どうも、暇な医大生です。
前回は数学の学習指針についてお話しました。まだご覧になってない方はこちらをご覧下さい。↓
さて、前回は数学学習の大原則の1つを話させて頂きました。今回はもう3つ、お話しましょう。細かいことはいろいろあるんですが、それはおいおいで大丈夫です。
②計算は最後までやり切る。
これもむちゃくちゃ大事なんです。当たり前のことすぎて、いちいち君たちの硬い脳みそに改革を起こすのすら面倒です。
こんな勉強の仕方してる人いませんか。
「計算結果違うけど、プロセスあってるからいいや〜。次の問題いこ。」
「あれ、答えが違う。答え見てどこが違うか確認しよ。」
あのですね。論外ですね。ほんとに。前回の記事読んでくれた方はもうわかりますよね。計算結果が合わないと不正解です。部分点なんてほとんど皆無だと思ってください。
数値が合致して、はじめて採点がスタートします。答えが違うのはほぼ0点だと思う意識が大切です。(実際、部分点なんてものは僅かしかないです。)
答えが合うまで何度も計算し直しましょう。本番は、やり方があってるから点数をあげよう…なんて甘い考え通用しませんよ?答えがあってないとマトモに答案すら見てもらえない覚悟をしておきましょう。
当たり前じゃないですか。仮にも貴方達が行きたいのは医学部ですよ。人の命を扱う仕事なんです。薬品の量、計算間違いました…じゃ済まされないんですよ。人の命がかかってるんですから。失われるのが君たちの1年間で良かったです…って話です。(ちと大袈裟)
計算を軽んじる人は、数学力がなかなか向上しません。楽して実力をつけようなんて無理に決まってるでしょう?前回の話と同じです。
本番は答えが合ってるか分からない状況で、自分の計算力を信じて進んで行かないといけないのです。そんな、みすぼらしい計算力では勝てません。
さらに、計算過程に非常に重要なポイントを含んでいることがたくさんあります。(特に数Ⅲ)そこで合否が決まるポイントが潜んでいる……ってことも普通にあります。
大学側も計算力を見ているのです。計算は根気や丁寧さ、そして正確性などその人間の性格が1番よく見える部分だと私は思います。
普段の学習から、楽して計算過程をさぼるなんてありえません。そんなことして、「数学が伸びません」とかいう人は、今すぐコンビニでアロンアルファを買って口を閉じましょう。
必ず答えが合うまで、何度も白紙に計算し直しましょう。検算もしましょう。どこで間違ってるかも、答えを見ずに間違いを自分で探しましょう。
試験本番はそうしなければならないのです。練習のうちにやっとかないと、本番に出来るわけないじゃないですか。あなた、そんなに天才で器用なんですか?
Everything is practice.
ー全ては練習の中にあるー
(ペレ)
とにかく、詰めが甘いんです。計算を最後までやり切るかはあくまでも具体例の1つです。問題を解いた後に考えなければならないことはたくさんあります。
・作問の背景はなんだったのか。
・出題者の意図はなんだったのか。
・グラフを描いてみたらどうなるのか。
・別解はどのようなものが考えられるのか。
・解答に至るまでのストーリーはどのようなものか。
・それを自分で白紙に再現できるのか。
・類題はどのような問題があるのか。
などなど。
ここまで考えて初めて、問題が自分のモノとなるんです。そんなに考えてないから、ちょっと形を変えたり小難しくすると手が止まるんですよ。偏差値60程度までは困らないかもしれませんが、そっから困ると思います。
③常に本番を意識する。
もう何度も話してきました。ここでは、もう実践的なことしか話しません。数学の問題を解く際ですが、前から順番にチンタラチンタラやってても何の緊張感もありませんし、だらけがちで脳が全然仕事をしません。
人間の脳とは不思議なもので、時間に追われれば追われるほど、回転速度が早くなります。そのため、前から順番に解く…のではなく、常に本番を意識して、テスト形式で解きましょう。
すなわち、例えば数学の勉強時間が1時間あったとして、「よしっ!頑張ってたくさん解くぞ!」じゃなくて、1時間で4問と決めて、1時間めいいっぱい使ってその4問をひたすら考えましょう。解けなくても粘りましょう。
何故ですか?って、試験本番はそうだからですよ。決まった時間内で、決まった問題数を解かないといけないんですから。「本番に弱い」とか「模試になるとイマイチ」とか言ってる人はこういう訓練が足りてません。
前回の話と被りますが、ウンウン唸って考えた問題は記憶に残ります。それにメリハリもつくので、是非このやり方を個人的にはオススメします。
④数学Ⅲをしっかりやり込む。
最後です。これも非常に大事です。特に現役生に多いのですが、「Ⅰ・AとⅡ・Bを完璧にしてから……」という人が多く、なかなか数Ⅲへの学習に着手しません。こういう人は大概、浪人が確定しているのですが、本人達は自覚がないのが非常に残念です。
