どうも、暇な医大生です。
さて、前回は数学の学習指針についてお話しました。まだご覧になってない方は必ずこちらをご覧下さい。↓
さて、今回は前回の予告通り、私個人的な意見によるオススメの参考書を挙げていきたいと思います。本屋さんでパラパラと見て、直感で選べばいいと思います。この記事で1番大切なことを最初にいいます。
みんな同じような参考書や問題集やってるのに、なんで学力差が生まれるんだろうね。
暇医の好きなラーメン屋の店主が暇医に深い名言を言ってくれました。
「同じ食材使っても絶対俺の作るラーメンの方が美味い」
うーん。深い。実際そうだしね。
問題をどう調理するかだと思います。
問題集・参考書・教師が何とかしてくれると思ってる君に、恐らく数強の未来はやってこないでしょう。お疲れ様!!
良い参考書を必死に探してる君の事だよ!君は恐らく大トロもキャビアもファグアラも腐らせるタイプかもね。
※すでに絶版となったものでも、非常に良書であるものは、挙げさせて頂きます。
※一応、長くなりそうなので、レベル別にまとめます。今回は初級~基本レベルです。
※それぞれの参考書・問題集の更なる詳細は、また書いていこうと思います。
※オススメ度の指標は下の通りです。ゴミみたいな参考書・問題集は一切紹介しませんので、ランクが低いからと言って悪い…というわけではありません。
★★★★★→必要十分。必須アイテム。
★★★★☆→非常に良い。買うべし。
★★★☆☆→まぁまぁ良い。買ってもいい。
★★☆☆☆→持ってても悪くは無い。
★☆☆☆☆→買わなくてもいい。もはや趣味。
《初歩・初級者レベル》
まずは、初級者(初めて数学に取り掛かる人)に向けてです。正直なところ、学校で4stepやサクシードなど、その他同じような問題集が配布されているならそちらでも全然構いません。教科書と併用しながら、基礎固めをしましょう。
このレベルは駿台全国模試で数学の偏差値が50にすら達していない(河合塾の全統記述の場合55程度)人達に向けてです。初学者も含みます。
「初学の場合は、考えても分からないならスグに答えを見て覚えなさい」という文言をよく見かけますが、コレが大きな落とし穴です。偏差値60程度までは、センスのある人はグイグイ伸びていくんですが、その後に非常に伸び悩みます。
理由は至ってシンプルで、最初のうちから考える癖をつけてないから、応用段階になっても思考するというステップをスルーしてしまうのです。そういう人達は、考えるべき問題を暗記しようと、スグに解答を見てしまいます。
そんなことでは、数学は伸びません。あくまでも、思考というプロセスを経て、頭に刷り込まれた知識でないとダメということです。応用が効かないということです。
そして、まず偏差値50にすら達しない受験生は、このレベルの問題集をキチンと取り組んでください。計算もサボらず、スグに答えを見ないことです。最低でも10分は考えましょう。20分も30分も考えなくてもいいです。この段階で基礎力を身につけておかないと後で苦労します。
ここでの取り組み方が、後の「偏差値70の壁」を突破できるかに非常に大きく影響してきます。「数学は定石を暗記して、それを組み合わせて解くだけだから、まずはその暗記しよう」という決まり文句をそのまま鵜呑みにしないで欲しいです。
それでは、紹介していきましょう。
①検定教科書+教科書ガイド
オススメ度★★★★★
数学Ⅰ 改訂版 [104数研/数Ⅰ327] 文部科学省検定済教科書
- 作者:数研出版
- メディア: 学校
教科書ガイド数研版改訂版高等学校数学1 数1 328 (学習ブックス)
- 発売日: 2017/02/01
- メディア: 単行本
え?って思うかもですね。教科書は、初学者にとっての最高の入門書です。教科書を馬鹿にしている人は考えを正したほうがいいですよ。数研出版の検定教科書は、東京大学名誉教授を筆頭とした豪華キャストが執筆に関わっているんですよ。
それに、一応名目上は「教科書から出題」となってるので、教科書が基準なんです。解答をどれだけ詳しく書けばいいのか…とかいう基準も教科書で判断できます。また、定義や公式の証明もしっかり載ってます。
有名な話ですが、1999年の東京大学・理系の数学で、三角比の定義と加法定理の証明を課した問題が出題されました。また、2013年の大阪大学・文系の問題で「点と直線の距離公式」の導出証明の問題が出ました。どちらも教科書にデカデカと載っていることです。
最近の教科書を軽んじた高校の授業や、予備校の授業や学生の学習姿勢に一石を投じたのではないでしょうか。
②白チャート
オススメ度★★★★☆
