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おい、外れスキルだと思われていた《チートコード操作》が化け物すぎるんだが。 〜実家を追放され、世間からも無能と蔑まれていたが、幼馴染の皇女からめちゃくちゃ溺愛されるうえにスローライフが楽しすぎる〜 作者:どまどま
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おい、おまえは帰れ

「待った待った待ったぁ!」


 これから制圧を始めるところで、どこか間の抜けた声が響きわたってきた。


 ――いや待てよ。

 この声は、まさか……


「ここで会ったが三年目! アリオス・マクバ! 今日こそ貴様を成敗してくれる!」


「は……!?」


 思わず目を見開いた。

 これには驚かずにいられない。


 突如として現れた人物は、なんとダドリー・クレイス。


 僕の父リオン・マクバに見込まれて修行してきたものの、汚名を返上できなかった元孤児だ。


 あの決闘後、レイファー第一王子に見切りをつけられ、親子ともども姿をくらましたと聞いていたが。

 まさかこんなところで会うとは……


「というか、おまえ、まだ元気なんだな……」


「当たり前だ! 憎きアリオス・マクバを倒すまで、俺の腹の虫は収まらん!!」


 おうおう元気なことで。

 その情熱、もっと有意義なことに使えないもんかね。


「すまないが、いまは取り込み中でね。いつでも相手になるから、ここは退いてくれないか」


「そうはいかん! このときのために、俺は厳しい厳しい特訓を行ってきたのだ!」


「いや、だからそれはいつでも受けてやるから……」


「駄目だ! 絶対いま!」


 ……わがままっぷりは相変わらずのようだな。


「ア、アリオス様。この人、だれ?」


 若干引きながら問いかけるエムに、僕もなかば呆れながら答える。


「ま、昔いろいろあってね。腐れ縁ともいえるか」


「へ、へぇ……」


「おいなんなんだアリオス! そんな可愛い子を連れて、レイミラ様はどうしたのだ!!」


「……レイならいまも作戦に協力してくれてる。場所までは教えないがな」


「くそ! 許さん! 貴様ばかり女に恵まれやがって!」


 ガンガンと地団駄を踏むダドリー。


 冗談……じゃなさそうだな。

 本気で悔しそうだ。


「さっきからなに言っとるんだおまえは……」


 怒りの沸点がよくわからんな。


「いたぞ!」

「あそこだ!!」


 というか、あーあ。

 構成員たちがやってきてしまったじゃないか。


 表での陽動作戦のおかげで人数は少ないが、かなりややこしいことになってしまった。 


 仕方ない。

 先にあいつらを始末するか……


 そう思いながら剣を抜こうとした、そのとき。


「じゃかぁしい! 男と男の勝負を邪魔するな!!」


「ぬおっ!」


「なんだこいつはっ!!」


 なんとダドリーがアルセウス救済党に斬りかかっていくではないか。


 しかも腕を上げたのは本当のようで。あのアルセウス救済党を相手に、そこそこの善戦を繰り広げている。


 ……まあ、さっき僕が建物をぶっ壊した影響か、構成員たちは怪我を負っているようだしね。

 向こうの戦闘力がかなり落ちていることは否めない。


 だが、さすがは腐っても《白銀の剣聖》。

 成長度合いは相変わらずのようだ。


「くそ……!」

「おのれ……なぜ我らがこんな奴に……!」


 そしてなんと、ダドリーがアルセウス救済党を倒してしまった。


「はぁ……はぁ……どうだっ!!」


「おまえ……ほんとにやるとはな」


 正直、驚いた。

 僕への執念は本物……ということか。


「さぁアリオス・マクバ! とっとと始めるぞ! 決闘だ!」


「はぁ……」 


 まあ、ぶっちゃけ手間なんだが。


 それでも、一応剣を抜いておく。

 口で説得するよりも、物理的におとなしくさせるほうが早そうだしね。


「うぉぉぉぉぉぉりゃぁ!!」


 ダドリーはなぜか気合いの一声を響かせながら、両腕を天に掲げる。

 それに呼応してか、奴を取り巻く白銀のオーラが一層の光度を増した。


「アリオス! 聞いたぜ! 貴様がとんでもない能力を持ってるってなぁ!」


「…………」


「その名も《攻撃力アップ(小)》! これのおかげで貴様はとんでもなく強くなったってなぁ!!」


「……は?」


 いやいや、違う。

 たしかに僕のそれは強力だけど、それは《チートコード操作》の能力だから。


 普通の《攻撃力アップ(小)》は、発動したところで攻撃力が1.2倍になるだけの、正真正銘外れスキルである。


「だから! 俺は身につけたんだ! 攻撃力アップ(小)をな!」


 マジか。

 生まれ持ったスキルとは別に、新しいスキルを手に入れたってのか。


 それ自体はすごいな。


(スキルの能力は置いといて……だが)


 ちなみに、過去にも複数スキルの保有に成功した者は存在する。


 通常は18歳でひとつのスキルしか授けられないはずだが、ある日急に新たなスキルを手に入れたらしい。


 その条件は現在も不明。


 多くの研究者がこの謎を追っているが、いまもなおわからないままだという。


 それを、ダドリーは手に入れたのだ。

 攻撃力アップ(小)だけどな。


「はっはっは! どうだぁ! ちったぁ俺様のこと見直したかよ!!」


 ダドリーが高らかに笑い出した、その瞬間。

 僕の懐から、紅い輝きが二つ発生した。


「これは……?」


 ブラックグリズリー。

 そしてジャイアントオーク。


 かつてニ体の魔物から採取された紅い宝石が、ふいに浮かび上がってきたのだった。


 


 

 

本作におきまして、書籍化&コミカライズが決定しました!

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