この映画を通して祖父に会えた俳優 三浦春馬

自分のルーツを探ること

もしこの役がきていなかったら、おじいちゃんのことは知識としてそんなになかったんじゃないかなと思います。おじいちゃんが当時、どういう心境だったか、深くはわかりませんが、戦争が終わったあと必死で勉強して、学校の先生になったんですね。先生から努力して校長先生になって、天皇陛下から瑞宝章というものをもらった。

司法浪人が続き進路を見失っている青年、佐伯健太郎は特攻で死んだ実祖父、宮部久蔵の軌跡をたどりはじめる (C)2013「永遠の0」製作委員会
「永遠の0」は太平洋戦争を過ごした若者たちの生きざまを描く (C)2013「永遠の0」製作委員会

そのことはこの作品に関わる前からなんとなく知ってたんですけど、どういうもので、なぜそれが評価され、おじいちゃんのもとに届いたのか、ということはあまり深く考えてこなかったんです。

けれど、おじいちゃんたちが生きた時代のことを知り、つらい状況におかれながらも努力できる血が僕にも流れていると思うと、この先つらいことがあっても努力できる能力はきっとあるんだと、そういうふうに思えるようになりました。

過去を振り返ることに意味がある

僕は今回、自分のルーツを知ることでとても前向きな気持ちになれましたが、どんなマイナスなことが待っているかもわかりません。知りたくなかった、ということも掘ったら出てくるかもしれない。けれども、自分がなぜここにいるか、ということや自分の生い立ちというものを知ることは人としての成長につながっていくと思うんです。

戦争体験者の世代がいなくなってしまう時代にさしかかっています。今、この時期に「永遠の0」を見ていただいて、もし自分のおじいちゃん、おばあちゃんがご存命であるならば、いろいろ話を聞いて過去を振り返ってみていただきたいと思っています。若い方も今いる自分の状況や、自分の存在を確かめることができると思います。

そのきっかけになるような映画になればいいなと思いますし、またきっかけとなるパワーがある作品だと思っています。

メイク:MIZUHO(vitamins)/スタイリスト:池田尚輝

※次回は12月4日(水)に掲載予定です。

『永遠の0』 百田尚樹の同名ベストセラー小説を『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズを手がけてきた山崎貴監督が映画化。司法試験に落ち、進路に迷う佐伯健太郎は、祖母の葬儀で初めて祖父・賢一郎と血のつながりがないことを知らされる。健太郎はフリーライターの姉の取材を手伝い、特攻で戦死した実祖父宮部久蔵の生涯を調べるため、祖父の元戦友たちを訪ねていく。彼らによると祖父、宮部久蔵は天才的な零戦操縦士だったのに、なぜか「海軍一の臆病者」といわれていた。宮部が残した「謎」を解いていくと、驚くべき“真実”が……。2013年12月21日(土) 全国東宝系でロードショー。 
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「永遠の0」に出演するまで、戦争を背景にした題材のものを演じたことがありませんでした。今回の出演の話がきたとき、また新しい自分が見せられるんじゃないかなと思い、手を挙げさせてもらいました。

僕の演じている佐伯健太郎は、大学を卒業後、司法試験に何度も落ちている、ちょうどその頃、おばあさんが死に、おじいちゃんはあなたの本当のおじいちゃんじゃない、ということをいわれ、フリーライターのお姉さんになかばむりやり誘われて本当のおじいちゃんのことを調べ始めます。

そうすると、どんどん自分でも興味がわいてくるんですよね。自分のこれまでとは違って司法試験の勉強だけではなく、自分のおじいちゃんのことを知りたい、家族のことを知りたいと思ってくるようになる、そういう役どころです。

健太郎が本当のおじいちゃんの生い立ちを聞き、自分のルーツをたどるところが、ドラマの始まりになるわけです。だからこの作品の出演が決まったときに、自分自身もそういうことをやってみようと思いました。

僕のおじいちゃんも、戦争体験者でした。

おじいちゃんは、3、4年前に死んじゃっているので、お母さんに聞きました。実際に戦場には行かなかったのですが、学徒兵として召集がかかり、特攻隊員として適性検査を受けたそうです。視力がよくなかったので、落とされてしまったようですけど、もし目がよくてほかの人と同じように受かっていたら、もしかしたら僕はこの場所にいなかったかもしれない。そう思うと、言葉では表現できない感情がわいてきます。

おじいちゃんとしては、自分が校舎で勉強しているなか、友達はどんどん試験に受かって訓練を受けて、命を散らしていくという現実を肌で感じながら、すごくつらかっただろうな、悔しかっただろうな、と。そんな気持ちを察すると……。今では考えられない時代だったなと思います。

もしこの役がきていなかったら、おじいちゃんのことは知識としてそんなになかったんじゃないかなと思います。おじいちゃんが当時、どういう心境だったか、深くはわかりませんが、戦争が終わったあと必死で勉強して、学校の先生になったんですね。先生から努力して校長先生になって、天皇陛下から瑞宝章というものをもらった。


