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(白石)地獄だよ 戦場は。
心 殺さないとやってらんねえ。
(武田)話になりませんな。あなたは 根本が理解できていない。
(智彦)もう一度だけ 村野さんの歌詞を拝見するとのことです。
(裕一)せっかくチャンスもらったんだからさもう一度書いてみようよ。(鉄男)もういいって。
俺はクビになったんだ。そ… そんなことないよ。
あの仕事は俺には向いてなかったんだよ。大将 聞いて。
とにかく もう関わる気ねえから。
大将も いろいろ悩んじゃってさ本領を発揮できてないだけだから…。
(音)6回も没になったら自信なくしちゃうのも無理ないと思うけど。
何かな~ きっかけがあればいいんだけど。
うん…。
そっか…。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
(恵)えっ? 裕一さん 福島に行ったの?
(保)鉄男君と2人で?
はい。 田舎に帰れば鉄男さんの気分も少しは変わるんじゃないかって。
あ~ いいかもね。
分かるな~原点に返りたくなる時ってあるよね。
あるの?あるさ。
長く生きてると 時々 ふっと人生を見つめ直したくなることって誰にでもさ…。
鉄男さん 元気になるといいわね。そうですね。
僕の原点は やっぱり本の匂いかな。
本屋で 紙の匂いを嗅ぐと何とも言えない…。
福島三羽ガラスの曲私たちも聴きたいもんね。
はい。 裕一さんたちの夢なので。うん。
夢なので。
本当に世話になっていいのか?もちろん。 好きなだけ泊まってって。
ただいま~!お邪魔します!
さあ 入って入って。
ほら 大将 上がって。
(久志)どうぞ。いや~ うれしい!
見で!私も頂けっかしら?
もちろんです。久志?
何で? ちょっと…。(まさ)裕一。
あっ!お帰り。母さん。
ちょ… ねえ 何で? 何で 何で 何で?
歌手の方まで来てくれて皆さん 大喜びよ。う… うん…。
「露営の歌」大好きなの!レコードも買ったのよ。
本当ですか。 うれしいな。
実物も いいお声だわ~!
(せきばらい)ありがとうございます。
あっ…。
あ~ 裕ちゃん 久しぶり!あ~ どうも ご無沙汰してます。
歌手の佐藤さん いたもんでびっくりだわい。あ~ それはそれは…。
ちょちょ… ねえ 何してんの? 何で?
僕だって 三羽ガラスの一員だからね。
仲間外れにしようったってそうはいかない。
これ つまらないものですが。
どら焼き? すみません わざわざ。
ここのどら焼きあんこが とってもおいしいんです。
お父さんにお供えしなきゃ。そうだね フフッ。
(まさ)うちのお父さんねお酒も大好きだったけどあんこも大好物だったの。
早速 開けさせて頂くわね。ちっと待ってて。うん。
(浩二)ただいま~。浩二だ! 浩二 ただいま!
兄ちゃん お帰り。
弟の浩二。どうも。
どうも。お邪魔してます。
今ね 市役所でりんご栽培の支援してんの。どう? 最近。
あ~ なんとか 一歩ずつ進んでる。
そっか。うん。 あっ それにしても兄さんの方も いがったな。うん?
「露営の歌」。ああ… ありがとう。
近所から 兄さん町の誇りだって言われて。えっ!
(浩二)母さんも喜んでる。ハハハ…。
そうだ そうだ…これ よかったら皆さんで。
あ~ わざわざ どうも。よくできた弟さんだ。
ありがとう。じゃあ 僕は これで。
えっ!? もう行くの?あ~ 今から生産組合の集まりなんだ。
そっか。じゃあ ごゆっくり。(久志)また。
気ぃ付けて。
「露営の歌」 人気すげえな。2人とも福島の星だな。
母さんも浩二も大げさだったよ。
お母さんも弟さんも いい人だ。いい家族だな。
まあ 顔 見っと ほっとするよね。
久志は? 実家は戻んなくていいのか?
実は ちょくちょくこっち戻ってきてんだ。
へえ…。父さんも年取って あちこちガタが来てて心配でね。
そうか… 家族がいっと心配事が増えるもんなんだな。
・(まさ)裕一 いらしたわよ。
大将 立って。 久志。何?
いいから いいから… 下 行こう。行こう 行こう。
お客さん お客さん。えっ?
