どうもさぼです。
前回
で穿刺の手順と注意点について述べました。
穿刺についての注意点は記事を作っているうちにどんどん出てきたため、
今回、穿刺の注意点その2ということで説明していきます。
穿刺って覚えることがたくさんあるのです。
重要な業務なので、しっかり覚えて、身に付けましょう。
☆は注意点です。
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穿刺針の選択
穿刺針はQBに見合ったものを選択する必要があります。以下の表に示します。
表 透析用穿刺針の外径とカラーコード(国際規格2007年)
外形(mm) | 外径(G:ゲージ) | 色 | 血流量の目安 |
1.1 | 19 | クリーム色 | 100 mL/min程度 |
1.2 | 18 | ピンク色 | 100~150 mL/min |
1.4 | 17 | 赤紫色 | 150~200 mL/min |
1.6 | 16 | 白色 | 250 mL/min |
1.8 | 15 | 青灰色 | 300 mL/min |
[引用一部改編]
田尻朝子.透析ケア vol.21 no.6「はじめての穿刺」.穿刺針の使い分け.メディカ出版.2015.25
例えば、QB(血流量)300ml/minの人で17Gの針でポンプ回しても150~200しか脱血できないということです。
でもポンプは300の速度で回っているので、明らかな脱血不良状態となり、A側回路に微小気泡が大量発生してしまいます。
逆にQB200なのに穿刺針を15Gとかだと、
脱血は問題ないんですけど、針が太い分痛いので、
やはりQBに見合った穿刺針を使うのがいいと思います。
したがって☆QBに合った、穿刺針のサイズを選択しましょう。
QB150~200→17G
QB200~250→16G
QB300~350→15G
また、穿刺する前に穿刺針をしっかり確認して、取り間違えのないようにしましょう。
再循環を予防する穿刺部位を選択する
これはどのテキストにも載ってると思います。
☆AとVとの距離は5cm以上離す
なぜか5cmなんですよね。
根拠のあるものとは思えないが、5cmぐらい離せばいいだろう的な感じなんでしょうか。
実際、定規で測ってから刺す人なんていないし、目安でいいです。
理由
再循環を予防するため。
再循環とは、透析によって浄化された血液が再度脱血されてしまうことで、効率が落ちます。
血管が太く、血液流量が十分にある場合は再循環起こさない場合もあるが、離すに越したことはないです。
詳しく細かく言うと、再循環起こしにくい穿刺部位は下記の通りです。
・同じに分岐の血管にAV共に刺すときは5cmと言わずできるだけ離す
・分岐が違う血管にAVそれぞれ刺す
・Aを抹消に向けて刺す(逆刺し)
吻合部からの距離
☆穿刺部は吻合部から5cm以上離す
また5cmです。これもあくまで目安で考えてください。
理由
吻合部からの距離が近いと穿刺ミスしたときに血腫となり、血腫がシャント本幹の場合、そこからシャント閉塞する恐れがあるため。
針跡からの距離
穿刺はなるべく日によって違う部位に刺したいのが本音ですが、どうしても刺しやすい、痛みが少ないという理由で穿刺部位が同じ部位になってしまいます。
しかし、穿刺部位が同じと言っても、針跡に刺すのはさすがにNGです。
止血不良になってしまいます。
なので、☆針跡から5mm以上離すということを徹底しましょう。
しかし、シャント狭窄の原因の一番の理由が頻回穿刺であるため、
できるならば、穿刺部位を複数見つけて、日ごとに交互に刺すことをオススメします。
まとめ
☆QBに合った、穿刺針のサイズを選択しましょう。
QB150~200→17G
QB200~250→16G
QB300~350→15G
☆AとVとの距離は5cm以上離す
☆穿刺部は吻合部からの5cm以上離す
☆針跡から5mm以上離す
以上です。
穿刺時の注意点は思いのほかたくさんあります。
とともにしっかり覚えましょう。
穿刺シリーズは全部で4つです。
こちらの記事も合わせてご覧ください。
[参考文献]
牧野範子 他.はじめての穿刺.透析ケア第21巻6号.2015.8-67
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