おい、強力すぎる味方がついたぞ
さて。
アルセウス救済党の構成員たちはひとまず無力化できた。
このまま謎の全貌を解き明かしたいところだが、それは
僕はただこいつらを追ってきただけ。
準備もなにもできていないからな。
とりあえず、無力化した三人をギルドで拘束しよう。その後はギルドマスターのアルトロに任せればいい。
……と言いたいところだが、大人が三人もいるもんなぁ。
連れて行けなくもないが、ちょっと面倒くさい。馬車でもあればかなり楽になるんだが。
さすがにこいつらを放っておくのも、あとで厄介事になりそうだからなぁ。
――いや、待てよ。
そうだ。
馬車ではないが、たしか先日、召喚能力を手に入れたばかりじゃないか。さすがにこの力はまだ使ったことがないが、駄目で元々、やってみるしかない。
というわけで。
僕は現在、
得体の知れない能力なだけに、慎重を期する必要があるだろう。
―――――――
使用可能なチートコード一覧
・攻撃力アップ(小)
・火属性魔法の全使用
・対象の体力の可視化
・対象の攻撃力書き換え(小)
・吸収
・無敵時間(極小)
・古代兵器召喚(一)
――――――
よし、使ってみるか。
――チートコード操作発動。
――古代兵器召喚(一)。
心中でそう唱えると、僕の近くの空間が、突如歪んだ。
といっても、それほど大きな歪みじゃない。
だいたい、僕の腰までの大きさだろうか。
「キキキキキキ……」
そしてその歪みが収まった頃には、およそ通常の生物とは思えない物体が出現していた。
一言で表すならば、金属の塊、となるだろうか。
灰色に染められた金属に、目のデザインと思わしき黒点が二つ。足はないが、なんと自力で進行する能力もあるようだ。
大きさは、だいたい僕の胸のあたりまでかな。
まさしくおとぎ話に登場する古代兵器である。
まあ、可愛らしい見た目とは裏腹に、戦闘面では馬鹿にならない力を持っている。
戦場において多くの逸話が語り継がれているほどだ。
「オヨビデショウカ? アリオス様」
ぎこちない言葉で訊ねてくる物体に、僕は苦笑とともに答える。
「……ちょっと手伝ってほしいことがあってね」
「ナンデモオッシャッテクダサイ。ナンデモイタシマス」
なんでも、か。
すごいな。
ただ召喚するだけじゃなく、使役までできるのか。
しかも能力名から察するに、また別の古代兵器を召喚できるようになる可能性があるよな。
「じゃあ、この三人を運んでくれないかな。気絶してるから、なるべく起こさないように」
「ショウチシマシタ」
ウィーーーーン、と。
古代兵器は左右に鉄棒を伸ばすと、器用にも構成員をひとりずつ乗せていく。
あとは僕が最後の構成員を背負えば問題ないだろう。
「はは……すごいな。助かるよ」
「イエ。アリオス様ノタメナラバ、ナンデモイタシマス」
そこまで言われると少々面映ゆいな。
だが、助かることに変わりはない。
「《モドレ》トイッテイタダケレバ、モトノ次元ニカエルコトモデキマス。ナンデモオッシャッテクダサイ」
なるほど。
元の次元というのはよくわからないが、とりあえず、任意のタイミングで召喚と撤退も命じられるわけだな。ますます便利だ。
となると、長い付き合いになることも想定しておく必要があるだろう。
「これからよろしく頼むよ。君のことは……なんて呼べばいいのかな?」
「ナンデモカマイマセン。《テツクズ》でも《カイライ》デモイイデスヨ」
「いや駄目だろ……」
仲間をそんなふうに呼べるわけがない。
「ディエス様ハ私メヲ《ウィーン》とヨンデクダサイマシタ。ソレダケハヨク覚エテオリマス」
ディエス……というのは女神ディエスのことか。
うーん。
おとぎ話においては、古代兵器が女神のもとで戦っていたことになっているが。
まさかこの古代兵器、本当におとぎ話の……
「ウィーンか。じゃ、僕もそう呼んでいいかな?」
「モチロンデゴザイマス。今後トモヨロシクオネガイシマス」
ウィーーン、と胴体を軽く震わせながら音声を発する古代兵器だった。
本作におきまして、書籍化&コミカライズが決定しました!
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