そのことはこの作品に関わる前からなんとなく知ってたんですけど、どういうもので、なぜそれが評価され、おじいちゃんのもとに届いたのか、ということはあまり深く考えてこなかったんです。

けれど、おじいちゃんたちが生きた時代のことを知り、つらい状況におかれながらも努力できる血が僕にも流れていると思うと、この先つらいことがあっても努力できる能力はきっとあるんだと、そういうふうに思えるようになりました。

僕は今回、自分のルーツを知ることでとても前向きな気持ちになれましたが、どんなマイナスなことが待っているかもわかりません。知りたくなかった、ということも掘ったら出てくるかもしれない。けれども、自分がなぜここにいるか、ということや自分の生い立ちというものを知ることは人としての成長につながっていくと思うんです。

戦争体験者の世代がいなくなってしまう時代にさしかかっています。今、この時期に「永遠の0」を見ていただいて、もし自分のおじいちゃん、おばあちゃんがご存命であるならば、いろいろ話を聞いて過去を振り返ってみていただきたいと思っています。若い方も今いる自分の状況や、自分の存在を確かめることができると思います。

そのきっかけになるような映画になればいいなと思いますし、またきっかけとなるパワーがある作品だと思っています。

メイク:MIZUHO(vitamins)/スタイリスト:池田尚輝

※次回は12月4日(水)に掲載予定です。

 

本コンテンツの無断転載、配信、共有利用を禁止します。

「永遠の0」に出演するまで、戦争を背景にした題材のものを演じたことがありませんでした。今回の出演の話がきたとき、また新しい自分が見せられるんじゃないかなと思い、手を挙げさせてもらいました。

僕の演じている佐伯健太郎は、大学を卒業後、司法試験に何度も落ちている、ちょうどその頃、おばあさんが死に、おじいちゃんはあなたの本当のおじいちゃんじゃない、ということをいわれ、フリーライターのお姉さんになかばむりやり誘われて本当のおじいちゃんのことを調べ始めます。

そうすると、どんどん自分でも興味がわいてくるんですよね。自分のこれまでとは違って司法試験の勉強だけではなく、自分のおじいちゃんのことを知りたい、家族のことを知りたいと思ってくるようになる、そういう役どころです。

健太郎が本当のおじいちゃんの生い立ちを聞き、自分のルーツをたどるところが、ドラマの始まりになるわけです。だからこの作品の出演が決まったときに、自分自身もそういうことをやってみようと思いました。

僕のおじいちゃんも、戦争体験者でした。

おじいちゃんは、3、4年前に死んじゃっているので、お母さんに聞きました。実際に戦場には行かなかったのですが、学徒兵として召集がかかり、特攻隊員として適性検査を受けたそうです。視力がよくなかったので、落とされてしまったようですけど、もし目がよくてほかの人と同じように受かっていたら、もしかしたら僕はこの場所にいなかったかもしれない。そう思うと、言葉では表現できない感情がわいてきます。

おじいちゃんとしては、自分が校舎で勉強しているなか、友達はどんどん試験に受かって訓練を受けて、命を散らしていくという現実を肌で感じながら、すごくつらかっただろうな、悔しかっただろうな、と。そんな気持ちを察すると……。今では考えられない時代だったなと思います。

もしこの役がきていなかったら、おじいちゃんのことは知識としてそんなになかったんじゃないかなと思います。おじいちゃんが当時、どういう心境だったか、深くはわかりませんが、戦争が終わったあと必死で勉強して、学校の先生になったんですね。先生から努力して校長先生になって、天皇陛下から瑞宝章というものをもらった。


そのことはこの作品に関わる前からなんとなく知ってたんですけど、どういうもので、なぜそれが評価され、おじいちゃんのもとに届いたのか、ということはあまり深く考えてこなかったんです。

けれど、おじいちゃんたちが生きた時代のことを知り、つらい状況におかれながらも努力できる血が僕にも流れていると思うと、この先つらいことがあっても努力できる能力はきっとあるんだと、そういうふうに思えるようになりました。

僕は今回、自分のルーツを知ることでとても前向きな気持ちになれましたが、どんなマイナスなことが待っているかもわかりません。知りたくなかった、ということも掘ったら出てくるかもしれない。けれども、自分がなぜここにいるか、ということや自分の生い立ちというものを知ることは人としての成長につながっていくと思うんです。

戦争体験者の世代がいなくなってしまう時代にさしかかっています。今、この時期に「永遠の0」を見ていただいて、もし自分のおじいちゃん、おばあちゃんがご存命であるならば、いろいろ話を聞いて過去を振り返ってみていただきたいと思っています。若い方も今いる自分の状況や、自分の存在を確かめることができると思います。

そのきっかけになるような映画になればいいなと思いますし、またきっかけとなるパワーがある作品だと思っています。

メイク:MIZUHO(vitamins)/スタイリスト:池田尚輝

※次回は12月4日(水)に掲載予定です。

 

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