どうも、暇な医大生です。
さて、前回は医学部受験の概要についてお話しました。まだご覧になってない方はこちらをご覧下さい。↓
数学の学習指針に関して、2回に分けてお話したいと思います。
さて、「あの問題集がいい」とか「この参考書はだめ」とかそんなことよりも大切なことがあります。どんな問題集に取り組もうが、取り組み方とその人自身によって、武器にも毒にもなりうるってことです。
一見ガラクタに見えるモノも使い手によっては一撃必殺の武器になりうる。
(古美門研介)
という名言をご存知でしょうか。リーガル・ハイの古美門研介の言葉です。たとえゴミみたいな参考書でも使い手によっては、益となるのです。
しかし、私の本当の主張はここからです。逆もまた真なり…なんです。vice versaです。
取り組み方もしっかりしてない人間が、むちゃくちゃいい参考書を持ってても、使いこなせてなければ宝の持ち腐れで意味が無いです。参考書が泣いてます。本屋さんの本棚に戻してあげましょう。
たしかに、「いい参考書」と「“紙の無駄使いはやめよう、地球環境破壊推進”参考書」の二種類に分類できます。この分類、個人の意見によりますがね。個人的なオススメの参考書はまた後日紹介します。まとめておきましょう。ただし、忘れないでいただきたい。
全ては貴方の取り組み方次第!!ということを。
では、それを念頭に置いて頂いて数学に取り組む際の大原則をまとめて、それぞれ順に解説していきます。
①直ぐに答えを見ない。考える。
これは非常に大切なことです。それにも関わらず実践できている人はいません。数学のできる人と苦手な人の取り組み方の差は究極的にはここにたどり着きます。
巷では、「青チャートの例題を暗記する」などというバカげた学習方法が横行しているそうです。それに、「5分考えて分からなかったら直ぐに答えを見る」というやり方でしょうか?あの東大理科三類出身の受験界B級戦犯・和田秀樹氏の著書で紹介されて流行ったのでしょうか。
いいですか。彼は日本最難関の灘中学校・灘高校出身ですよ?私にも、灘高校出身の友人や知人がたくさんいますが、彼らは別格です。頭の構造が違うんじゃないかて…?というくらい幼い頃から思考訓練を積み重ねてきています。貴方は彼らみたいに、問題を見て5分で答えを見て頭に入れるなんてことできますか?
できませんよねぇ。たった英単語2000語も1年かけても覚えられないような貴方達ができるわけが無い。それに彼らは思考することへの慣れや、訓練時間は遥かに多いです。そのため、5分間での思考の質とでもいいましょうか。貴方達の何倍、何十倍の速度で脳内処理を行っているのです。
そんな方法を貴方たちが同じようにやって、出来ると思うのが間違いです。そんな思考回路だから、いつまでたっても、すぐ答え見て、出来たか出来てないかのチェックをつけて、やった気になってるんですよ。じゃあ、今貴方の取り組んでる参考書についてる「× 」印の問題、ランダムで出したらできますか?
無理ですよね。解けるか解けないかのチェックする作業を勉強なんて、今後一切言わないでいただきたい。
こういう勉強を提示してくる人間は決まって、「効率」という言葉を並べたり、机上の空論で「1問あたり15分で終わるから1時間で4問出来るよね?」とか語ったりします。
ほんと、いい加減にして欲しい。初歩の段階で楽をしては、それが癖になってしまいます。絶対にやめましょう。
そもそも勉強自体が非効率なのに、何が効率のいい勉強法だ……って感じです。
試験本番は、わからなくても自分の知る限りの知識と思考経験で問題を解かねばなりません。青チャートみたいに、下に答えは載ってません。じゃあ、それが分かってるのに何故普段からその意識を持って取り組まないのですか?
答えすぐ見て、解き方覚えてたらやった気になりますよね。考えるのしんどいですよね。分かりますよ。そらそうですよ。分からないことを考えるのは糖の消費量が半端ないからです。ストレスも溜まります。
しかし、その「分からない状況」を楽しんで欲しい。成長するチャンスなんですよ。それを答えをすぐに見るなんてありえないです。自分で成長チャンス潰してどうするんですか。強くなるためには、イバラの道を進まなけらばならないんです。ポケモン(エメラルド)で、ずーーっとマサラタウンにいたら成長しないでしょ。
壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。
(イチロー)
一見すると、遠回りに見えます。しかし、その経験が必ず後で生きてきます。その思考経験が偏差値70の壁を破る時に必要不可欠になります。遠回りこそが、実は近道だったりするんです。
最初は、10分考えるのもしんどいでしょう。ちょっとずつ、時間を増やしていきましょう。最終的には、25分間が限度です。何故なら医学部入試で、1問にかけれる時間はだいたい25分程度だからです。もちろん、同じ問題を1日中考えたっていいです。
私も「わかんないなぁー」って言いながら考えて、物理の勉強しながら「あっ、分かったかも!」と思い、白紙に計算しはじめたり、帰り道に突破口が見えたりしたものです。
最初に楽をすると、後でしんどいですよ。諺にもあるでしょ。それでも俺は、直ぐに答えを見るぜ!って人はどうぞ好きにして下さい。笑
そういう人に限って言うんですよ。
「時間が足りなくて」
「コケてもうたわ〜」
試験時間が足りないのじゃなくて、貴方の思考訓練の時間が足りなかったことを自覚しましょう。
コケたのではなくて、直ぐに答えを見るという補助輪に頼った作業ばかりしていたから、元々コケる運命だったのです。潔く受け入れましょう。笑
