きょうも大内裕和中京大教授による盗用問題の続報をお伝えしたい。2014年4月に東京大学内で開催した講演「日本学生支援機構の奨学金の真実 ~教育格差はなくせるか~」(主催:日本民主青年同盟東大駒場班)の記録がインターネットで公開されている。
http://minseikomabahongo.web.fc2.com/14koen.html
それを読むと、この講演でも大内氏は、私(三宅)が『選択』2012年4月号に書いた記事の内容と酷似する内容を、いっさいの引用元や参考文献の説明なく、あたかも独自に調査して得た成果であるかのように若者たちに向かって話したことがわかる。
◆講演「日本学生支援機構の奨学金の真実 ~教育格差はなくせるか~」(2014年4月)の記録にある大内氏の発言内容(該当部分)
2010年度の利息収入は232億円で、延滞金収入は37億円ですけど、これらの金は経常収益に計上されて、原資とは無関係のところに行くんです。
2010年度期末で⺠間銀行からの貸付残高は大体1兆円で、年間の利払いは23億円です。債権回収は、同年度約5万5000件を日立キャピタル債権回収など2社に委託していて、16億7000 万円を回収していて、そのうち1億400万円が手数料として支払われています。
私が書いた元記事はこうだ。
◆元記事 『選択』(2012年4月号)三宅記事
原資の確保であれば元本の回収がなにより重要だ。ところが、日本育英会から独立行政法人に移行した〇四年以降、回収金はまず延滞金と利息に充当するという方針を頑なに実行している。一〇年度の利息収入は二百三十二億円、延滞金収入は三十七億円に達する。これらの金は経常収益に計上され、原資とは無関係のところへ消えている。この金の行き先のひとつが銀行であり、債権管理回収業者(サービサー)だ。一〇年度期末で民間銀行からの貸付残高はざっと一兆円。年間の利払いは二十三億円。また、サービサーについては、同年度で約五万五千件を日立キャピタル債権回収など二社に委託し、十六億七千万円を回収、そのうち一億四百万円が手数料として払われている。
(101頁3段目13行目〜4段目4行目)
手数料の金額を「1億400万円」と「約」をつけずに言っているところは「正しく」盗んでいるので、ほめて差し上げてもよいかもしれない。