どうもさぼです。
note3作目では
で臨床研究に携わる人にたいして、統計学を勉強する必要性を書きました。
まだ読んでない方は、無料なので是非(^^)
今回は、統計学を学ぶ前に、非常に大事なことを伝えたいと思います。
臨床研究をする人はもちろんのこと、これから学会に行って研究発表を聞いたり、論文を読んだりする人に是非読んでいただきたいです。
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統計学的に有意な差があるのと臨床的な意義があるのは全くの別物
これを聞いて当たり前だろ。
と思って理由まで説明できる方はもうこの記事は読まなくてもいいかもしれません。
「統計学的に有意であった。」
という研究が良い研究と思っている方は読み進めて欲しいです。
統計学的な有意差がすべてじゃないことを知っていただければよいです。
例をあげて考えていきましょう。
※現実には存在しない架空の研究や対象です。
新発売された血圧低下抑制作用があるダイアライザーAとコントロールとして血圧低下抑制作用がないダイアライザーBがあります。
実際に患者さんにAとBをそれぞれ使用して、データをとり、有意水準を5%として、統計学的検定を行いました。
(かなり雑な説明ですが、あしからず。)
検定をしたら、p<0.05となり、有意差があるという結果になりました。
実際の差をみてみるとAはBと比べて約5mmHg高いことが分かりました。
※実際は平均値or中央値、信頼区間、四分位範囲などで詳しく判断します。
この研究で有意な差とみなした5mmHgの血圧低下抑制作用は、臨床的に考えたらどうなるかという話です。
それはこの発表を聞いた人の解釈によって違ってきます。
Cさん「有意な差があるならAのダイアライザー使ってみようかな。」
Dさん「有意な差があるといっても5mmHg下がらなくなってもねぇ。除水量・除水速度の影響とか考えてないし、臨床的な意義はなさそうだな。」
この記事を読んでいる人はどちらの解釈でしょうか?
解釈は人それぞれですし、もっとあると思います。
僕なら更に、副作用とか、生体適合性、性能なども気になります。
例えばAは確かに血圧低下抑制作用が期待できそうだけど、
Bにたいして副作用が出る確率が大きかったり、生体適合性が悪い、性能が悪いなどがあったら、ダイアライザーAは使いたくないです。
※あくまで例えです。
これらの解釈こそが、
統計学的に有意な差があるのと臨床的な意義があるのは全くの別物と言われる理由です。
このように、
統計学的有意差がある研究でも、臨床的意義がある研究かどうか?現実的に導入可能なのか?を考えて臨床に使っていかねばならないのです。
逆に統計学的有意差がない研究でも、臨床的に意義がある研究も価値のある研究も多くあります。
これらの判断をできるように、統計学の勉強や研究方法の勉強が必要となってきます。
これが、今回この記事で伝えたかったことになります。
今回はかなり短めですが、このへんで以上となります。
研究や統計学に関するネタはこんな感じに小ネタ記事でシリーズ化するつもりです。
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