英語でのコミュニケーションの基本表現―Part 2―

英語でのコミュニケーションの基本表現―Part 2―

12. 言葉に詰まったときに役立つ表現

英語で会話をしているとき、英会話レッスンで話をしているときに言葉に詰まってしまうことがあります。

スラスラと自分の言いたいことが口から出てくればよいのですが、いつも詰まらずに話せるとは限りません。

かといって、会話の途中でいきなり沈黙してしまうと、相手も戸惑ってしまいます。

それは日本語でも同じです。

話の途中で言葉が見つからずに、「えーっと」「ほら」「あのー」といったつなぎ言葉をはさむことがあります。

英語で話していてそんなときに役立つ、ちょっとした間をつなぐ単語や表現を紹介しましょう。

文はとっさに出てこなくても、相手は「話を続けたくて、何を言えばよいか表現を探しているんだな」とわかってくれます。

um/er/erm/well/let me see/let’s see

英語にも日本語のつなぎ言葉と同じ働きをする音や表現があります。

場面や状況に応じて使い分けることができると、とても便利です。

英英辞典の定義も合わせて見てみましょう。

um:used in writing to represent the sound that people make when they are pausing or deciding what to say next(人々が言葉に詰まったり次に何を言うか決めているときに、口から出す音を文字にしたもの)

er (erm) :the sound that people often make when they pause in the middle of what they are saying or pause before they speak, often because they are deciding what to say(何かを言っている途中あるいは言葉を発する前に間を置いたときに何を言うか決めながら口から発する音)

well:used to introduce something you are going to say, often to show surprise, doubt, slight disagreement, or anger, or to continue a story(驚き、疑い、ちょっとした反対意見、怒りを示して、これから言うことへの導入として、あるいは話を続けるために使われる)

let me see/let’s see:used when you want to think carefully about something or are trying to remember(何かについて慎重に考えたいとき、何かを思い出そうとしているときに使われる)

どれも簡単なものばかりですが、いざとなるとなかなか口から出てこなかったりします。

「えーっと」と日本語で言いそうになったら、これらを思い出してください。

ワンクッション入れる表現

次に、言葉に詰まったり、言い直そうとするときにワンクッション入れる表現を紹介します。

・I mean(つまり、その)

自分で言ったことに補足をしたり、言い直したりするときによく使います。

I really like him, I mean, as a friend.(彼のことがとても好きです、つまり、友人としてね)のように文の途中にはさむことが多いですが、文末に置くこともあります。

・You know(ほら、あの)

話している途中で言葉が出てこなかったり、言いたいことがうまく言えないときなどによく使います。

I went to the new bar by the beach, you know,…the Shed Bar.(浜辺の新しいバーに行ったんだ、ほら、シェド・バーに)

という感じで途中にはさみます。

・What I’m trying to say is…(つまり私が言おうとしているのは)

これはI meanに似ていますが、自分が言ったことをまとめて言い直すときに使います

頭の中で要点を整理しながら少し時間をかせぐときに便利です。

・I don’t know what to say.(何と言ったらよいのかわかりません)

英語でうまく表現できないときは「わからない」と言ってしまうのも手です。

このセリフの後にbut…と続けて単語の羅列でもいいので一生懸命伝えようとすると相手も推測して「こういうこと?」とシンプルな英語で逆に尋ねてくれたりします。

沈黙せずに、言葉をつないでいく

英語で話していて言葉に詰まったときには、沈黙したり、日本語で間をつなぐのではなく、これらの英語のつなぎ言葉を使うようにしましょう。

そうすれば、相手はきちんと聞いてくれます。

沈黙するのではなく、何かを伝えようと言葉をつないでいくことは最初は難しいのですが、会話力をつけるためには大切です。

13. 聞き返す表現

英語で会話をしていて、相手が言ったことが聞き取れないことが必ずあります。

特に相手がネイティブだと早口だったり、知らない単語があったりして、会話のところどころで「?」となってしまうこともあるでしょう。

そんなときはどうしますか?

聞き返しますか?それとも、なんとなくスルーしますか?

