「たいちゃんと会えて幸せだけどつらくなってきた
あの人が待っている家に帰って行くの、たいちゃんは本当に嫌?
子供が居るから楽しみに帰ってるよね?
あの人と同じトイレを使って、
あの人が入った湯船に浸かって、
あの人の料理を食べるなんて
考えていたら耐えられなくなってきたよ
夕飯美味しかった?」
「あの人の料理は子供に合わせているし普通だよ。たいしたことない。
子供は可愛い。けどそれと離婚は別だから。
湯船は、入らないようにするよ。」
「普通?…美味しいんだね
もういやだ」湯船入らないとか無理じゃん
「ほんとに湯船には入らないから。帰ったら話もせずにサッと飯食って寝てるから。子供の手前、自分で作ることは出来ないから辛抱して欲しい。」
「そこに住まなきゃならないの?…
最近眠れなくなってきたよ」
「来月の土日で旅行に行こうか。娘を預けられる?どこ行きたいか考えといて。」
「あの人と行った場所、すべてに行きたい
!あの人との思い出の場所、私で上塗りして!」
料理は義母が苦手だったらしく、結婚してからは毎日のご飯を楽しみに喜んでくれていました。
多めに作って!これ父さんに食わせたいわ
なんて言っていたのに。
再会するまでは時間が合えば一緒に湯船に浸かる事もあったのに。
たいじが優しく対応するうち、
花さんの不満はエスカレートしていきます。
「おはよう」
「やっと連絡きたな。昨日はどうした?体調が悪かった?」
「たいちゃんが自宅に居る間はラインしないって決めたの」
「あぁ。大丈夫だよ。いつも布団に入ってからだから、ゆっくりラインしながら寝よう。」
「いやだ。」
「なんでだよ」
ずっと いやだ なんで が続き、通話になっている
違う日は
「ご飯の写真送って」
「俺が飯の写真撮っていたらおかしいだろ」
「あの人がいや」
「分かってる。」
「送って。」
「**で、無茶ばかり言ったお仕置きな」
「やだ!私がゆっくりお仕置きする!じらしてやる
」
毎回お気に入りの同じ**ホテルのようで
次は**でビールサーバーの部屋に
とか
**で食べよう
などの会話にもっていくと花さんの機嫌が直ります。
それを知っていてうまく話を逸らしている たいじ。
結局 夕飯の写メは送っていました
よく食べられたね…嫌いな嫁のご飯。
だんだん帰りも遅くなり4人では食べなくなったたいじに、
タイミングに合わせて子供とは別に出来たて出してたのにね。
おかず少なめに写してるけど、他のもあったよね。
おかわりガッツリしてたよね。
この頃、たいじに気を遣い、息子の中学受験にもかかりきりの私は娘の異変に気付いていませんでした
「運動会どうだった?…」
「頑張ってたよ。まぁ、運動会に行くのも小学生のうちだし。」
「あの人の両親も来てたの?」
「来てたけど出番が多い午前中に来てサッと帰った」
「不仲を知ってるから?」
「いや、何も知らない。いつも午前中には帰るんだよね。たぶんうちの親に気を遣って弁当の時間までには帰るようにしてんだろうな。」
「そか。。両家とも何も知らないから何も話が進まないんじゃないかな…」
「下手に話すと反対しかねないし
嫁が離婚を受け入れてから事後報告と考えていた。」
「何も変わらないじゃん」
「いや、嫁は諦めてきてる感じなんだよね。作り笑いをやめて。と言ったら、しなくなったし」
「笑いかけられてたんだ」
「いや、挨拶の時な。」
「さいあく」
そう。いつか、
「作り笑顔要らないから」と言われ
胸がぎゅっとなりました。
ほぼ会話がなくなっていましたが、
行ってらっしゃい。
おかえりなさい。
ご飯できたよ。
など最低限の挨拶の時は
笑顔で接しました。
私の顔、情けない顔だっただろうし
まさに作り笑顔は気持ち悪かったのでしょう。