初歩と基本の問題を多めに集めてくれており、非常に基礎固めには濃厚な1冊。この1冊で大体の基本・定義などは身に付くと思います。ただ、参考書というよりは問題集に近く、学校・予備校の授業と並行したりするのがよいかもしれません。(もちろん、独学も可能です)
短所としては、(質量的に)重すぎることと量が多いので時間がかかってしまうことくらい。しかし、基礎をしっかりと固めたい人には非常にオススメですし、この程度のレベルの問題で引っかかっていては、医学部など夢のまた夢です。
3冊全部やると言うより、数Ⅲだけやるとか、苦手な確率だけでも…とかでもいいかもしれません。3冊全部やるのはなかなか時間がかかってしまうと思います。上手く使いこなせれば非常に強力な味方になるでしょう。
個人的には問題レベルの統一性がない青チャートは好みませんが、初歩・初級レベルをしっかり固めることを目的とした白チャートは強くオススメします。
③長岡の教科書 数学
オススメ度★★★★☆
【音声DVD-ROM付】長岡の教科書 数学III 全解説 (長岡の教科書 全解説)
- 作者:長岡 亮介
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: 単行本
- 作者:長岡亮介
- 発売日: 2015/12/24
- メディア: 単行本
- 作者:長岡亮介
- 発売日: 2015/12/24
- メディア: 単行本
非常に有名な先生です。東進ハイスクールの長岡先生のお兄さんです。こちらの本は、完全に独学用です。教科書もなくて、授業も受けてない人は完全にコチラをオススメします。
非常に本質的な授業を展開される先生です。軽視されがちな「集合と論理」をしっかりとやってくださいます。「存在条件」などもですね。しかし、位置づけとしては、検定外教科書でありますので教科書を所有している方は不要かもしれません。
教科書を持ってない方が、教科書+教科書ガイドを買うよりかは、こちらを買う方が経済的にもいいと思います。
④プレ1対1対応の演習
オススメ度★★★☆☆
プレ1対1対応の演習/数学A (大学への数学 プレ1対1シリーズ)
- 発売日: 2016/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
プレ1対1対応の演習/数学1 (大学への数学 プレ1対1シリーズ)
- 発売日: 2016/03/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
必須という訳ではありません。サクッと基礎固めとその確認をしたい人は向いていますが、説明など公式の証明などはあまり、書かれていません。
本書にも、「教科書で確認しておきましょう」との記述が散見されるので、あくまでも教科書+αという位置づけで考えましょう。単独での使用は個人的にはオススメできません。
1部と2部に別れており、1部は本当に教科書レベルって感じです。しかし、2部は入試問題を取り扱ったりしていたりと教科書レベルよりも難しく感じるものもありますが、本当に数問程度で、見事に教科書の横に置いとけるチェック用問題集として使える良書です。
《入試基本・基礎レベル》
教科書レベルを卒業した人向けです。これらを取り組む地点で河合塾の全統模試で偏差値55~60はあって欲しいところです。対象は、駿台全国模試で偏差値が50以上の方です。
①基礎問題精講
オススメ度★★★★☆
(数Ⅲは★★★★★)
- 作者:上園 信武
- 発売日: 2017/02/21
- メディア: 単行本
- 作者:上園 信武
- 発売日: 2013/03/13
- メディア: 単行本
- 作者:上園 信武
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
教科書レベルから入試レベルの橋渡し…としては非常に良書です。これである程度の基礎的な定石等は学べると思います。問題数も150題程度(例題のみ)なので、非常に取り組みやすくコンパクトにまとまっていると思います。
また、解説も詳しめに書かれているので大丈夫だと思います。(むしろこの解説で詰まるのは、教科書レベルの習得が出来てないということです。)教科書レベルの問題も含まれているのでその確認にも使えると思います。
個人的には、数Ⅲの完成度が非常に高いように感じます。教科書での学習が済み次第、直ぐにこちらに(むしろ、同時進行でもいいかもしれません。)移行することをオススメします。このレベルの問題がスラスラできるようになれば、基礎力はそれなりに付いていると思います。
ちなみに、これだけで医学部に行けるらしいです!
