場所:桐生ガスプラザ2F
ご挨拶
二年ほど前から世界経済、日本経済の話をここでしてきました。人口減、勝ち組・負け組、東京一極集中、ネット社会進行というテーマで経営革新の方法、事業を伸ばす方法についても具体的に語ってきました。
今回は、こうした経営環境の変化をふまえた経営革新と東京進出についてお話します。東京進出については、約2年間かけての下準備が完了し、収益事業として成長しました。その成果を発表します。
どうしたら経営革新、東京進出ができるのか。
3つのポイントを把握します。客数増加。商品製品サービスの改良及び取り扱い点数の増加そして単価のアップです。
これを具体的に推し進める必要があります。私が東京で行動してきたことを伝えますので、自分の会社におきかえて考えてみてください。自社に似ている会社、モデル企業を選んで研究する。どのようにして客数増加をしているのか、徹底的に研究する必要があります。
会計事務所のモデルではTKCです。TKCとは、東証一部上場企業であり、職業会計人を組織化してシステムやノウハウを提供している会社です。
TKCは、毎月セミナーをしなさい、毎月巡回監査をしなさい、機械(会計システム)を販売して経営指導しなさい、と言っています。私は30年前から自分でもセミナーやっていますが、これで顧客が増えたことはありません。10万人の税理士が同じことをやっているとしたら、差別化ができません。他社を見習いつつ、独自性のあることをやることが業界トップになる条件といえます。
さて、経営革新ですが、まず自社の体力測定をしましょう。自社の特色を理解しましょう。私の特色は、正確な経営監査、税務申告が間違いなくできること。これは初歩的な事項で完璧にしています。うちに頼んで、税務署に負けるようなことは過去一度もありません。しかし、事後処理(税務・会計)だけならば高い報酬はいただけません。ここまでは、他の税理士でもできることだからです。
わたしの特徴は、みずから事業を作り上げ、経営することができるというものです。これが福田の特色であり、これまでに次々に事業展開をしてきました。
東京で行動すると経営のやり方に大きな変化がでてきたことが分かります。私は昨年の8月までスーパー経営していました。これは労働です。労務の提供では年収はせいぜい1千万円程度です。息子は大学卒業後すぐに公認会計士2次試験合格に合格し、監査法人に就職しましたが、2年目で年収は6百万円超。体を使うと、この程度が上限です。
東京では、自分の考えに賛同する人間を探してきました。
ホリエモン(逮捕されましたが)と同じで、時価総額をあげることはやはり重要です。やはり株式交換でのM&A等は東京ですすんでいます。そして、事業のなかに土地、建物、原油といった供給が限定されているものや高額な品を取扱うことが必要であることを実感しました。
その中で、私が目を付けたのが医療機器です。高額医療機器をどう扱い、どう展開するかを4人で相談し、東京で各250万円ずつ出資の会社を設立しました。そしてファンドを募集すると1ヶ月で20億円もの大金が集まりました。ベンチャーキャピタルの原資です。
この資金をさらに新規事業に投下します。その一つが医療機関の再生事業です。CTスキャン等を更新して経営革新とします。そこから莫大なゲインを得ます。経営コンサルタントとして入り、1社あたり年間5百万円を報酬として受け取ります。通常の会計事務所ではできないやり方で事業の拡大をはかっています。
皆様も他社の一番良いものをまねる。その上で、他社のやっていないことをやってみる。そうすれば、取り扱い点数と単価がアップします。
私の場合、事後処理(税務会計・月次決算)だけでは点数が増えません。そこに借入紹介、経営コンサルタント、ネット販売の紹介等々、売り物を増やしてきました。こうして事業の改善をはかります。
ただし、事業の特性を間違えると失敗です。会計事務所は1人の税理士で100社が限度。そこで新規20社が顧客となったら、良くない顧客を手放します。こうすることで優良顧客の比率があがり、単価が上がります。
もう一つ、私の新しい売り物として、上場支援があげられます。国内に上場するには最低2年半かかります。しかし、アメリカのナスダックに上場するノウハウをつかみました。証券会社、公認会計士、弁護士をパートナーとし、このグループで1年以内に上場させます。
経営革新と同時に客数の増加も重要です。まずホームページをつくりましょう。以前の講演でもお話ししたとおり、ネット社会が急速に進行してきています。もちろんホームページだけでは、なかなか成功しません。インターネット社会の利用とアナログとの組み合わせる必要があります。ネットで知り合ったら、会って心を通じ合わせる。これで仕事になるということを、この2年間で実感しました。
最近ではネットで知った飲食チェーンのベンチャー企業を指導しています。100円ダイニングというお店を神田と日本橋に出店。つい先日は駒込でジンギスカンの店も開店。日本橋では和食料理店の開店。4月には六本木にて、松阪牛の個室焼き肉も開店です。六本木では最低5万円のワインを置きます。これで最近自分で開始した米の卸売りが始まれば、コア事業となります。
ネットでの商談もホームページを見て、その後は会社を視察します。経営姿勢をみてから取引開始という手順です。ネットは万能ではなく、アナログと組み合わせることで新規事業・顧客とつなげることができます。
セミナーのレジュメに書いてあるような仕事を実際にしています。どの会社からも私にきてくれと依頼が多く、今では一週間の内地元4日東京3日という生活です。
この事業リストは、会員のみなさんも参加可能なものがあるかも知れません。事業一覧をみて、できそうな仕事があったら、連絡してください。皆様の会社が優良な製品、サービス特徴があるのかを厳格に審査します。これで企業を磨かなければ伸びることはできません。その上で、業務提携をしたいと思います。
経営のやり方、のばし方は、今申し上げたように3つの要素をおさえて一番良い方法を選ぶことにつきます。競合店なりモデルになる会社を研究し、負けないように是非がんばってください。
あと5分ほどで時間です。
この2年間、日米・欧州の後にBRICs諸国が伸びています。ブラジル、ロシア、インド、中国が世界経済を牽引している時代です。さらにニューイレブン(新しい経済振興国)という単語もあります。この会ができた2年半前から世界経済は急速な成長をしています。そうなれば、中国のバブル崩壊の影響も和らぎます。中国の高成長は、やはりひずみがあります。経済はつねに需要と供給からなりますので、一番良いのは緩やかな成長です。これがそろそろ歪みが出てくるのではないかと、昨年の講演で申し上げたとおりです。
経済と株価は同調しています。2年半前に7千円台の日経平均が今では1万7千円を伺う勢いです。2倍ですから、今は高値圏といえます。財産すべてをかけて投資するのは、要注意といえます。
理屈では説明できませんが、今年は破壊的なことが起きる気がします。株価も上り詰めています。それがライブドア事件、大雪、あるいは地震なのかも知れません。危険なことがおきる予感があります。経営者の方々には、危機管理も考えて経営していただきたいと思います。
以上で私の話を終えます。次は、日本耐震防災事業団の小口理事長の講演となります。