ここんところシャントエコーが毎日はいってます、さぼです。
今回はシャントエコー係でもあるさぼが、
シャントエコーとは何かについて簡単に説明していきます。
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シャントエコーとは
まず単語を分解して考えましょう。
シャントエコー=シャント+エコー
それぞれ見ていきましょう。
シャント(shunt)とは
日本語でいうと「短絡」のことです。
短絡っていうのは電気回路などでも使われて、
2点をつないで電位差をなくす~とか抵抗なくすとかいう意味を持ちます。
シャントは主に血管にたいして使われて、
「透析をするために動脈と静脈をつなぎ合わせて太くした血管」
このように定義づけられると思います。
シャントにも種類がいくつかあります。
今後書いていく記事にもたくさん出てくるので、覚えておくと便利です。
内シャントの種類
AVF(自己血管内シャント)
AVG(人工血管内シャント)
ちなみに、
動脈表在化はバスキュラーアクセス(VA)であるが、シャントではない。
ということも覚えておきましょう。
エコーとは
超音波診断装置で行う検査のことです。
超音波診断装置ってのは超音波を利用して、画像化する検査機器です。
簡単に言うと人間には聞こえない音。
また、エコーの種類には
心エコー、腹部エコー、血管エコーなど色々あります。
(もっとあると思いますが、、、)
うえの3つのうちだと、シャントエコーはシャント血管を見るので血管エコーの部類に入ります。
以上、シャントエコーとは一文でまとめると
「透析で使われるシャント血管を超音波診断装置で画像化する検査である。」
スッキリしましたね。
シャントエコーで何が分かるのか?目的、必要性
何が分かるか?何を見ているのか?
主にシャント血管の血管の太さ、深さ、形状です。
更に石灰化や、内膜肥厚、血栓、静脈弁、浮腫なども見れます。
これを踏まえて、目的・必要性を挙げると
目的・必要性
・シャントトラブル(シャント血管の合併症)の早期発見
シャントトラブルの種類は以下のようなものがあります。(今回は説明なしです)
①狭窄
②閉塞
③感染
④瘤
⑤静脈高血圧症
⑥スチール症候群(盗血症候群)
⑦過剰血流(過大シャント)
・シャント機能の評価
シャント機能とは、血管にどれだけの血流量があるかです。
☆QB200ml/min脱血するには血流量350ml/mini以上必要とされています。
実際にはシャントエコーでFV(上腕血流量)、RI(血管抵抗指数)を見ます。
FVはシャントにどのくらい血流量が流れているかを計測(正確には計算で推定だが)し、
RIはどれだけ血管が流れにくいかを(これも計算で算出)見ます。
計算式はありますが、ここでは置いておきましょう。
・穿刺困難な血管の走行・深さを確認
穿刺をしていると必ず、穿刺が難しい人が出てきます。
今までは難なく穿刺していたのに、ある時を境に穿刺ミスが多発してしまうということもよくあります。
そんな時に原因を探索するためにシャントエコーをします。
シャント全体をエコーで見て、刺しやすい穿刺部位を決めます。
・エコーガイド下穿刺
うちでは基本ブラインド穿刺(人の目で見て穿刺)ですが、
本当に無理な場合はエコーで、血管を見ながら穿刺します。
エコーガイド下穿刺も積極的に取り入れている施設もあるみたいですね。
まとめ
シャントエコーとは
透析で使われるシャント血管を超音波診断装置で画像化する検査である。
シャントエコーの目的・必要性
・シャントトラブル(シャント血管の合併症)の早期発見
・シャント機能の評価
・穿刺困難な血管の走行・深さを確認
・エコーガイド下穿刺
いかがでしたか?
シャントエコーについてなんとなくわかってくれたら嬉しいです。
VA管理については、大事なことがたくさんあるので、
今後も記事を書いていこうかなと思います。
参考文献
1)臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針 初版.日本臨床工学技士会.2016.43-46
2)春口洋昭.バスキュラーアクセス診断学.中外医学社.2012
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