来月解体の旧材木町小校舎 見学会 別れ惜しむ 卒業生ら1000人

2020年9月28日 05時00分 (9月28日 05時02分更新)
解体を前に「お別れ見学会」が開かれた旧材木町小=金沢市材木町で

解体を前に「お別れ見学会」が開かれた旧材木町小=金沢市材木町で

  • 解体を前に「お別れ見学会」が開かれた旧材木町小=金沢市材木町で
  • 思い出話をしながら校舎の廊下を歩く卒業生ら=金沢市材木町で

 旧材木町小学校(金沢市材木町)が十月に解体されるのを前に、同校の「お別れ見学会」が二十七日、開かれ、卒業生ら約千人が思い出の詰まった校舎との別れを惜しんだ。 (戎野文菜)
 「この銅像、懐かしい」「中庭に池あったよね」。卒業生らは声を弾ませながら校舎に入り、写真を撮ったり、思い出話に花を咲かせたりした。
 「学校こんなに小さかったっけ。子どもの頃はもっと大きく感じたのに」。金沢市問屋町の会社員、寺島理砂さん(45)は同級生と一緒に懐かしそうに話した。能美市の会社員、三木広之さん(53)は理科室を見回し「コイの解剖がかわいそうやったのを覚えている。居眠りして先生によく怒られた」と苦笑いで振り返った。
 材木町小は一九五六(昭和三十一)年の火災でほぼ全焼し、現存する鉄筋コンクリート三階建ての校舎に五八年に建て替えられた。完成当時、在学中だった和泉邦子さん(72)と大塚玉江さん(71)=ともに金沢市=は「この校舎がなくなるのは寂しいけど、最後に来られてよかった」と口をそろえた。
 見学会は、解体前に皆で学校に集まりたいという卒業生の声を受け、材木公民館などが主催。最後に校庭で校歌を斉唱し、掲揚していた校旗が降ろされると、大きな拍手が起こった。
 材木町小は一八七三(明治六)年、前身の私立椿原小として開校。約一万人が巣立ったが、児童数の減少で二〇一六年四月、近くの味噌蔵町小(兼六元町)と統合して兼六小となった。
 市教委によると、校舎は閉校後も倉庫などとして使われていたが、耐震基準を満たしていないため解体が決まった。二十八日から解体工事の準備が始まる。
 校舎跡地の利活用は未定。耐震工事が完了している体育館は残し、地域の防災拠点として活用する。学校のシンボルだった校庭のクスノキも残すという。

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