どうもさぼです。
ブログ開設からはや4ヶ月が過ぎ、記事数も30超えました。
その中でも透析効率シリーズがよく読まれていて、自信作でもあります。
以下の2つの記事では透析効率を分子量別に分けていて、治療モードによる違いが分からないと思います。
HDでもオンラインHDF(以下OHDF)でも透析効率を上げる考え方は基本的に同じですが、
各治療モードで考える場合はその方法が若干異なるので、注意点が必要です。
今回はその点に注目しつつ、HDとOHDFでの透析効率を上げる方法の違いや注意点を述べていきます。
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目次 [閉じる]
HDにおける効率を上げる方法まとめ
まずはHDにおける効率を上げる方法をまとめます。
以下の2つの記事では分子量別に分けていました。
小分子(尿素窒素、クレアチニンなど)
①血液流量(QB)を上げる
②透析液流量(QD)を上げる
③膜面積を上げる
大分子(β2MG以上)
①血液流量(QB)を上げる
②性能の良いフィルターにする(小分子の透析効率も上がる)
③膜面積を上げる
※↑の記事では3つ目に「Qsを上げる」と言うのがありましたが、HDでは補液なしなので除外します。
かなり強引にまとめましたが、考え方はこんな感じです。
詳細は↑の2つの記事をそれぞれ見てください。
治療モードをHDで考えた場合、効率を上げる方法はこのようになります。
オンラインHDFにおける透析効率を上げる方法
オンラインHDFにおいても基本的にはHDと同じですが、濾過が加わるので注意が必要です。
小分子(尿素窒素、クレアチニンなど)
①血液流量(QB)を上げる
②透析液流量(QD)を上げる
③膜面積を上げる
大分子(β2MG以上)
①血液流量(QB)を上げる
②性能の良いフィルターにする(小分子の透析効率も上がる)
③膜面積を上げる
④補液量(Qs)を上げる
オンラインHDFは新たに④が加わることになります。
大分子物質の除去についてそれぞれ説明すると
②膜孔が広くなるので、大分子物質が抜けやすくなります。
③膜面積を上げると、濾過する面積が増えるので、限外濾過が進み、大分子物質の除去量が増えます。
④Qsを上げると、補液した分、限外濾過が増えるわけですから、当然大分子物質の除去量が多くなります。
かなりざっくりですが、オンラインHDFでの効率を考える場合は、このように考えればいいと思います。
オンラインHDFにおける透析効率を上げる際の注意点
HDは拡散しかほとんど起きないのですが(中には内部濾過促進型もあるが)
HDFの場合注意しなければならないことがあります。
それはAlb漏出量です。
オンラインHDFの目的である、HDではとり切れないβ2MG以上の大分子物質の除去を増やす(効率を上げる)とそれと同時にAlb漏出量が増えてしまいます。
オンラインHDFのモードでは、
Alb漏出に特に注意すべきものは上述した方法のなかで赤字に示したもの↓
②性能の良いフィルターにする(小分子の透析効率も上がる)
③膜面積を上げる
④補液量(Qs)を上げる
の3つとなります。
これらの3つの方法をとると確かにβ2MG・α1MG以上の大分子物質の除去量が増えますが、
同時にAlb漏出量も増えてしまいます。
①の場合は、
QBを上げても、β2MGぐらいまでの分子の除去量は確かに増えますが、
Alb漏出量はそれほど増えないのでそこまで注意はしなくてもいいと考えられます。
補足:実際に効率を上げる方法にも分類がある
分子量別・治療モード別に透析効率を上げる方法を見てきましたが、
今度は実際に効率を上げる方法も分けて考える必要があります。
実際に効率を上げるときは
装置の設定を変えるものとダイアライザーを変更・選択するものに分かれます。
QB、QD、Qsを上げたり、下げたりする場合は、主にコンソールの設定を変更します。
膜面積を変える・性能の良いダイアライザーに変える場合はダイアライザーごと取り替えます。
(当たり前ですが、、、)
以上、透析効率シリーズ記事のまとめとなってしまいましたが、
念を押してもう一度言いたいことは、
オンラインHDFにおいて大分子物質の効率を上げるときは
Alb漏出量に注意する
患者さんのAlb値・TP値・栄養状態の評価を総合的に判断して透析効率を上げてください。
以上です。
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