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いじめられていた俺は気づけば世界最強になっていた ~陰キャ高校生、自宅ダンジョンにてレベルが100を超えたのでいじめっ子をボコボコにできるようになりました~ 作者:木嶋隆太
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第1話


 俺は引きこもりがちの高校生だ。

 別に正義感が強いわけではないが、ただいじめが見逃せないだけの人間だった。

 だから、クラスでいじめられていた子を助けたら、それから俺がターゲットにされてしまった。


 毎日毎日続けられた陰湿ないじめに俺は引きこもりがちになってしまった。

 それでも、何とか高校は卒業しようと思い、必要最低限の授業にだけ参加し、何とか無事高校一年生を終えた。

 そして現在春休み。


 もうすぐその春休みも終わってしまうのかと多少の憂鬱に襲われていると、


「なんだこれは?」


 思わず俺は声をあげてしまう。

 俺の家に、なぜか地下へとつながる階段が出来ていたからだ。


 我が家に地下はない。

 あり得ない。俺が疲れているのだろうか? あるいは幻覚?


 それらを疑いつつも、俺は階段へと足を踏み出した。

 しかし、そこはしっかりと踏みしめることができたのだ。

 ……わけがわからない。


 驚きながらもとりあえず階段を降りていく。

 だが、初めは木造だった階段はやがて石造りに変わっていく。


 壁には見知らぬ光源があった。……それは、石、だろうか? 消えては光ってを繰り返す石が、いくつも壁に埋め込まれている。

 順番に光を放つことで、薄暗いながらも階段を照らしてくれている。

 明らかに材質が変わったところで、俺は足を止めた。


 これ以上くだるには靴が必要だと思い、俺は一度玄関へと向かった。

 スニーカーと運動靴。どちらを使うかで迷った俺は、悩んだ結果運動靴を履いて、改めて階段を降りていく。

 先ほど足を止めた場所を過ぎ、俺はその先を歩いていく。


 やがて階段の終わりが見えてきた。光だ。

 今は紛れもなく夜だった。にも拘わらずそこには光があふれていた。

 本来であればありえない状況だ。それに驚きはあったものの、その数倍の喜びの感情があふれていた。


 そして階段をおりきった。


 そこには、見知らぬ世界が広がった。


 広大な草原があり、空が見えた。

 ……わけがわからない。

 突然地下が出来たと思ったら見知らぬ世界にたどり着いてしまった? 一体誰がそんなことを信じるのだろうか?


 これは夢。そう思うほうが自然だろう。

 しかし、頬をつねってみても、足場を確かめてみても確実にそこに、本物の感触があるのだ。

 ……これは一体。


 俺は困惑しながら周囲を眺めていく。

 と、その時だった。


「え!? 人間さん!?」


 ……これまた、驚く存在がそこにいた。 ぷかぷかと浮かぶ蝶々のような存在がそこにいたのだ。

 学生時代はそれなりにライトノベル、アニメをたしなんでいた俺はそれに対して的確な単語が浮かんできた。


「妖精……?」


 まさか日常でそんな言葉を使うことになるとは思っていなかった。妖精が見える、なんていえば頭のいっている奴だと思われるだろう。

 しかし、俺の指摘に対してその小さな、可愛らしい妖精はにぱーっと笑った。


「正解!」


 妖精は俺の手のひらほどのサイズながら、両腕を頭の上に動かし〇を作った。

 正解といわれ、嬉しさよりも困惑のほうが大きいのは初めてだった。


「……夢、だな」

「夢!? 夢じゃないよ! ていうか、お兄さん。なんだか変な格好しているね?」


 変な格好? 俺は至って普通の私服だ。ただ、どうせ部屋に引きこもってばかりだったので確かに外行きの格好ではない。

 たいして、妖精の格好はどうだろうか。

 彼女はそれこそ、とにかく薄着だった。おへそのあたりが少し見えるような服装をしている。……そんな格好のおまえに言われたくない、というのが正直な感想であったが、そこを口にしていても話が先に進まない。


 俺が今気になっているのは彼女の服装とかではなく、この状況だ。明らかな異常に対して俺は情報を集める必要があった。

 もちろん、ここが夢ではないというのが前提での話であるが。


 今現在、俺は夢か現実か半々といった気持ちだ。

 現実的に考えればあり得ない状況だ。だが、そのありえない状況ながらも、俺の感覚は現実そのものとなんら変わりなかったからな。


「……なあ、あんた名前は? 俺は阿佐美才斗あざみさいとだ」


 このままお互いに名前を知らないまま会話していてもわかりづらいので、まずはお互い自己紹介をすることにした。

 俺が名前を名乗ると、妖精はけらけらとわらってきた。


 なんて失礼なやつなんだろうか。人の名前を聞いてその反応はないだろう。……まあ、相手はみためだけで見れば子どもだ。わざわざ声を荒らげて怒る気力はない。


 昔から、憤りを覚えてもそれを注意して、それから喧嘩に発展するとなると思うとその労力の方が疲れるということで人に対して怒りをぶつけるという行為はほとんどしてこなかったな、とかぼんやり考えていると、妖精の笑いもようやく収まった。


「変な名前だねー! アザミサイトっていうんだ」


 発音がおかしかった。

 まあ、日本人のような発音はできないとは思っていたのだが、彼女はそれらを抜きにしても随分とおかしかった。


「阿佐美、才斗だ」


 もう一度くぎっていうと、妖精は首をかしげた。


「もしかして、サイトっていう名字もってるの?」

「いや、サイトは名前で……ああ、サイト•アザミだ」


 ……海外の人のように名前、苗字の順で名乗った。

 ようやく、妖精に通じた様だ。


「あっ、そうなんだね! でも苗字もちなんだ。ちなみに、私はサリアっていうんだよ! よろしくね!」


 サリア……明らかに日本人ではない。いや、そもそもみため妖精の時点で日本人という線はほぼ消えてはいたのだが。

 彼女の名前や、彼女の存在、生い立ち……色々なことが気にはなっていたのだが、それらは後回しにして、俺は真っ先に気になっていた質問を口にした。


「ここはどこだ?」

「どこって迷宮だよ? 迷宮以外に何かある?」

【重要なお知らせ!】


ひとまずは毎日更新をやっていこうと思います。また最近あまり小説が書けず、スランプ気味でしたのでリハビリのつもりで書きました。



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