わからなければ聞き返す

話を止めてわざわざ聞き返すのも悪いからと、適当に流すのはやめましょう。

後になればなるほど聞き返しにくくなってしまいます。

日本語の会話でも同じですね。

英語が外国語である以上、わからないのは仕方がありません。

私の経験では、「自分の英語をわかってくれるかな」と気にかけながら話してくれるネイティブにはほとんどあったことがありません。

しかし、日常の会話であれば、「英語があまり得意じゃないから、わからなくてごめん」と言えば、相手はわかりやすいように話してくれるはずです

逆に、わからないと言わないと、わからないことをわかってもらえません。

聞き返す表現

では、どうやって聞き返したらよいのでしょうか。

「もう一度言ってもらえますか?」を英語にしてみましょう。

私が日常的によく耳にするのはこんな表現です。

・Pardon?
・(I’m) sorry?
・Excuse me?
・Could you say that again?
・Come again?

どれも語尾を上げる感じで発音します。

Pardon?はI beg your pardon?を短くした言い方ですが、日常会話では私はPardon?を圧倒的によく耳にします。

初対面の人にも年上の人にも使えるので、いちばん無難な聞き返し方かもしれません。

アメリカ英語ではPardon?よりもPardon me?の方がよく使われるようですね

他には、かなりカジュアルですが、

・What’s that?
・What was that?

もあります。

こちらは相手によっては失礼になることもあるので、あまりお勧めはしません。

「もう一度言ってください」ではなく「すみません、聞き取れませんでした」と言っても、相手はもう一度言ってくれます。

そんな場合には、

・Sorry. I didn’t catch that.
・Sorry. I didn’t catch what you said.

と言えばOKです。

たまにEh?(えっ?)やHuh?(何?)と聞き返す人もいますが、相手からすると「何か悪いこと言った?」と不安になってしまうほど強く響くので、こちらもお勧めしません。

何度も聞き返すのは気が引ける…

一度聞き返しても、それでも聞き取れないことがあると思います。

そんなときはどうするか。

もう一回くらいはPardon?と聞き返せても、それ以上は聞き返しにくいという気持ちはとてもよくわかります。

そんなときには、ちょっと言い方を変えるだけで、相手をうんざりさせなくてすむ方法があります。

それについては次の項で説明します。

14. 部分的に聞き返す表現

相手が言うことを聞き取れなかったときにどんな表現を使って聞き返すか。

ここでは一歩進んで、聞き返してもやっぱり聞き取れなかったとき、相手をうんざりさせずにもう一度聞き返す方法を紹介します。

Pardon?/Sorry?を使わない

とてもよく使われると紹介しておいて矛盾するようですが、Pardon?/Sorry?を使うのをやめてみましょう。

Pardon?/Sorry?は「もう一度言ってもらえますか?」という意味です。

この表現を使うことは、もう一度同じことを言ってもらわなければならないという負い目を感じることにもなります。

何度も聞き返すのは気が引ける…原因になってしまいますね。

そんなときには、全文を繰り返してもらわなくてすむような尋ね方をすればよいのです。

聞き取れなかった部分だけを聞き返す

相手の言うことが聞き取れなかったという場合も、全部が全部まったく聞き取れないということはそれほどないはずです。

ですから、聞き取れたところは除いて、聞き取れなかった部分だけを聞き返せばよいのです

例えば、相手がI went to…restaurant with Catherine last week, and we ate frog legs!(先週キャサリンと…レストランに行って、カエルの脚を食べた!)と言ったとして、部分的な聞き返し方を考えましょう。

次のように聞き取れなかったところだけを聞き返します。

・Iだけ聞き取れて、その後が聞き取れなかった
⇒You did what?(何をしたの?)
・I went toまで聞き取れて、その後が聞き取れなかった
⇒You went where?(どこに行ったの?)
・誰と言ったか聞き取れなかった
⇒(You went) with who?
・いつ行ったのか聞き取れなかった
⇒You went when?
・何を食べたか聞き取れなかった
⇒You ate what?(何を食べたの?)

