どうもさぼです。
透析効率を上げるということを日々考えながら仕事しているうちに、
いつかはどうしようもない超えられない壁に行き着くと思います。
透析効率を上げる方法はこちらから↓
それは、、、透析効率化の限界です。
例えば、シャント血管のフローボリューム(血管に流れている量)が少なく、QB200が限界、QDも上げられないし、膜面積も限界があるな~
とこんな感じにもっと十分な透析量を取りたい(もっと血液がきれいになって欲しい)のに、
透析の効率化に限界を感じます。
僕の施設では患者さんがかなり多いので結構こんな事が起こります。
今回は透析の効率化に限界を感じた時に、思い出して欲しいことがあるので、
そのことについて書いていこうと思います。
当たり前じゃんと思う方もいると思いますが、改めて大切だなと感じてくれればいいです。
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透析効率を上げるうえで一番効果的なものは?
新人の頃、一通りの業務を覚え、
データ係というダイアライザーの選定や透析条件(QBや補液量など)の設定を考える係に入ることになりました。
データ係では毎月、会議で透析条件の検討を行っています。
新人の僕の頭の中では「効率化、効率化、効率化」とそればっかり考えて、大事なことを忘れてしまってました。
灯台下暗し状態です。
透析量を確保する方法に効率化があるだけで、透析量を上げる方法には最も効果的な方法があるのです。
というか既に知っているはずです。
透析時間を延ばすことです。
透析量の指標となる最も有名な式
透析量=Kt/Vの「t:time(透析時間)」
です。
ちなみにKはクリアランス、Vは体液量です。
血流量(QB)や透析液量(QD)、膜面積を上げるというのはKt/Vの「K」を上げるものです。
一方、「t」を大きくすると透析量が上がるので、
単純に透析時間を延ばせば延ばすだけ、透析量が上がるということが言えます。
透析時間を延ばすメリット
実は透析時間を延ばすことはあらゆる物質を一番確実で除去でき、尚且つ体の負担が少ない方法なんです。
体の負担が少ないというのは、除水速度を低く抑えれるためです。
除水速度は、除水量を時間で割って計算しています。
分母が大きければ1時間で除水する量が少なくても済みますね。
除水速度を低く抑えれると、
①透析中の血圧低下や下肢つりにも効果的
です。
透析中の血圧低下や下肢つりが未然に防ぐことができれば患者さんもQOL(生活の質)も保つことができていいですよね。
また、4時間以上の透析時間を確保することは
②予後にもいい
とされています。
更に、透析時間を延ばすことでなかなか抜けてくれない
③P(リン)の除去率も上がる
という報告もあります。
後はQBも上げることっでもP(リン)の除去率も上がるみたいですね。
また、細かいですが、血中にない細胞や組織に存在?している尿毒素達も
透析時間が4時間を超えるとどんどん血中に染み出して透析で取り除くことができるという報告もあります。
透析時間を延ばすデメリット
しかし、
透析時間を延ばすというのは、はっきり言って難しいです。
まず、患者さんを説得するのが非常に難しいです。
説明する側としても、患者さんの立場になって考えると、
4時間以上の透析は身体的にも精神的にも辛い
と思います。
デメリットはこれぐらいですかね。
1つしかなくてもかなりこのデメリットはかなり大きいと思います。
まとめ
・透析量を考えるうえで一番大事なことは「透析時間を延ばすこと」
・透析時間を延ばすことのメリット
①透析中の血圧低下や下肢つりにも効果的
②予後にもいい
③P(リン)の除去率も上がる
・透析時間を延ばすことのデメリット
4時間以上の透析は身体的にも精神的にも辛い
以上です。
とにかくより良い透析を受けるためには、「透析時間を延ばすことが大事ということ」を伝えたいのです。
Pに悩んでいる患者さんは聞く限り、結構多いと思います。
これを機会に透析時間を延ばすことを考えてみてはどうでしょうか?
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