どうもさぼです。
今年で4年目となるCEさぼは
今年の5月13日(日)に透析技術認定士認定試験を受ける予定です。
CEさぼは透析クリニックで働いており、
総合病院などで行っているアフェレシス療法(維持透析以外の特殊な血液浄化療法)はやったことがほとんどありません。
※当院では過去に数例血漿吸着を行っていたことがありますが、今は慢性維持透析のみ
ですので、僕のようなクリニックのCEは、
透析技術認定士の試験範囲であるアフェレシス療法の部分がほぼ0スタートで勉強しなければなりません。
アフェレシス療法は最初は様々な種類があり、複雑そうにみえますが、原理を理解し、
しっかりと分類するとそこまで難しくはありません。
今回はそんなアフェレシス療法の種類と概要をまとめました。
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目次 [閉じる]
アフェレシス療法とは
アフェレシス療法のアフェレシスとはどんな意味かをまずおさえときましょう。
一般社団法人日本アフェレシス学会のHPから引用です。
アフェレシス(apheresis)はもともとギリシア語で「分離」を意味する言葉です。
何を分離するか?
それは続きに説明が簡潔に載ってありました。
現在では、体外循環によって血液中から血漿成分、細胞成分を分離する、さらには分離した血漿成分から病気の原因となる液性因子を分離することをさします。具体的には細胞成分はリンパ球、顆粒球をさし、液性因子は抗体、炎症性サイトカイン、代謝物質、中毒物質などをさします。
引用一部改変:アフェレシスとは?.一般社団法人日本アフェレシス学会HP
簡単にいうと
病気の原因となる物質を分離して、除去する。
と覚えれば良いと思います。
それではアフェレシス療法にはどんな種類があるのでしょうか。
みていきましょう。
アフェレシス療法の種類
アフェレシス療法には大きく分けると2つあります。
まず、ここでしっかり2つに分別しないと、混同してしまいます。(経験アリ)
アフェレシス療法には大きくわけて
血漿浄化療法と血液吸着療法というものがあります。
漢字から分かる通り、血漿を浄化するのか、血液そのものから吸着するのかで大きく分けることができます。
それで、両者の大きな違いは、血液から血漿を分離するかです。
血液から血漿を分離し、その血漿を置換・浄化するのが血漿浄化
血液から血漿を分離せず、そのまま血液を吸着器に通し、原因物質を吸着するのが血液吸着となります。
とりあえずこれをおさえればOKです。
文章で説明してもしょうがないので、図に簡潔にまとめました。
略語と英語もせっかくなので覚えましょう。
PE:plasma exchange
DFPP:double filtration plasmapheresis
CF:cryofiltration
PA:plasma adsorption
HA:hemoadsorption
DHP:direct hemoperfusion
G-CAP:granulo-cytapheresis
L-CAP:Leuko-cytapheresis
血漿浄化療法の覚え方のコツ
血漿浄化は血漿交換と血漿吸着にさらに分けることができる
僕はアフェレシスの臨床家ではないため、ここでは知識をどう整理するか、どう覚えるかのコツを考えていきます。
先程、2つに大別したアフェレシス療法を1つずつ順を追って整理していきます。
まず、血漿浄化(プラズマフェレシス)は4つに分かれていますが、
おおまかな原理で分けると更に2つに大別できます。
認定士のテキストでは文章で載っています。
交換操作を伴う血漿交換法(広義)と、交換操作を伴わない血漿吸着に分けられる。
引用:透析療法報道専門委員会.血液浄化療法ハンドブック2018.共同医書出版社.2018.193
ただこの覚え方では
PE・DFPP・CFの違いを問う問題では通用しないので理解の一助として覚えておきましょう。
血漿浄化に関する問題では、適応疾患やPE・DFPP・CF・PAの原理の違いを問うような問題が多いような気がします。
ちょっと覚えておいた方がいいと思ったのは、
血漿冷却濾過法は保険医療上の定義は存在しない.DFPPの変法として扱うことになる.
引用:透析療法報道専門委員会.血液浄化療法ハンドブック2018.共同医書出版社.2018.194
ですね。これは頭の隅にでも置いといた方がよさそうです。
覚え方のコツとしては、
・各方法の原理をテキストの回路図を見ながら理解する
・各方法の違い(分離膜・分画膜の有無、置換液の有無、除去効率など)
・各方法ごとの適応疾患
・血漿吸着器の製品名、リガンド、吸着物質、適応疾患(テキストの表で覚える)
こんな感じでしょうか。
血液吸着療法の覚え方のコツ
血漿浄化を理解してしまえば、血液吸着は簡単です。
前述した通り、血液吸着は血液を分離することなくそのまま、吸着器に通す療法です。
なので、血液回路は血液吸着器に血液を循環させるようなものすごくシンプルなものになります。
維持透析ではリクセルというβ2MGを特異的に吸着器するものがありますが、
リクセルは「血液吸着」の1種になります。
大まかな原理は一緒ですが、血液吸着は吸着する物質によって更に2つに分けることができます。
血液吸着は血漿を吸着するか、血球成分を吸着するかで分ける
では先程の図に少し手を加えてみましょう。
血液吸着は血液をそのまま吸着器に灌流するという点で、原理は同じですが、
吸着する目的物質が違うことでこのような分類になります。
気を付けるのはこれくらいですかね。
血漿浄化と比べて、かなりシンプルです。
覚え方のコツはたったこれだけです。
・血液吸着器の製品名、リガンド、吸着物質、適応疾患(テキストの表で覚える)
更に細かく言うと吸着物質がなんなのか分かれば適応疾患が分かるし、適応疾患の病因物質がなんなのかわかると吸着物質が分かります。
セットで覚えましょう。
ここで締めたいところですが、注意点が一つあります。
血漿浄化療法で行う血漿吸着(PA)と血液吸着療法で行う血液吸着は(HA)は別物です。
PAは分離膜で血漿成分を分離してから吸着器に灌流して吸着する。
(分離された血漿から、血漿の中の病因物質を吸着する)
HAは血液をそのまま吸着器に灌流させて吸着するもの。
(血液の中から、血漿の中の病因物質を吸着する)
これは↑
最初の頃、僕は整理できていなかったので、ぜんぜん理解できませんでした。
これから本格的に勉強する方の少しでの役に立てたら幸いです。
勉強しているうちに、付け加えたいところがあったら情報を追加・修正する場合があるので、
更新したらTwitter等でお知らせ致します。
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