このように、聞き取れなかった部分をピンポイントで聞き返すことで、相手も同じことを最初から言い直す必要がなくなって、会話がスムーズに運びます。

名前の聞き返し方

人の名前が聞き取れないことは、本当によくあります。

日本人にとって、外国人の名前ほど厄介なものはないと言ってもよいくらいです。

外国ではわりとよくある名前でも、早口で言われたらもうだめです。

でも、そんなときもきちんと聞き返しましょう。

英語ではThank you, John.やHi, Kate!のように、会話の中にどんどん相手の名前を入れるのが基本なので、最初に聞き逃したら後は聞き返しにくくなるばかりです。

相手の名前を聞き取れない場合は、「お名前はどうつづりますか」とスペルを尋ねるのがよい方法です。

その場合は、

・How do you spell your name?
・Could you spell your name?
・How do you spell that?
・Can you spell that for me?

などをよく使います。

名前を覚えようとしてくれている、と相手も好感を持ってくれるでしょう。

逆に、外国の人にとっては日本人の名前も厄介です。

私もほとんどの場合、How do you spell that?と聞かれるので、聞き返すことを恥ずかしがる必要はありません。

15. 話を切り上げる表現

人と話していて、会話を切り上げたいときにどうしていますか?

うまく切り上げられることもあれば、なかなか言い出せなくてズルズル長引いてしまったり…ということもあると思います。

それが英語での会話となれば、ますますハードルが高く感じてしまうかもしれません。

話を終わらせたいときのフレーズやポイントをいくつか紹介します。

会話を楽しむ文化

海外で生活するようになってから、私は接客の仕事が長かったのですが、一番楽しかったのはお客と話をする時間です。

日本の接客スタイルとは違って、海外では店員さんとお客がフレンドリーに会話するのはごく普通のことです。

それほど忙しくなければ、ずっと話しているということもあります。

ビジネスの面でそれがよいかどうかはまた別の話ですけれど。

お客も「店員さんの仕事を邪魔しちゃいけない…」と気遣うことなく、多くの人が会話を楽しんでいます。

「そろそろ行かなくては」

私自身が仕事中にお客と話したり、逆に客として店員さんと話していて感じたのは、会話を始めるのもうまいけれど、話の切り上げ方もうまい人が多いということでした。

会話を切り上げるときの定番は「そろそろ行かなくては」という表現です。

私がよく耳にするのは、

I have to go.

です。

Sorry,…(申し訳ないですけど…)を前に付けてもよいでしょう。

他にもいくつかフレーズがあります。

・I have to go now.
・I gotta go now.
・I’ve got to get going.
・I gotta get going.
・I should get going.
・I should head off.
・I’d better get going.
・I’d better go.

gottaはhave got to(~しなくてはならない)を省略したカジュアルな言い方です。

どの表現も、話が途切れたときに時計を見たりしながらさりげなく言う感じにすると自然ですが、まずWell,…(さて…)と切り出したり、It’s getting late.(遅くなってきたね)などと前置きすることで、さらに自然に響きます。

会話の切れ目に

・OK then.(さて、それでは)
・I’m off then.(それでは行きますね)

という表現も個人的にはよく耳にするように思います。

It was nice talking to you.と続ける

これらのフレーズで行かなければならないということは伝えられますが、そっけなく響く可能性もあります。

私が感じるのは、これらのフレーズの後に続ける一言が大事だということです。

特に初対面の人と楽しく会話したときにはなおさらです。

よく耳にするのは、

It was nice talking to you.(お話しできてよかったです)

です。

たとえお決まりのフレーズだとしても、こう言われるとうれしいもので、印象が違うように感じます。

あるいは、

Well, I enjoyed talking with you.(さて、お話できて楽しかったです)

なども言われてうれしい言葉だと思います。

普段からよく会っている友達には、

・See you.(またね)
・See you later.(またね)
・See you tomorrow.(また明日ね)

などの方が自然かもしれませんが、そうでない場合には「お話できてよかった」と言うのが素敵な締めの言葉でしょう。

電話ではI’d better let you go.

