トナのブログ

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Oculus QuestでSteamVRをプレイする - Virtual Desktop基本設定

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(2019/12/13追記) サイドロードの手順を加筆修正。

(2020/09/10追記)最新の内容に加筆修正。

(2020/09/23追記)公式サイトの翻訳を追加。

 

Oculus QuestでPCVRをワイヤレスでプレイできるVirtual Desktopの特徴と導入方法についてご紹介します。

 

特徴

- 有料ソフトである(1990円)

- SteamVRがプレイ可能*1

- 高画質・低遅延*2

- 設定が容易

- トラッカー利用時、毎回の位置調整のキャリブレーションが不要

- ハンドトラッキング対応*3

- 安定性は環境・設定で大きく変わる*4

 

必要なもの

- Oculus Quest

- ゲーミングPC(GeForce, Radeon両方対応)

- ルーター(5GHz Wifiが利用可能なもの、別記事参照)

 

導入方法

1. QuestストアでVirtual Desktopを購入する

 Quest内あるいはスマホアプリのQuestストアでVirtual Desktopを購入します。

 

 

2. Virtual Desktop StreamerをWindowsにインストールする

公式サイトよりストリーマーアプリをダウンロードしインストールします。

https://www.vrdesktop.net/

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Streamerが起動したら Oculus Usernameを入力しSaveをクリックします。

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3. スマホOculusアプリでQuestを開発者モードにする

初期設定で使用したスマホのOculusアプリの設定から開発者モードに切り替えます。

 

 

4. Virtual DesktopのAPKをQuestにサイドロードする

ストア版から省略されているSteamVRのストリーミング機能を別途APKで補います。

APKはSideQuestでダウンロードとサイドロードの両方ができます。

Side Questのダウンロードは下記リンクより可能です。

https://sidequestvr.com/setup-howto

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まずサイドロードを実行するためのドライバをOculusよりダウンロードします。

開発者として登録→ADBドライバのダウンロード&インストールという流れです。

http://dashboard.oculus.com

上のリンクを開き、画像の通りにインストールを行います。

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解凍したフォルダのandroid_winusb.infを右クリックしてインストールします。

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次に、SideQuestを起動しPCとQuestをUSB接続するとQuest内部にデバッグ許可を求めるウィンドウが出るのでOKを選択します。正常に接続できていると左上のインジケーターが緑色になります。

*PCにUSB Type-Cポートがない場合、USB AtoCケーブルを用意してください。

 

接続が完了したら、作品検索欄に"Virtual Desktop"と入力し、画像の手順でサイドロードを実行します。

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ダウンロードとサイドロードが正常に完了するとウィンドウ下端に"All tasks completed!"と表示されます。

 

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5. SteamVRをWindowsにインストールする

Steamを起動しライブラリの検索欄からSteamVRと検索しインストールします。

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6. Oculus PCアプリをWindowsにインストールする

下記リンクよりダウンロードが可能です。

https://www.oculus.com/rift/setup/

7. Quest上でVirtual Desktopを起動する

サイドロードが成功していると左下のバージョン名に(Sideloaded)と追加されSteamVRがプレイ可能になります。WiFi環境に問題がなければ自動的にPCに接続されデスクトップが表示されます。

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8. SteamVRを起動する

Steamを起動した状態でVirtual Desktopの"Launch SteamVR"を押すか、Virtual Desktop Gamesタブの任意のタイトルを選択するとSteamVRが起動します。

メニュー操作としては、左コントローラーのメニューボタン長押しでSteamメニューが、2回連続押下でVirtual Desktopのメニューが開きます。

 

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問題が発生した場合

Virtual Deskotp公式サイトの内容を参考にしてください。大半はVRストリーミングではなくデスクトップストリーミングについての内容である点に注意してください。

https://www.vrdesktop.net/

以下は筆者が日本語に翻訳したものです(内容は2020/09/23のもの)。

●サポートヘッドセット
・Oculus Quest 2
・Oculus Quest
・Oculus Go
・Gear VR

●PC必要動作環境
Windows 8.1 64ビット(Windows 10推奨)
NVIDIAあるいはAMDグラフィックボード推奨(必須ではない)
Intel Core i5-2500K(またはその同等品)
・5GHz 802.11ac/802.11ax WiFiルーターに有線接続されたPC
Windows Nエディションを利用の場合、Windowsバージョンにあったメディア機能パックをインストールすること

●よくある質問

Q. Macに接続できるか?
MacOSのサポートは現在準備中でベータ版の状態です。詳しくはディスコードをご覧ください。また、Parallels Desktopも利用可能で、その場合ネットワークをブリッジモードにしてください。旧世代のMacではParallelsの設定を「デザイン」または「ゲーミング」にすることで動作するかもしれません。下記のSteamVRストリーミング機能はParallelsでは動作しません。

Q. SteamVRやOculus Riftのゲームをプレイできるか?
プレイできますが、VR対応のWindows10 PCが必要です(Macでは動作しません)。Oculus StoreでVirtual Desktopを購入したあとパッチをあてる必要があります。これはSideQuestを使うと簡単に行えます。SideQuestの指示に沿って開発者モードを有効にした上で、Virtual Desktopページの"Install to Headset"をクリックしてください。
一度サイドロードが完了すれば、その後はVRでVirtual Deskotp Gamesタブからゲームを起動してください。また、Oculus Riftソフトウェアのインストールも必須です。

