【ロンドン=篠崎健太】英国のジョンソン首相は26日、国連総会の一般討論演説に収録映像で臨み、世界保健機関(WHO)への拠出金を30%増やす方針を表明した。新型コロナウイルスについて「共通の敵に結束して立ち向かわなければ全員が敗者になる」と訴え、国際社会の連携を主導していく意欲を示した。
ジョンソン氏は「分断を修復するため国連の友人と協力してあらゆる力を尽くす決意だ」と述べた。新型コロナへの対応をめぐる足並みの乱れが事態を悪化させるリスクを指摘した。
WHOについて「今後4年間で3億4千万ポンド(約460億円)を拠出する。30%の増額になる」と述べた。WHOなどが立ち上げた新型コロナ用ワクチンの供給に関する国際枠組み「COVAX(コバックス)」に積極的に関与し、資金面でも支えていくと説明した。
将来のパンデミック(感染症大流行)に備える取り組みとして、人獣共通感染症の研究ハブの創設を提案した。治療薬やワクチンの生産能力増強、流行の早期警戒システムの整備に向けた国際協力なども呼びかけた。