②1対1対応の演習
オススメ度
★★★★☆
(数Ⅲは★★★★★)
1対1対応の演習/数学1 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)
- 発売日: 2012/03/30
- メディア: 単行本
1対1対応の演習/数学A 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)
- 発売日: 2012/03/30
- メディア: 単行本
こちらも非常に良書です。実際の入試問題を用いて比較的基本的なことから、入試で頻出のテーマを例題と演習題で習得するタイプの参考書です。なかには、骨のある問題も多く含まれていますが、これらのレベルは医学部志望者はは必ず解けなければならない基本問題です。
①基礎問題精講と同じレベルとして分類するか非常に悩みました。難易度としては、こちらの方が難しいです。というか、ワンランクくらい上です。少し難しく感じて、しんどいかもしれませんが次の段階にステップアップした時に、非常に楽になります。
①基礎問題精講かこちらの②1対1対応の演習でいいと思います。しかし、前者を選択した人は次の段階で少し苦労するかもしれません。それに気をつけて下さい。教科書からいきなりこちらに接続できそうな人は、全然大丈夫です。やっちゃってください。
無理な人は、①基礎問題精講→②1対1対応の順番でも全然構いません。(むしろこれがベストだと思う。)あくまでもこれが基本的な問題であることを忘れないで下さい。このレベルが出来ないなら、ハッキリ言って医学部は論外です。
頭を使って考えて、何度も解きなおして必ず定着させましょう。これらをしっかりと消化できた暁には、基礎・基本は大丈夫だと思ってください。河合塾の全統模試では、60~65、駿台模試で偏差値55は取れるはずです。ようやく医学部受験のスタートラインに立てることになります。
どこぞの受験サイトには、解説に「クセがある」って書いてますけど、強いて言うならば存在条件の範囲と写像の範囲くらいで、それ以外は至って普通の解説が多いです。しかも、あの程度の解説でクセが強くて分かりずらい…などと言うのは完全に思考が足りてないと思います。
ここまでコンパクトに基本的な定石を集めてくれてる問題集はなかなか少ないと思います。私は高校1年生の冬くらいから、数Ⅰ・Aと数Ⅱ・Bに取り組み始めました。
③実力強化問題集(駿台出版)
オススメ度★☆☆☆☆
- 作者:杉山 義明
- メディア: 単行本
むちゃくちゃ良書です。市販なら間違いなく、オススメ度は「★★★★★」です。駿台生しか購入できない非売品なんです……。
わざわざ買う必要はないが…という気持ちで「★☆☆☆☆」をつけましたが、内容は素晴らしいものです。
駿台生は必ず手に入れておきましょう。そして、著者の授業を関西の人はなんとしても受けた方がいいです。それ以外の地域の人たちはオンデマンド授業(ビデオ授業)で受けてみたらいいと思います。
百聞は一見にしかず。杉山氏の授業教材ではこちらの問題集から抜粋された問題が必ず含まれています。是非とも。(駿台予備校の回し者ではありません。)
さて、今回は以上になります。
王道が多いかもしれませんね。まぁ、参考書なんてなんでもいいんですよ。ちゃんと考えて取り組んでなかったら良書に取り組んでても意味ないんで。
個人的にオススメなのは、教科書レベルを卒業したら1対1対応に移行するルートです。しかし、何度も言いますが取り組み方が大切なのであって、取り組む問題集はなんでもいいです。何からやればいいか分からない人は、とりあえず教科書を持っているハズなので、そこから取り組みましょう。
教科書に書いてあることは、まさに初歩~基本の学力養成段階で非常に大切なことです。何気ない一文が非常に大切であったりします。とにかく、最低限として以下のことに注意して取り組んでください。
・定義はしっかりと覚える。
・公式の証明をできるようにする。
・例題を解けるようにする。
・ストーリーを意識しながら読み進める。
・分からない所は質問してみる。
・計算過程もサボらずに取り組む。
どうしても、書いてあることが分からない……。それに何らかの理由により、先生に質問できない……。という方は講義形式の簡単な参考書に取り組んでもいいと思います。(定義や公式の証明をすっ飛ばしてるモノが多いので、個人的にはあまり好かないですが。)ただし、教科書は必ずメインにして欲しいですね。
まずは、アレコレと偏差値が急上昇するような魔法を探すのではなく、取り組むことから始めてください。そんな、魔法みたいな方法ありません。
「実は数学の偏差値を劇的に伸ばす方法がないと思って諦めてませんか?実はあるんです!」とか宣伝文句に踊らされるようでは、まだまだです。ありません。真面目にコツコツです。
