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おい、外れスキルだと思われていた《チートコード操作》が化け物すぎるんだが。 〜実家を追放され、世間からも無能と蔑まれていたが、幼馴染の皇女からめちゃくちゃ溺愛されるうえにスローライフが楽しすぎる〜 作者:どまどま
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おい、強いってレベルじゃないだろ

 アルド家の屋敷からラスタール村までには、そこそこの距離がある。


 さっきは僕ひとりだけだったから、ものの数十分で到着できた。

 けれど――三人もの大人を抱えている現在においては、そうはいかず。

 いやおうでも、悪意のある気配を向けられてしまうのだった。


 これは……魔物の群れか。

 このまま駆け抜けることは難しそうだな。

 正面突破で戦うしかない。


 僕は構成員を地面に降ろすと、油断なき視線を近隣の草むらに向ける。


 ――と。


「アリオス様……サスガ、トンデモナイ気配察知力デスネ……」


 ウィーンが無機質な音声を響かせる。


 なんだろう。

 生物ではないから感情が伝わりにくいが、《呆れ》のニュアンスを感じるぞ。


 僕は一瞬だけウィーンを見やると、すぐに視線を戻す。


「……決まってるだろう。アルセウス救済党の構成員を抱えている以上、なにが起きるかわからないしな」


 最悪、構成員の仲間どもが襲ってくる可能性もなくはない。

 ま、そんな気配はどこにも感じないし、大丈夫だと思うけどね。


「……サスガハ剣聖様。ファルアス様ガ見込マレタ方デス」


「だから僕は剣聖じゃないって……」


 このやり取り、何度目だよ。


「……トモアレ、ココハアリオス様ノ眷属けんぞくタル私ガ出マス。アリオス様ハ下ガッテテクダサイマシ」


「そうか……まあ、頼めるならお願いしようか」


 古代兵器の強さは伝承に語り継がれているものの、ウィーンの戦闘力はまだわからないしな。ここは彼(?)の実力を確認しておきたい。


「チョット失敬」


 ウィーンは丁寧に二人の構成員を地面に横たえる。

 その際、意外に綺麗好きなのか、構成員の肩についた雑草をパッパッと払っている。鉄棒で。


「……サテ、イキマスカ。起動起動。戦闘モード」


 ウィーンがそう呟いた瞬間――彼の外見に変化が訪れた。


 丸っこく可愛らしかったボディは、見る見るうちに変貌を遂げ、さながら人のような体型となる。


 双眸そうぼうに該当する部分には紅のラインが施され、手に該当する部分には大穴が穿うがたれ。


 まさに戦闘モードと形容するにふさわしい外見へと変化した。


「フフ……イキマスヨ。カワイイ子猫チャンタチ」


 瞬間。


 ドドドドドドドドッ!!

 というすさまじい轟音とともに、ウィーンの両手から高速でなにかが吐き出された。


 ――あれは、金属製の弾か。

 しかも魔法で強化しているっぽいな。


 一発当たっただけでも痛そうな金属の弾を、ウィーンは超高速で何発も発射している。

 当然、音が馬鹿でかい。


「お、おい!?」


 いやいやいや。

 強いってレベルじゃないだろ。

 やりすぎだ。明らかに。


「フハハハハ!! 私ハ他ニモ変身ヲ残シテイルノデスヨ!! ソノ意味ガワカリマスカ!?」


 高らかに笑いながらド派手に攻撃するウィーンは、……うん。悪役にしか見えなかった。


 数秒後。

 完全に荒れ地と化してしまったその一帯に、生き残っている魔物は一匹もいなかった。


 まあ、気配の正体はホワイトウルフの群れだったんだけどな。

 Bランク冒険者でも苦戦する魔物を一瞬で蹴散らすとは……


 やばすぎるぞ。

 この古代兵器。


「フゥ、終ワリマシタ」

 胴体を謎に回転させながら呟くウィーン。

「アレ? ドウシマシタカ、アリオス様」


「……すまないが、今後は僕が認めたときだけ戦ってほしい。毎回毎回これをやられたら、事件になりかねないぞ……」


「アラ? ソウデスカ?」

 ウィーンが右手を顎(?)部分にあてがう。

「一応、私ハアリオス様ノ眷属デスカラネ。アリオス様ヨリハ強クナッテイナイハズデス」


「そ、そんなわけないだろ?」

 たしかに《チートコード操作》は強力だが、さすがにこれほどは……

「余計なお世辞はいらない。おまえは自分の強さを自覚しろ」


「……エッ」

 なんでそこで呆れてるんだ。

「ワ、ワカリマシタ。アリオス様ノ仰セノママニ」


 ウィーンはそこで体型を元に戻すと、再び二人の構成員を鉄棒に載せる。


「ツカヌコトヲ聞キマスガ、アリオス様、戦闘後ニ驚カレタリ呆レラレタリシタコトアリマセンカ?」


「ん? ああ……そういえば何度かあるな」


「……ソノ方々ノ驚キヨウガ目二浮カブヨウデスヨ……」


 なぜかため息っぽいものを吐き出すウィーンだった。

 

本作におきまして、書籍化&コミカライズが決定しました!

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