ある程度のレベルに達すれば(定石・有名問題・典型問題がスラスラ解けるようになれば)、すぐに数Ⅲの学習に入るのがいいです。というのも、理系数学の入試問題を見れば一目瞭然です。特に医学部ですね。ほとんど数Ⅲですね。
医学部の数学の問題はむちゃくちゃ大雑把に書くと……
数Ⅲ + 整数 + 図形 + 確率
この辺から出題されます。そのうち半分は大体が数Ⅲです。
2017年の大阪市立大学の理系問題なんて、ほぼ全部と言っても過言ではないレベルで数Ⅲ範囲が絡んでいる問題です。佐賀大学の医学部の問題も毎年のように、4分の3が数学Ⅲの問題であります。
Ⅰ・AとⅡ・Bを一通りやったけど、完璧じゃないし、忘れていかないか不安……って人。完璧は無理です。それに心配しなくて大丈夫です。数ⅢではⅠ・AとⅡ・Bで学んだことがいろいろ何度も繰り返して出てきます。そこでまた復習が可能になります。弱点が見つかればその都度、該当箇所を戻って潰せばいいです。
そして、何よりも数Ⅲは裏切りません。真面目に定義・定石を頭に入れて、計算もしっかりやり抜き、思考訓練を重ねればすぐに得意科目になります。理由は簡単です。だいたい出題されるパターンが、Ⅰ・AとⅡ・Bに比べるとかなり固定的だからです。
すなわち、だいたい同じような問題が何度も何度も出題され、医学部とはいえ、だいたいその種類は70~80種類くらいです。これは、おそらく何度も同じような問題を出しても、上記のように数Ⅲにしっかり取り組んで試験会場に来る学生が未だに多くはないため、ある程度の差がつく問題になってしまうからと考えられます。
数Ⅲを真面目に取り組んだ人からすると、「なんや、この典型問題。むちゃくちゃ簡単やん。」という問題も、知らない人からするとすごく難しく感じるのでしょう。だいたい3割~4割くらいの人間しか解けない問題であるならば、それは試験問題としては非常に有効な問題となり得ます。
よって、学習の指針としては……
・数学Ⅲにスムーズに入っていけるように、Ⅰ・AとⅡ・Bの学習をしっかりする。しかし、やりすぎない。ある程度で見切りをつけてなるべく早くに数学Ⅲの学習を始めることが大事。
・整数、図形、確率などの分野は、非常に頻出かつ少し孤立がちな分野なので、別でしっかりと対策を行う必要がある。
ということを念頭に置いて学習を進めてください。
さて、以上の4つです。まとめておきましょう。
◇まとめ◇
直ぐに答えを見ない。考える。
計算を最後までやり切る。
本番を意識する。
数学Ⅲをしっかり取り組む。
どうですか。何も特別な事は言ってません。当たり前のことです。極めて当たり前のことです。当たり前のことを当たり前にする。これが1番簡単に見えて難しいことです。
プロとは当たり前のことを当たり前にできる人間をいう。
(野村克也)
ネットに出回る、事細かに書かれたよく分からない勉強法に左右されているそこの貴方。
1度、地に足つけて、当たり前のことをしっかり取り組んでみてはどうでしょうか。
(あとがき)
思い出だけど、この記事を書いてる時はさ。日間pvが100くらいだったのよね。まぁ、書きたいことを書いてただけなので、気にしてなかったのだけれども。1年半経ってからは、1時間で250pvとかいくようになってさ。まぁ、YouTuberとかに比べたら全然なんだろうけどね。
でも、人気のある記事はいつも、参考書紹介ばっかりなのよ。結局、暇医の言いたいことって「良い参考書」を探すのではなく、「キチンと考えて身になる勉強をしてくれ」ってことなのよ。椅子に座ってるだけの周回作業ゲーなら、アプリでやってればいいんよ。って感じがするんよ。
受験生って、何か良い参考書をやれば自分の学力が魔法のように上がるって思ってるよね。頭のイイ人の勉強法を真似れば同じように上がっていくって思うよね。1人1人バックグラウンドが違うんだから、そんな単純ではないのよ。でも、1つシンプルなことは分かってて、数学が出来る人はきちんと考えてるのよ。君らが想像している以上に高い所から広く見下ろしてるのよ。
じゃあ、その視点を知れば良いから、その視点を知れるイイ参考書を教えて。って言うのがアホ受験生クオリティなの。何回も言ってきたけど、まぁ、伝わらんか。もう無理か。伝わらんな。カマキリに「バッタを食べるな!」って言うようなモノよな。ニワトリに「空を飛べ!」って言うようなものよな。まだ、イヌの方が賢いかもしれんもんな。
土台がないと何も積み上げられんのよ。
とりあえず。解法暗記でも何でもいいから偏差値60くらい来て、壁にぶち当たれば暇医の言ってることが身に染みて分かると思います。頑張ってください。
(つづく)
ー次回予告ー
オススメの数学の参考書を紹介
考え方を改めた方だけ見てください。
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