話を切り上げる必要があるのは対面の会話だけとは限りません。

電話で話していて「そろそろ切りたい…」という場合には

I’d better let you go.(そろそろ切りますね)

もよく耳にします。

let you go(あなたを解放してあげる)という言い方がいかにも英語らしいですね。

私が職場でお客と話していて別のお客が来てしまったときに、I’d better let you go.とお客の方から会話を終わらせてくれたこともありました。

16. メール・レターの敬辞の書き方

ビジネスメールやレターで「~様」と相手の名前を最初に書きます。

英語ではDear…(親愛なる~様)がまず頭に浮かびますね。

では、Dearに続く部分はどう書きますか?

ビジネスでは特に気を付けたい部分なので、今回は間違えて使ってしまうことも多いDearの使い方を復習しましょう。

最も一般的なDear…,

メール・レターの書き出しのDear…,やTo whom it may concern,(関係各位)は英語ではsalutation(冒頭敬辞)と呼ばれていて、これは誰に宛てた文章であるかを示します。

Dear…,は「親愛なる~様」と訳すと、友人や親しい人に対して使う気がしますが、フォーマルなビジネスレターも、必ずと言ってよいほどDear…,で始まります。

メールはレターよりもカジュアルなので、Dear…,で始まるものはグッと少なくなりますが、それでも相手に与える印象を考えて、面識のない相手にはDear…,で書き始めるのが好まれるようです(インフォーマルなメールではHi,が主流です)。

Dearで始める敬辞には4つのルールがあります。

Dear+敬称+姓+コンマ

まず、最もフォーマルなDearの使い方から。

Mike Watsonさんという男性に宛てる場合はこうなります。

Dear Mr. Watson, ⇒Dear+敬称+姓+コンマ

MrやMsなどの敬称の後には姓(last/family name, surname)だけを続けます。

ここで注意したいのは敬称です(ピリオドなしはイギリス英語)。

・男性:Mr/Mr.
・女性:Ms/Ms.もしくはMrs/Mrs.とMiss
・特定の敬称:De/Dr.やProfessor/Prof.など

相手が博士号保有者や医師、教授などDrやProfessorの場合には必ずそのタイトルを使います。

無視してMrやMsとするのは失礼と受け取られることもあるので注意します。

Dear+フルネーム+コンマ

性別が名前からはわからない場合には、想像で敬称を付けるよりも省略する方が無難です。

Dear Jessie Watson, ⇒Dear+フルネーム+コンマ

のようになります。

名前はフルネーム(名+姓)で書くことがポイントです。

Dear Watson,のように姓だけを続けることはありません。

英語では、敬称なしで姓だけを呼ぶことはほとんどありません。

Dear+名+コンマ

Dearは面識のある相手に使うこともあります。

その場合は、

Dear Mike, ⇒Dear+名+コンマ

のようになります。

Hiほどにはカジュアルではなく、フォーマルながらも親しみがある印象です。

Dear Mr. Mike,のように敬称に名だけを続けるのは誤りです。

相手の個人名がわからない場合

相手と面識がなくて個人名もわからないが、担当者や担当部署に宛ててメールやレターを送らなければならないこともあります。

担当者の名前はできる限り事前に調べることが大前提になりますが、どうしてもわからない場合の敬辞の書き方は次のようになります。

[個人宛て]
・相手が男性とわかっている⇒Dear Sir,
・相手が女性とわかっている⇒Dear Madam,
・相手の名前も性別もわからない⇒Dear Sir or Madam,
[個人宛てでない]
・担当者の係宛て⇒Dear+役職名,
・顧客宛て⇒Dear valued customer,
・部署宛て⇒Dear+部署名,
・部署を特定しない⇒To whom it may concern,

Dear Sir or Madam,やTo whom it may concern,は一見便利そうですが、誰に宛てたものかわかりにくいので、できるだけ避けるのがよいとされています。

17. メール・レターの結びの言葉

メールなどのコミュニケーションツールが発達して外国との距離も縮まり、英語でメールやビジネスレターを書くことも少なくないと思います。

メッセージの内容はさておき、最後をどのような結びの言葉で縮めるか迷ったことはありませんか?