大体の指針(目安)として、駿台全国模試の数学の偏差値が55~60(河合塾の全統模試だと60~65程度)にも到達しない人は、完全に知識不足です。まずは定義・公式の証明・定石・有名問題や典型問題に取り組みましょう。
その際に、直ぐに答えを見るのは絶対にやめてください。(n回目)
その段階で楽をするような人間になると、伸びがそこで止まりますよ。あとから思考しようと思ってもなかなか出来ませんよ。今のうちから癖つけておきましょう。「やり方を知らないから」と言って最初から覚えにかかるのをやめましょうって言ってるんです。
最初から覚えようとするのではなく、分からないけど一生懸命考えていたら、自然と覚えてしまっていた。
これが理想です。思考なしの経験など忘れます。貴方は1週間前の晩御飯を覚えていますか?彼女とのデートのために考えてお店を選んだりしていたら覚えているでしょう。
何も考えず家で出されるご飯を食べている人はまぁ、覚えてないでしょう。
解けそうで解けない…と唸った模試の問題はどうですか?やっぱり覚えているでしょう?じゃあ、5日前に解いた数学の問題覚えてますか?直ぐに答えを見ている人間はまぁ、覚えてないでしょう。人間の脳みそなんて、そんなもんなんです。思考してないと頭に入らないようにできてるんです。
そんなテキトーな取り組み方してるんだったら、今すぐそのお手製暗記カードなんて捨てて外で遊んでたほうがいいですよ。時間の無駄。そんなもの勉強じゃないですよ。強くなってないじゃないですか。笑
思考あっての、知識です。
大分長くなりましたね。続きは次回に持ち越しです。あ、頑張ってください。答えすぐ見て覚えて「効率」とか言って、「今日は15問も解きました!」的な。解きました!…じゃなくて、模写しました!…ですよね。そっちの方がしんどくて修行だと思うんですが……。
(あとがき)
この記事は随分と昔(今から1年半くらい前)に書いた記事です。今読み返しても、「まぁ、当たり前のことしか書いてないなぁ。」という感じです。しかしながら、たった1年と少しですが、この考えはあまり変わってないということは、毎年同じような受験生で溢れかえっている。ということだからでしょう。
この記事を書いた時から、ネット上において「受験数学」を取り巻く環境は少しずつ変化しているように感じます。というか、多少の変化がありました。人気も実力もない3流講師共がYouTubeに流れ。タダだったら見るけど、別に金を払ってまで観たいとは思えないような授業を展開し。受ける側もお金を払ってるからこそ真剣に受けるという姿勢もなく。また、予備校講師ではないYouTuberが数学を教えるみたいなのが急増しました。
「これが数学の勉強法!」ってのも増えました。例え、離散YouTuberがそんな動画を発信していても鵜呑みにしないようにして欲しいです。(そもそもロクなものがない。ネタコンテンツとしては面白いし、彼らはもちろん優秀。)企業案件でやってるYouTuberもいますから。金のためだったら、無知で無垢な受験生を平気で騙そうとする。凛々しいおマンコYouTuberもいます。再生回数だけ増えればイイのであってね。
あと。参考書も問題集も色々増えました。ロクデモナイ代物ばかりだと個人的に思いますが。よくもこんなモノを自分の名前を著者にして書店に並べるものだなぁと。感心せずにはいられないです。尊敬してます。そして。人気も実力もないパソコンの前にかじりついて、2ちゃんに入り浸ってる医学部専門予備校の先生方。お疲れ様です。笑。一生、株や仮想通貨の話でもしてたらどうですか?笑。そんな暇あったら数学の勉強してくれな。
……とまぁ。こんな感じで暇医節をスパイスにした所で。まぁ、ここまで過激な事は思ってません。こういう意見もあるよ。という事です。兎にも角にも、色々な情報が錯綜しています。そもそも勉強法なんてのは、暇医は嫌いです。シャーペンと白紙とテキストさえあれば、イイのですから。あとは、頭を使って捻って悩んで楽しむだけです。「こう来たらこう」とか最初から覚えるモノじゃないです。マクロな視点で整理し直すことが大事だと思います。
もし、ここまで読んだ受験生で「加法定理の証明ができない」「三角関数の合成が加法定理の逆と分かってない」「数値代入法と係数比較法って何やってるか分からん」「そもそも恒等式と方程式の違いも分からん」「区分求積法の原理がわからん」とかだったら、まずは勉強法とか探す前に、塾でいっぱい授業受ける前に、教科書と向き合ってみたり、今やってる問題集・参考書とじっくりと格闘することをオススメします。
上に書いたような具体例は、「初歩」ではなく「基礎」です。教科書に載ってるからと言って簡単な内容ではありません。「微分して正なら増加関数」と皆さんはやってるハズですが、それを証明するのに「平均値の定理」を使うことを知ってる人は果たしているのか不思議です。(まぁ、予備校で教えてるから、いないのは知ってます。そもそも平均値の定理も怪しいでしょう。)これも教科書に載ってます。これは基礎です。実際、医科歯科とか色んな難関大学でも出題されてるのです。
そして、その辺の参考書にも書いてあります。個人的に受け取り手に問題がある。と言いたいところですが、書き手側にも問題があると言わざるをえません。こんな記述で伝わるかよ。というものが多いですから。受験生には「あの参考書がいい」とか「これはダメ」とかそんな話してる暇あるなら、それこそ1問でも多く掘り下げて欲しいなぁと思います。
(つづく)
ー次回予告ー
数学学習の指針(続き)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
https://himahimawari.hatenablog.jp/entry/2019/07/16/201553
↓ポチっとお願い致します。