Q. Computer is unreachableと表示される
Not on same networkの警告が表示され、インターネット経由のリモート接続をしていない場合、まず以下のことを確認してください。

・PCがヘッドセットと同じルーターに接続され、同じネットワーク上にあること(例えば、ヘッドセットがゲスト用ネットワークにあるかもしれません)

それでも解消しない場合は以下のことを確認してください。

Windowsファイアウォールが全接続ブロック状態でないこと
・AvastあるいはAVGを利用の場合、ファイアウォールネットワークプロファイルがパブリックではなくプライベートになっていること
・AcAfeeやNortonなどの他のウイルス対策ソフトを利用の場合は、機能を停止させるか、Virtual Desktopストリーマーを例外設定に追加すること
・PCでVPNソフトウェアが起動中でないこと
・NordVPNを起動中の場合、CyberSecとInvisibility on Lan機能を無効化すること
ルーター設定でFull cone NATあるいはOpen NATに類する設定がある場合有効にすること
・公衆Wi-Fi(アパート施設やオフィスなど)を利用中の場合、デバイス間の通信を妨げることがよくあります。次善策として自分用のルーターを使うことができます。

Shadowや他のクラウドPCサービスを利用したい場合、以下のことを確認してください。

ルーター設定でDMZホストを一切設定していないこと
・プロバイダがDS-Liteを利用している場合、デュアルスタックあるいはIPv4に変更する必要があります。

Q. Measuring bandwidthとの表示後、切断してしまう

問題の詳細を伝えるエラーがデスクトップに表示されるはずです。多くの場合この症状は以下の場合に起こります。
・グラフィックボードや内蔵GPUの最新ドライバをインストールしていない。IntelノートPCをお使いの場合、最新のIndelドライバをインストールしてください。
・ディスプレイ設定でHDR・WCGを有効にしている。
VPNウイルス対策ソフトがPCへの接続をブロックしている。
・AvastあるいはAVGをインストールしている(最近のバージョンはVirtual Deskotpの正常動作を妨げるのでアンインストールしてください)。

Q. 接続したが真っ暗な画面が表示される

・モニタがWindowsに検出されていることを確認してください。一部のモニタやテレビでは検出のために電源をつける必要があります。
NVIDIAノートPCの場合、デスクトップを右クリックして、NVIDIAコントロールパネルを選択し、「3D設定の管理」に進んでください。グローバル設定で「優先するグラフィックスプロセッサ」を「高パフォーマンス NVIDIAプロセッサ」にします。変更後PCを再起動してください。
IntelノートPCの場合、最新のIntelグラフィックスドライバがインストールされていることを確認してください。
Windowsの夜間モード・HDRの無効化や、モニタの色を変更するアプリ(F.Luxなど)のアンインストールを試してみてください。

Q. ストリーマーアプリがインストールできない/起動しない

ウイルス対策ソフトがインストールや起動を妨げている可能性があります。Virtual Desktopを例外に追加してみてください。

Q. メディア機能パックのインストールが必要とのメッセージが表示されたが、どこで入手できるか?

ここからインストールしてください。

Q. デスクトップ配信の動作が不安定だが?

PCとルーター間が無線接続でなく有線接続であることを確認してください。最低でも802.11acルーターが必要で、5GHz接続を利用することが推奨されます。素早いアクションゲームを配信するにはデスクトップPCとグラフィックボードが必要です。また、NVIDIA Gamestreamを無効にしてみてください。

Q. Netflix、Huluなどのストリーミングサービスを見ようとすると黒い画面が表示されるが?

Microsoft EdgeInternet ExplorerChrome、ならびに一部のWindowsストアアプリにはデジタル著作権管理があり、そうしたサービスのキャプチャを制限しています。この問題はFirefoxを使うことで解決できます。

Q. 特定のゲームを起動すると黒い画面が表示されるが?

仮想フルスクリーンモードで起動してみてください。

Q. 3D SBS映画を見れるか?

はい。スクリーン外部にポインタを移動しトリガーを引いて、デスクトップツールバーを出し、該当の3Dモードを選択してください。

Q. インターネットを通して自分のPCに接続できるか?

はい。ストリーマーウィンドウのAllow remote connectionsにチェックが入っていることを確認してください。また、ルーター設定でUPnPを有効化して、ストリーマーアプリが自動で必要なポートを開放できるようにしてください。もし手動でルーターを設定したい場合、TCPポートの38810、38820、38830、38840を開放してください。


以上です。

*1:手順3~6が必要

*2:当環境で画質はOculus Rift Sより少し下、入力遅延は56ms、音声遅延は294ms アップデートにより入力・音声遅延とも20~30msになった

*3:Indexコントロ―ラーのエミュレーションではないので指は動かない

*4:おすすめの設定については次の記事を参照

Virtual Desktopを最適な設定にする - 各種設定について - トナのブログ