私は最近はお客とメールでやり取りする機会も多くなり、どのような結びの言葉をどのような感じで使うのかがわかるようになりました。

レターはYours sincerely/faithfully,

ビジネスレターなどのフォーマルな手紙では、少しだけ形式が決まっています。

Dear Mr/Ms…(~様)のように個人名で始める場合、最後はYours sincerely,(敬具)で結ぶことが多く、Dear Sir or Madam,/To whom it may concern,(ご担当者様)のように、個人を特定しない場合や個人名がわからない場合にはYours faithfully,(敬具)で結ぶのが正しいとされています。

[特定の個人名宛ての場合]
・Dear Mr/Ms…, ⇒Yours sincerely,
[特定の個人名宛てでない場合]
・Dear Sir/Madam, ⇒Yours faithfully,
・To whom it may concern, ⇒Yours faithfully,

なお、アメリカではSincerely yours,(敬具)やSincerely,(敬具)がよく用いられ、Yours faithfully,はあまり使わないようです。

これらの結びの言葉の下に1行あけて、自分の名前をフルネームで書きましょう。

ビジネスメールはKind regards,

メールの場合は、レターほどかたい表現で結ぶ必要はありません。

(カジュアルすぎない)ビジネスメールなどでよく使われる「敬具」を意味する結びの言葉は、

・Kind regards,
・Warm regards,
・Best regards,
・Regards,
・Best wishes,

などです。

これらはそれぞれに個別の意味があるわけではなく、定型として使われるものですから、どれを使ってもよいでしょう

個人の好みに左右される部分が多いので、どれが正しいか神経質になる必要はありません。

個人的な印象から言うと、先方から初めて届くメールにはKind regards,が使われていることが多いようです。

そして、メールのやりとりが続くうちに、

・Regards,
・Thanks,
・Cheers,

などと簡単になっていき、ついには結びの言葉はなくなることも珍しくありません。

カジュアルメールはCheers,

友達へのメール、ビジネス以外で送るカジュアルメールの結びの言葉は、上で紹介したものだと堅苦しい感じがします。

カジュアルメールの場合は結びの言葉を入れなくてもよいのですが、入れた方が感じがよいと思うので私は入れるようにしています。

私が実際に使っている表現、よく見かける表現を挙げてみると、

・Cheers,
・Thank you,
・Thanks,
・Take care,
・See you soon,
・Keep warm,
・Have a good week!
・Have a great weekend!

のようになります。

定番のCheers,(じゃ、またね)の他に、相手を気遣うTake care,(気をつけてね)や寒い季節にはKeep warm,(暖かくしてね)もとてもよく見かけます。

さらに、週の初めならHave a good week!(よい1週間を)、週末ならHave a great weekend!(楽しい週末を)なども便利な表現です。

なお、ここまで「メール」と書いてきましたが、英語を書いたり話すときはきちんとemailという単語を使うことをお勧めします。

英語でmailは「郵便」という意味です。

emailを意味する場合もありますが、誤解を避けるためにはきちんと使い分ける方が無難です。

18. 「返事が遅くなってすみません」と書く表現

あなたはメールの返信が早い方ですか?

すぐに返事をしなくてはと思いつつ、忙しいスケジュールに追われて返信が遅くなってしまうことは私にも経験があります。

特に英語のメールの場合は、後でゆっくり返信しようと思っていると、どんどん遅くなってしまったり…

日本語なら「返事が遅くなってすみません(ごめんね)」と書けばすむわけですが、英語では何と書けばよいでしょうか。

形容詞late/delayedを使う

まずは「すみません、ごめんなさい」という謝罪ですから、I’m sorry for…(~を申し訳ありません)という表現が思い浮かぶと思います。

この後に「遅い返事」という名詞を続けるのが一番簡単です。

「遅い」は形容詞late、「返事」は名詞replyですね。

そう、「返事が遅くなってすみません」は、

・(I’m) sorry for the late reply.
・Sorry for my late reply.

