されている。
稲荷と狐はしばしば同一視されています。
宇迦之御魂神の別名に御饌津神(みけつのかみ)があるが、狐の古名は「けつ」で、そこから「みけつのかみ」に「三狐神」と当て字したのが発端と考えられ、やがて狐は稲荷神の使い、あるいは眷属に収まった。
稲荷神社に祀られている狐の多くは白狐(びゃっこ)である。
稲荷神社の前には、狛犬の代わりに、宝玉をくわえた狐の像が置かれ他の祭神とは違い、稲荷神には神酒・赤飯の他に稲荷寿司や稲荷寿司に使用される油揚げが供えられ、ここから油揚げを使った料理を「稲荷」とも呼ぶようになった。
ただし狐は肉食であり、実際には油揚げが好物なわけではない。