挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
おい、外れスキルだと思われていた《チートコード操作》が化け物すぎるんだが。 〜実家を追放され、世間からも無能と蔑まれていたが、幼馴染の皇女からめちゃくちゃ溺愛されるうえにスローライフが楽しすぎる〜 作者:どまどま
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
35/90

おい、手柄は俺のじゃないのかよ?

   ★


 一方その頃。ルーレ村付近では。


「はっはー!」

 Bランク冒険者――ユージェス・カルアは高らかな笑い声をあげていた。

「死ねゃあオラ! はっはー!」


 襲いかかるホワイトウルフたちを、剣の一太刀によって返り討ちにする。


「よっ! ユージェス様!」

「さすがです!!」


「はっはー、そんなでもねえよ?」


 しつこい連携で襲ってくるホワイトウルフの群れを、ユージェスはことごとく倒していった。


 おかげでそこそこの傷は負ってしまったが、善戦の甲斐あってか、ホワイトウルフの数は次第に減少。

 残り数匹だ。

 ここまで持ち込めばもう勝敗は決したも同然。群れていないホワイトウルフなど、低級の冒険者でも勝てる。


 最後の一振りでホワイトウルフを全滅させたユージェスは、「はん!」と鼻を鳴らす。


「口ほどにもねえ。ザコどもがよ」


 剣を振りながら威張るユージェスを、後輩の冒険者が持ち上げる。


「いやいや! ホワイトウルフは強敵ですよ! ユージェスさんが強すぎるんです!」


「あー。そうかなぁ。へっへっへ」


「そうですとも! あんな《外れスキル》のポンコツ剣士とは比べるまでもありません!」


「あー。あいつね。いたなぁ、そんな名前のポンコツ」


「いやー! なんたって剣聖様の息子のくせに《外れスキル》の所持者ですからね! ポンコツのなかのポンコツですよ!!」


「はっは。おめー、わかってるじゃねえか」


 と。

 カタッカタッカタッ……!


 馬のひづめの音が響きわたり、ユージェスたちはいっせいに振り向く。

 数台の馬車、そして大勢の冒険者たちだ。


「へっ、なんだ。いまさら加勢かよ」

 ユージェスはドヤ顔で鼻を伸ばすと、のっそりと冒険者たちに歩み寄っていく。

「遅えよおまえら。ホワイトウルフならとっくに――」


 だが、先頭に立つBランク冒険者にかけられた言葉は、ユージェスの想像だにしないものだった。


「そこをどけ! おまえなぞに用はない!!」


「え」


 Bランク冒険者はユージェスを素通りし、そのはるか後方にいた人物たちに声を張る。


「いた! いたぞ! ユウヤと……アリオスだ!」


「は? え? アリオス?」


 ユージェスの頭が真っ白になる。


 なんで。

 なんでだよ。

 なんであんなポンコツの名前が出てくるんだよ。


 ホワイトウルフを全滅させたのは俺だぞ。この俺様だぞ。

 あんなポンコツなんざ、どうでもいいだろうが……!


「皆さん! 来てくださいましたか!!」

 爽やかな声で挨拶するのは、あのポンコツ剣士――アリオス・マクバ。

「アリオス、聞いたぞ! アルセウス救済党のアジトを掴んだんだって?」


「はい。中には貴重な情報もありそうです。手分けして押収できませんか?」 


「よしきた! アリオス、すげー手柄じゃねえか!! しかもとんでもない宝石を手に入れたんだって?」


「いえいえ、とんでもないです。そんなことより、一刻も早くアジトへ!」


「おう! そうだな!」


 そんなやり取りの後、冒険者たちがいずこへと消えていく。さっきアリオスが走り去っていったのと同じ方向に。


「あ、あれ? 俺の手柄は……?」


 そう呟くユージェスに反応する者は、誰もいない。


 いや。

 いやいやいや。


 俺だってホワイトウルフを倒したんだぞ? 目立っていいはずだぞ?


「ま、日頃の行いのせいだな」


 同級の冒険者にぼそりと耳打ちされた。





 

【恐れ入りますが、下記をどうかお願い致します】


すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


あなたのそのポイントが、すごく、すごく励みになるんです(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


何卒、お願いします……!

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

感想を書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。