です。

後にI just saw your message.を続けると「返事が遅くなってごめんなさい。今メールを見ました」と簡単に言えます。

少し改まった表現だと形容詞delayedも目にします。

delayは「遅れ、遅延」という名詞と、「~を遅れさせる」という動詞の意味があります。

この動詞の過去分詞delayedは形容詞として「遅れた」という意味になります。

したがって、

・Sorry for the delayed response.(返事が遅れてすみません)
・I’m sorry for the delay in replying.(返信するのが遅れて申し訳ありません)

のようになります。

take so longを使う

「返事が遅くなった」は、言い換えると「返事をするのに時間がかかった」ということです。

これをそのまま英語にできます。

・I’m sorry for taking so long to get back to you.(お返事するのに時間がかかってしまい申し訳ありません)
・I apologize for taking so long to reply/respond.(お返事するのに時間がかかってしまいお詫びします)

などの表現をよく目にします。

「あなたに返事する、返信する」をget back to youや動詞reply/respondで表していますが、ポイントはtake so long(とても時間がかかる)という表現です。

これで「すごく時間がかかって」というニュアンスが出ます。

take longでもよいのですが、take so longの方が断然多く使われます。

副詞sooner/earlierを使う

最後に、take so longの逆バージョンともいえる表現も紹介しておきます。

「返事が遅くなってすみません」を「もっと早く返事しなくてすみません」に言い換える方法です。

まずは「返事しなくてごめんなさい」を英語にしてみましょう。

これは簡単ですね。

・I’m sorry for not replying.
・Sorry for not getting back to you.

となります。

notの位置に注目してください。

そして「もっと早く(に)」を表す副詞を文の最後に加えます。

これが英語でスッと出てくるでしょうか。

一般的なのはsooner/earlierです。

それぞれsoon/early(早く)の比較級で「もっと早く(に)」という意味になります。

では、文を完成させます。

・I’ sorry for not replying sooner.
・Sorry for not getting back to you earlier.

「返事が遅くなってすみません」を直訳しようとすると、この発想はなかなか出てこないかもしれませんが、私の周りでは多くの人がこのsooner/earlierを使っています。

Sorry for…/I am sorry for…の使い分け

今回はSorry for…で始まる例文も多かったですね。

友達同士のカジュアルなやりとりではよくI’m がよく省略されます。

逆に、きちんとした文を書きたいとき、フォーマルな印象を与えたいときにはI’m sorry for…という省略形ではなくI am sorry for…ときっちり書く、もしくはI am sorry for…ではなくI apologize for…を使うなどのちょっとした工夫も必要です。

ビジネスでは、フォーマルなMy apologies.(申し訳ありません)もよく使います。

19. 「メールするね」と伝える表現

別れ際に「メールするね」というとき、英語ではどのように表現するでしょうか。

私が初めて海外にきたときに戸惑った表現のひとつがこの「メールする」でした。

ホストマザーから「メールしてね」と言われたのに、emailという単語はどこにもなく、最初はまったく意味がわかりませんでした。

海外生活経験のある人には当たり前のことかもしれませんが、これから英語圏で生活する予定の人はぜひ覚えておきましょう。

「メール」はemail

まずは、「メールしてね」「メールするね」の「メール」から。

書類や写真などを「メールで送ってもらえますか」というつもりでCould you send it to me by mail?と言っていたら注意しましょう。

「メールで」を直訳したby mailは「郵送で」という意味にとられる可能性が高いので、注意が必要です。

名詞mailに「電子メール」という意味がないわけではありませんが、私たちが普段「メール」と呼んでいる「電子メール」は、英語ではemailというのが普通です。

また、emailには動詞で「~を電子メールで送る」という意味もあります

「その写真をメールで送って」はSend me the photo by email.でも悪くないですが、Email me the photo.の方がスッキリしますね。

Text me.