えっ?藤堂先生!
(藤堂)よう みんな。 元気そうだな。
(昌子)裕一君 お久しぶり!昌子さん お久しぶりです。
どうしてもね 藤堂先生に会いたくて遊びに来て下さいって誘ったの!
今夜は宴会ね!うん!
よし… よいしょ。
ありがとね。 助かった。お安い御用です。 よいしょ。
久しぶりに大勢集まって うれしいわ。
裕一にも こんなにいいお友達いたのね。
裕一君といると ほっとするんです。
僕たちの癒やしです。
癒やし? フフッ。
東京でも みんなで助け合ってるんでどうぞ ご心配なく。
ありがとう。 これからもよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
上から下ろして 左に…。(憲太)出来た!
そう 出来た 出来た。フフフフ…。
憲太君 5歳ですか。 大きくなりましたね。
うそみたいよね~ 私たちが親になってるなんて。本当ですよ。
懐かしいわね。 銀行いた頃。
ダンスホールの事件とかいろいろあったよね。ハハハ…。
ありましたね。
あっ 上手!う~ん!
出来た!アハハハ…。
あのころから ずっと… もっと前から裕一君のそばには音楽があったのよね。
まあ 本当に 小学生の時に藤堂先生がハーモニカ薦めてくれなかったら僕の人生全然違うもんになってたと思います。
そうね…。
私も 子どもに音楽教えてるあの人が一番好きなんだけどね。
先生… すみませんでした。
ずっと謝んなくちゃと思ってました。
先生が紹介してくれた新聞社相談もせずに辞めてしまって。
ああ… そんなの気にするな。
好きなことをやればいいんだ。
こんな自分が 道 踏み外さずなんとか生きてこられたのも先生のおかげです。
…で どうした?えっ?
いや 何か…話を聞いてやってほしいって 古山が。
そういうことか…。
まあ別に話さなくてもいい。こうして会えただけで俺はうれしいよ。
陸軍から受けた仕事で… 6回連続不採用。
あげくの果てにクビになりました。
そりゃ… しんどいな。
裕一は 諦めず 一緒にやろうって言ってくれてますけど…。
愛馬精神とか戦意高揚って言われてもどうしても気持ち乗せらんなくて。
出征? 先生が どうして?
実は あの人 予備役将校なのよ。戦地に行かれるんですか?
恐らく そうだろうって。
だから あの人今日をすごく楽しみにしてたの。
ありがとね 裕一君。いや… いやいや。
俺さ… 「福島行進曲」 好きなんだよ。
ありがとうございます。
あれって たった一人のことを思って自分の気持ちをつづった歌だろ?
はい そうです。
誰か一人に向けて書かれた曲って不思議と多くの人の心に刺さるもんだよな。
ああ…。
今度は… 俺のことを思って書いてみてくれないか?
実は… 出征することになったんだ。
えっ?
うちの父は軍人でね若い時には反発していたが自分も親になってみて 親父の気持ちが分かるようになった。
お国のために立派に役目を果たしてくるよ。
歌って心の支えになるだろ?
誰にでも自分にとって大切な曲があるもんだ。
はい。
もし 村野と古山が作った曲と共に行けたらこんなに心強いことはない。
はい。
お母さん… お母さんの煮物 最高でした。
あのおだしの風味が一流の料亭にも負けない品があります。
そうかしら? 適当なんだけど。アハハ…。
久志君って子どもの時から こんなだったの?
ああ。 こんなだったね。「こんなだったね」って何ですか。
あっ その つまり…独自の世界を持ってたってことだ。
フフフ…。
古山は 気弱なとこもあるけど根っこは頑固で 思い込んだら一直線。
(まさ)さすが先生! よく見てらっしゃるわ。
村野は 学校一のガキ大将だった。(昌子)分かる。 けんか強そう。
でも本当は すごく繊細でな…。
みんなとは 楽しい思い出ばっかりだ。
本当に幸せな教師生活だったよ。
フッ… いや そんな先生やめるみたいな言い方しないで下さいよ。 ねえ?
先生ほど教師が向いてる人はいないのにね。
先生には いろんなこと教えてもらった。
ああ…。
僕は… 歌う楽しさを教わった。
俺は 詩 諦めんなって背中押してもらった。
僕は 得意なもんを見つけてもらった。