その程度のザコい学力で楽をしよう(効率を求めよう)とするな。
そんな甘い考えなら、とっとと医学部受験を諦めて他の学部にでも変えたらどうですか。向いてないですよ。別に医学部志望とかに限定しなくても、受験生全員に言いたいです。
「数学苦手です。」じゃないんですよ。やってないだけなんですわ。その程度の勉強量で、「できるようになりません」とか言わないで下さい。当たり前じゃないですか。だって、キチンとやってないんですから。笑
(あとがき)
個人的に究極のテーマなのが「偏差値60くらいまでは解法暗記でいい。後から矯正すればいい」が真なのか偽なのかです。ここで言う解法暗記ってのは、巷で色んな人が言ってるようなヤツです。大体はドングリの背比べみたいな感じで、根本は同じです。周回して、こういう問題が来たらこう解く!みたいなのを頭に入れていく勉強です。
インプットとアウトプットとかいう言葉を使って、それっぽく言ってますが、要は解説と解答を覚えろ。っていうスタンスです。解説を理解する。ために頭を使うと思ってるのか知らないですけど、解説を理解するのに使う頭の使い方と、問題を解くための頭の使い方は別だと思います。
難関大学に合格してる人達は色んな人がいます。数学が苦手なまま合格した人。数学がメチャメチャ得意で入学した人。合格した人が全員、同じような勉強をしていたかと言うとそんな事は絶対ないと思います。だから、解法暗記をして、ソコから思考する訓練をすればいいと言う予備校講師(しかも大物)もいます。そこに来るまではどうやって、勉強してきてもいい。そこから俺が数学を伸ばしてやる。というスタンスですね。
暇医的にはどちらかと言うと「初歩の段階でキチンと学習しておかないと後から響く」というスタンスではいるんですが、最初のうちはとりあえずゴリゴリと計算練習でもしてればいいような気もしてます。でも、今になって思うのは、暇医は初めの段階でメチャメチャいい先生の授業を受けてたからそんな事が言える(変なクセがつかない)のかなと思います。
暇医は東進で高校対応数学って講座を受けてたのですが、教科書レベルのお話を色んな先生で受講できる。みたいなやつで。大吉先生がメチャメチャ良かったです。それで、そもそも中学生の時は嫌いだった数学が、面白いと感じるようになり、教科書と高校対応数学のテキスト。あとは、予備校においてあった青チャートとか黄チャートをパラパラ解く。みたいなことをしてるだけで(高校1年生の春)、23点くらいから80点くらいにはスグにいきましたから。(センター1aね。)
最初に変なクセが付くと直すのが大変なのは皆さんも何となく分かると思います。
しょーもない学校の授業で身についたクセは直すのが大変です。というか、定期テストなどで青チャートから問題を大量に出題し、しかもタイトな時間設定。まるで、丸暗記前提の定期試験をしている高校が普通にあります。
自称進学校と言われるところもそうかもしれませんが、進学校でもそういう所はあります。生徒とかでもいます。こういう有害なテストを出す教師は今すぐ日本数学会などから永久追放して欲しいなぁと思います。数学が伸びるのって解法を覚えた時じゃなくて、あれこれ悩みながら手を動かし、消しゴムを使い、試行錯誤して正解にたどり着こうとしてる時間だと思います。
その試行錯誤。思考する時間がほぼないようなテストを出題して何がしたいんや。という感じです。それは伸びる訳もありません。また、医学部専門予備校のしょーもない予備校講師の授業も同じでしょう。某有名メディカルアホさんは、青チャートを使って授業してますが、そこに書いてる解説を読み上げて、同じような答案を前に書くだけらしいですね。
こういう輩の授業で例えば「三角関数の合成」を習った日にはもう泣きたくなります。三角形を書いて「sinの前の数字が横!cosの前の数字がタテの直角三角形を描け!」とか言ってますもんね。
塵も積もれば山となりますよね。
ちゃんとした先生からずーっと習ってる方が伸びるのも早いに決まってるんですよ。とは思うワケです。まぁ、金銭面など、色んな面で良い先生の授業を受けれない人がいるがしれませんが、一流に習うのをオススメします。タダより高いものはありません。公立高校の授業なんかで行けるなんてのは、よっぽど頭が良くないと無理でしょう。私立高校の授業も大差ないですが。
ー次回予告ー
次回は、《入試標準レベル》です。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
https://himahimawari.hatenablog.jp/entry/2019/07/19/111511
↓ポチっとお願い致します。