私がホストマザーに言われた「メールしてね」の話に戻ります。

確かにホストマザーに「メールしてね」と言われたのですが、そこにはemailもmailも使われていませんでした。

何と言われたのかというと、

Text me.(携帯にメールして)

です。

当時の私はtext(~の携帯にメールする)という動詞の意味がまったくわからず、頭が真っ白になりました。

このtextは本来は名詞で、text messageとも呼ばれる、携帯電話の番号で送受信する「携帯メール」です。

日本では「ショートメール」とも言われます。

携帯電話でやりとりするメールを英語圏ではtextと呼び、メールアドレスでやりとりするemailとは区別することが多いのです。

名詞のtextは、I got a text from my ex.(別れた相手から携帯にメールが来た)のように使います。

動詞では「~の携帯にメールする」という意味になり、

・Text me.(携帯にメールして)
・I’ll text you.(携帯にメールします)
・Text me when you get home.(家に着いたら携帯にメールしてね)

のように使います。

携帯電話でのやりとりにemailの出番はありません。

英語圏では日本のように携帯電話専用のメールアドレスがないことも多いのです。

PM me.

PM me.(個人的にメッセージ送ってね)というフレーズを見かけたことはあるでしょうか。

私は初めて目にしたときに「うん?PMってPM2.5(微小粒子状物質)くらいしか知らないけど…」となりましたが、これも実はネイティブがよく使う表現です。

私はFacebookの投稿でよく見かけますが、PMとはPrivate Messageの略で、PM me.はメッセージ機能を使って「個人的にメッセージを送ってね」という意味になります

例えば、友達が「イベントをやります!」とFacebookに投稿して、最後にPM me if interested.と書いていたら「興味ある人は個人的にメッセージしてね」ということです。

逆に「個人的にメッセージ送るね」はI’ll PM you.となります。

こちらもよく使われるので、覚えておくと役に立つかもしれません。

20. 「また何かあったら連絡するね」と伝える表現

「また何かあったら連絡するね」というフレーズはとても便利です。

あなたがイベントの幹事をすることになったとします。

会場、集合時間、集合場所などが「決まったらすぐに連絡するね」というつもりで「また連絡するね」「随時連絡するね」と英語で言うとしたら、どんなふうに表現しますか?

ネイティブがとてもよく使うシンプルな表現を紹介します。

I’ll let you know.

「連絡する」を英語で言おうとすると意外と難しいですね。

辞書を調べるとcontact、communicate、inform、notifyなどの動詞が出てきますが、友達同士のカジュアルな会話ではこれらの動詞はあまり使いません。

その代わりによく耳にする表現のひとつがこれです。

I’ll let you know.(あとで知らせるね)

これはとにかくよく使うので、絶対に覚えておきたいフレーズです。

youをmeに変えてLet me know.とすれば「知らせて(教えて)ね」という意味になり、これもよく使います。

I’ll keep you posted.

同じように、「進展があったら連絡するね」「最新の情報を逐一お知らせします」と言いたいときにはこんな表現を使います。

I’ll keep you posted.

これは、何かしら情報のアップデートがあれば連絡します、というニュアンスになります。

カジュアルな会話だけでなく、ビジネスでも使える便利な表現です。

動詞postは「~を投函する」という意味でご存知かもしれません。

でも、英英辞典にはこんな別の意味が示されています。

keep somebody posted=to regularly give somebody the most recent information about something and how it is developing(何かについて、またその進展状況について最新の情報を人に定期的に連絡する)

keep sb posted=to make sure that someone always knows what is happening(何が起きているかを常に人に知らせる)

(Please) keep me posted.

逆に「進展状況を逐一教えてね」「情報のアップデートをよろしくね」といたい場合にも動詞postが使えます

keep you postedのyouをmeに変えて

(Please) keep me posted.

でOKです。

シンプルですね。

「~について」と何の情報かを示したい場合には前置詞on…を後に付けますが、会話の流れの中で何の情報かが明らかな場合にはKeep me posted.だけで通じます。

動詞postを英和辞典で調べて見ると「(人に)新情報を知らせる」という意味が載っています。

でも、その日本語の意味だけを覚えるのではなく、I’ll keep you posted./Keep me posted.のようにフレーズを口に出して覚えてしまいましょう。

そうすると、いざというときにスッと口から出てくるはずです。

新しい表現は、実際に使うことを意識して身につけましょう。

21. ファーストネーム社会

私が海外暮らしを始めた当初はまったく慣れなかったのが「お互いの(姓でなく)名を呼び合う」ことです。

これは英語圏で生活するなら必ず付いてまわる習慣です。

日本とは少し違うけれど、とても大切な「名を呼び合う」ことについて考えてみましょう。

ファーストネームが基本の社会

日本では、友達や特に親しい人とのコミュニケーションを除いては上の名前、つまり性(苗字)で人間関係が成り立っています。

オフィスでも、住んでいる生活圏でも人は姓で認知されます。

初対面の人に自己紹介するときも、例えば「鈴木と申します」のように姓で名乗ります。

しかし、海外ではオフィスでも生活圏でも姓ではなく、多くの場合は名、つまりファーストネームで呼び合います

初対面の人に名乗るときも、I’m John.(ジョンです)のようにファーストネームを言います。

簡単な名であればよいのですが、あまり馴染みのない名だと聞き取って覚えるのが本当に大変です。

そして、この習慣が現地での生活に意外な難しさを生みます。

ファーストネームがどんどん増えていく

日本はファーストネームではなく姓で名乗る社会なので、覚える名前の数が少なくてすみます。

例えば、山田花子ちゃんのお父さんが花子ちゃんの友達の親に自己紹介するとします。

お父さんは「花子の父です」とか「山田です」というでしょう。

自己紹介された側からすると、そこでお父さんの名を新しく覚える必要はありません。

田中さんの奥さんが田中さんの同僚にあいさつするときは「はじめまして、田中の妻です」と言うでしょう。

自己紹介された同僚はもちろん「田中」という姓はすでに知っているので、ここでも新しく名を覚える必要はありません。

でも、海外では違います。

Davidくんの父親のJohnさんが自己紹介するときはI’m John.です。

そして、Johnさんの奥さんが名乗るときはHi, I’m Kate.となります。

自己紹介された側はJohnとKateという2つのファーストネームを覚えなければなりません。

これが人間関係が広がるたびに繰り返されます。

何が言いたいのかというと、ファーストネームで呼び合う社会では、覚えなければならない名がどんどん増えていくわけです。

そして、もっと大きな習慣の違いが日本人を苦しめます。

ファーストネームを呼び合う社会

相手の名を口に出して呼び合う習慣、これが最大のクセものです。

日本では「おはよう(ございます)」というあいさつは普通です。

でも、海外の習慣では、Morning, John.(おはよう、ジョン)やHow are you, John?(元気ですか、ジョン?)などといちいちファーストネームを加えます

Thank you, John.(ありがとう、ジョン)のように、毎日頻繁に使うThank you.にも名を入れて言うことが多いのです。

先日はこんな光景を目にしました。

カフェでコーヒーを飲んでいたら、私の横でtakeaway(持ち帰り)用コーヒーを注文したお客(A)がバリスタ(B)と立ち話をしていました。

そして、話の最後に2人の間でこんなやりとりがあったのです。

A:I’m Matt, by the way. Nice talking to you.(ところで、マットといいます。お話できてよかった)
B:I’m Richard. Nice talking to you, Matt.(リチャードです。お話できてよかったですよ、マット)

2人で自分のファーストネームを名乗ったうえで、最後にバリスタがお客の名前をちょっと強調して繰り返しながら、お互いガッチリ握手です。

意識して習慣づける

お客と店員さんがちょっとした言葉を交わすことは海外では日常です。

そして、そこから少し会話が発展すると、お互いに名乗って認知し合うという習慣があるように思います。

したがって、きちんと相手の名前を呼ぶ、そのための前提として相手のファーストネームを覚えることは重要です。

日本語にはない習慣なので、最初は意識して身につけることが大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です